苦節三五年。念願だった公衆衛生の漫画が誕生した
パンパカパーン!
ついにこの日がやってきました。
宮崎市の本屋でついについについに、保健師が主人公の漫画を見つけました。
公衆衛生の仕事について、苦節三五年。
念願だった公衆衛生の漫画が誕生しました。
埜納タオさんという漫画家の「保健師が来た」(双葉社)です。
それまでのあゆみを、簡単に振り返ります。
手塚治虫さんの「きりひと賛歌」「ブラックジャック」に始まる医者漫画。
山のようにありますが、なかでも山田貴敏さんの「Dr.コトー診療所」には感動しました。
佐々木倫子さんは、「おたんこナース」という看護師漫画を書き、「動物のお医者さん」という獣医師漫画も書いています。
動物のお医者さんは、テレビドラマ化されましたが、あまりにもふざけた内容だとして全国の獣医師から抗議が殺到しました(涙)。
薬剤師漫画では、最近の葵みどりさんの「アンサングシンデレラ」がヒットしました。
これもテレビドラマ化されました。
労働基準監督官の漫画はありますが、同じ国家資格の保健師や管理栄養士の漫画は無かったので、できるのを今か今かと待ち続けておりました。
今夜は乾杯です。
さて、この保健師漫画コミックは、二〇二三年一〇月一七日に第一刷が発行されています。
新人の保健師の三御一花(通称:サンゴ)が、行政保健師として潮三(しおみ)市に採用されてから、話が始まります。
JOURという月刊誌に掲載された四話が紹介されています。
監修協力は、大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学特任准教授の野口緑先生。
兵庫県小野市の保健師の皆さんからも、取材をされているようです。
作者のあとがきを読むと、こんなことが書かれていました。
二〇二〇年、新型コロナウイルスの報道で、緊迫した医療機関と同様に保健所の現場が毎日のように画面から流れていました。
混乱した状況下で、懸命に対応される保健師さんの姿を見て
”平常時は、どんな仕事をされているんだろう?”
最初に「保健師」という仕事に関心を持ったきっかけです。
いまも、「保健師」という仕事を正しくは理解できていません。
ただ、取材等でお会いする保健師さんの印象から、たいへん魅力的な仕事であることは間違いないようです。
そこを私なりに探りながら、今後も描いていきたいと思います。
うーむ。これは応戦、いや応援せねば。
全国の保健師の団体は一人一殺、もとい一人一冊購入を呼びかけるべきかと。
もしくは、双葉社に応援はがきを送るべし!
ネタを売り込むのもいいです。
取材要請もいいかも。
参考文献は次のとおりです。
保健師の一日/双葉社
保健師・養護教諭になるには/ぺりかん社
保健師 地域の健康をつむぐそのはたらきと能力形成/ふくろう出版
保健師ものがたり/せせらぎ出版
無名の語り 保健師が「家族」に出会う12の物語/医学書院
新人保健師が自己成長感を獲得していくプロセス/日本看護研究学会雑誌 Vol.40. No.5
漫画を描くのに、取材だけでなく、かなり勉強をされているようです。
本当は、保健所が舞台だったらもっといいのですが……。
いやいやいや、やぼなことは言わず、公衆衛生漫画の第一歩となった記念すべき作品の誕生に祝杯を挙げましょう。
「スタッフー! ドンペリ持ってきて」
と頼んだ
と日記には書いておこう。
ちなみに、現在は2巻も発売されています。