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高卒発障の放送大学あそび(英語編)

※注意と免責

ゆる~く選科履修で遊んでいる奴の覚書です。
ガチでやるぞって方へ向けていません。
効率よく卒業したい!とか がっつり学び直ししたい!とか
そういうアレでしたらここで得るものは少ないんじゃないかな


別科目についてはこちら

『初歩からの数学』と『演習初歩からの数学』

『日本語リテラシー』と『日本語リテラシー演習』

とった科目

『ビートルズ de 英文法』と『教養で読む英語』

ビートルズ de 英文法

高校卒業以降ほとんど英語なんてやってなかった
(中退した大学でも英語の授業はあったのだけれど 必修だから一応ズルズル受けてた、みたいな感じ。)
ので、色々忘れてるんだろうなーという思いは常々あって。

高校数学をおさらいするために放送大学を聞き始めたわけだし
何コマとっても入学金は同じなら英語も触ってみるかぁというフワッとヌルッとした動機。

続けられるかどうかは人によりそう

科目名通り、ビートルズの曲を教科書にする講義
音楽をお手本にしているということもあってか、文法だけでなく
発音についてもわりと触れます。
特に強弱の付け方についてなどは、「ライティング」な文法の講義ではなく「スピーキング」寄りだなぁと感じました。
個人的には高校時代の「オーラル・コミュニケーション」を思い出した。
自分はオーラルっぽい講義が入ると程よくやる気が維持されたのだけれど
とにかく英文法を詰めたいんです!!!って人は寄り道に感じるかも?

……というか、そもそも英文法に特化して勉強したい人はこの科目向きではないと思う。

だってコード進行とかやるよ。リリース当時の流行についてとか話すよ。

あらゆる学校で
教師が好きで好きでたまらないものについて語っている、「生徒への教え」というより「先生の萌え語り」みたいな授業ってあると思うんです。
それです。

ぼくの中学校では理科教師が羽化について話すときがソレだった
(お家の冷蔵庫にサナギを保管していると嬉しそうに語っていた先生、当時は若手だったけれど今も教職に就いておられるならベテランのはず お元気かしら)(軽く調べたところ同名の校長先生が他県にいらっしゃるらしい ご本人かは分からない)
高校はほとんど全ての教科でそうだった気がするものの
世界史担当のおじいちゃんがナポレオン関連に触れるときが特に目立っていたかな
(赤ペンを指揮棒に見立てて振りながら朗々とラ・マルセイエーズを独唱する老人、普通に異様でウケた)

主任教師の先生はもちろんビートルズ大好きなんだな~~~!英語や英語文化が好きなんだな~~~!!という熱量ですしサポートされる先生方も劣らず楽しそうにされている。講義を通してずーっとハッピーな空気で満ちているものだから、なんとなく楽しいまんま聞き続けられる。これが大きい。

淡々と滔々と進むおかげでメンタル引っ張られずに勧められたなぁ、というありがたみをおぼえる科目もある。
たぶん受講生の興味を惹こうとしてくださっているんだろな、と感じつつも個人的に受け止められず上滑りに疲れてしまった科目もある
相性の問題。エモーショナル=いい授業 ってわけじゃない。

ただ、『ビートルズ de 英文法』は自分にとってちょうどよかった。

学習を楽しく続けられるかどうか、という不安があるなら
難易度よりこちらを気にした方が良いように感じます。
内容のレベルで言えば高度なことやらないので。

快適かどうかも人によりそう

強いて言うなら各章の見出しがオシャレすぎて探しにくいのが難点。
「○○構文」や「○○法」といった英文法の分類ではなく
「Do You Want to Know a Secret」だの「Paul's Mind, John's Heart」だのがタイトルになっている。
復習したい部分があるとき、いわゆる"普通"の教科書であれば冒頭ですぐ分かるのだけれど、『ビートルズ de 英文法』の印刷教材だとそうはいかない。
……この教科書っぽくなさが魅力でもあるとはいえ……うーん。

復習するときは頭から通してで、どこかの単元だけピックアップして聞き返すことは稀!という勉強スケジュールなら何らの問題もないです。だってどうせ全部やるんだもん。

いわゆる"楽単"ではある、けれども

単位取得の難易度はかなり低い、と思います。
(少なくとも私が受験した時点+過去問題を見た限りでは)ひっかけ問題もなかったし。通信指導の答えは全部授業中に出てくるものだから、ちゃんと聞いていれば余裕。
「授業中に出てくるもの」なので、印刷教材を読んでいるだけで1回も講義を聞いていないとしたらさすがに満点は取れないかもしれない。でも仮にそうだとしても数問悩む程度で合格は余裕のはず。

高校英語の総浚い、というより高校1~2年生程度じゃないかな。たぶん。
何年生で何をどう習う、みたいなものは学校によって多少違うだろうから断言はできないけれども。

同時期にとっていた『初歩からの数学』の場合
通信指導は『ビートルズ de 英文法』と同じで授業を聞いていれば既視感のある問題、単位認定試験になると若干ヒネった聞き方をしてくる
という印象だったので
単位認定試験でも素直な設問をする『ビートルズ de 英文法』の方が平均点高いのも納得。

