0003 読書

「趣味は読書です。」
この一言を言うためには、どんな本をどれだけ読むと良いのか。

中学生の頃。京極夏彦作「姑獲鳥の夏」に出会った。映画の時の俳優陣が好きで、脳内に堤真一を登場させることで一気に読み進めることができた。ここから私の読書法が確立された。常に映像化するのである。すると、例のレンガ本と言われる文庫本も難なく読み終えることができる。この経験を積み重ねると、好みではない物語に出会っても「大丈夫、レンガ本より薄い。すぐ読める。」と、読み切ることができた。

この読み方は、物語だけではない。エッセイや評論文などにも対応できる。エッセイや評論文など、筆者自身が語り手となっている場合、私と筆者の対談がスタートする。「〇〇さんはこうおっしゃっていますが、この場合はどうでしょうか。」私好みのエッセイストは欲しいタイミングで答えをくれる。だから気持ちよく読み進めることができる。会話のテンポって大事。

しかし、働き始めて本を読む機会が減った。読みたい気持ちはある。意識しなければ読まなくなっている。

「本を読むことは大切だ」と言われた時の「本を読むこと」は娯楽としての読書というより、研鑽としての読書のような気がしてならない。専門書を読めば良いのだろうか。自己啓発本を読めば良いのだろうか。何の時間を削って本を読もうか。そう考えているうちに本からどんどん遠ざかっているようだ。

今読んでいる本はない。だけど私は読書が好きだ。こうやって文章に書くことで、読書について堅苦しく考えてる自分に気がついた。
何でも読みたいものを好きな時に読めばいいんだ。

明日は本屋に行ってみよう。

いいなと思ったら応援しよう!