中学程度の基礎がある人がテストの点を取るだけなら、まじでチョロい。
英語学習そのものが初って人は現代日本でそんなに多くないと思うのだけれど、放送大学だしそういう層にも向けて展開しているのかしら?と感じたレベルです。

とはいえ、「楽単」だから「内容が薄い」なんてことは無い。たぶん。
一通りの高校英文法をやるのは間違いない。
加えて発話する際のリズムについても説明がある。
(初級者向けの)英語の授業として不足してはいないです。

学生時代、時制のところで細かく分けられてミ゛???????と断末魔をあげていたのだけれど、そこのスッキリさせ方なんてほんとに良かった。
授業のキモだと思うのでここでは転記しませんが、良かった。
「あっこのおじいちゃん、ただのビートルズマニアじゃなくて英語の先生だったんだぁ」となった。佐藤教授に対する感想が失礼すぎる。

教養で読む英語

英語は1コマとれば十分かなぁとも考えていたのだけれど、
だって『ビートルズ de 英文法』でアシスタント的な立ち位置にいらっしゃる大橋教授の声が聞きやすくて可愛らしかったから……。
お声が薬理凶室の淡島りりか先生とちょっと似てない? 推せる。

いろんな科目を小鉢料理で テキストが英語なだけ

『ビートルズ de 英文法』は佐藤先生ほか「ビートルズが大好き」が共通で、いろんな先生がゲストにいらっしゃってアプローチをしてくれました。
こちらは各方面の教授が面白い(だろうと考えた)ところを入れかわり立ちかわりアプローチします。

大学の1回目にオリエンテーション授業ってあるじゃないですか
ガイダンスみたいなやつ。
履修するかどうか、これ聞いて決めてね~みたいなやつ。
それに印象は近いなぁと思いました。
ただ、テキストが英語で用意されているというのみの違い。

幅が広いのでNot for Meだな~というジャンルも、正直ある。
それだけ幅が広いという証左でもある。
とはいえ、専門用語が飛び交うような発展的内容まで突っ込むことは無い。あくまで英語の学習という前提だもんなぁ。
聞きなれない用語については都度解説が入るしね。
ぶっちゃけ他の回の方がワクワクしたわ~という回でも、難しくて内容に付いていけない!みたいなことは流石にないです。

個人的には第1回(On Psychiatry)と第8回(On Geology)が楽しかったかな。
でも第3回(On Mathematical Engineering)もめっちゃ興味深い。へ~ってなったのは第14回(On Chemical Physics)。学長自ら!?という驚きとともに始まった第11回(On Education)も良かった。いちばん笑ったのは第2回(On Social Psychology)です。
……いやこれ本当に全部になるぞ挙げてったら。

ちなみに1つピックアップして感想を書く、という課題では第6回(On Japanese Philosophy)を選びました。
国文学・日本文化オタクのケがあるので、題材に対して書きて~~~~!!が強かった。でも詳しくないジャンルの話の方が却って講義としては前のめりに聞けたりするのよね。

英語がムズい、というよりも

『ビートルズ de 英文法』と比べたら、ちょっと高度だとは思う。
思うけれど、課題を見返しても難しい英語をやったという感覚にはならない。
……たぶん『ビートルズ de 英文法』がド初歩スタートでやってくれるので
落差を感じているだけなんじゃないかな、と自己分析。

これは『初歩からの数学』でも似たようなことを感じたのだけれど
放送大学って受講者の持っている基礎のラインがかなり幅広いから
「基盤授業」はだいぶ大きめにバッファをとって「初歩」を想定しているっぽい。
ここから各コースの授業に進むと専門性をもっていくわけで。
通学制の大学でいうところの「概論授業」か、それより易しい「般教」みたいな感じ。教養学部の基盤科目が他の科の「一般教養」っぽいの、それはそう。当然である。

そういう意味で『教養で読む英語』は基礎英語を前提にしているというよりも、基礎教養を前提にしているのかもしれない。
知識量ではなく、姿勢としての教養。「教養学部の学生」としての在り方を求められている気がします。
「興味ない分野の話なんて聞いても仕方ない」
「概ね知ってる内容で、生活に直結しないなら細部は知らなくていい」
みたいなスタンスだと15回ずっと苦行だと思う。
逆に、無限に百科事典を読めるタイプはずーーーっとサイコーなんじゃないか。これは自己紹介です。

国語のテストで抜粋された小説の前後が気になって本を借りた奴、
理科の教科書に結果だけ書いてある実験が授業内でできなかった不満を抱えて次の単元に進んだ奴、
ふと気になって略語の元や熟語の故事を調べてばっかの奴、
「グラフはこうなります」って書かれてる数式でも自分の手でドット打ちしてみたい奴、
たぶん才能あるよ。しらんけど。


で、結句どうだったわけよ

どっちも○Aでした。
課題の内容的にも「ふるい落とす授業」という感じはないです。流石に基盤科目でそれはないか。
素直に要求通りやってて不合格、というケースはあんまり想像しにくいかなぁ……
ただ『教養で読む英語』は課題数がそこそこあるため、うっかり解き忘れ・出し忘れがあると評定は下がるだろうな。
まぁ学期末締切なので追い込みが効きます。
別科目では末締めだと思い込んでいた課題の提出日が細かく指示されており、課題を3 分の1ほどすっぽかしました。最終レポートがほぼ満点でも評価はB。全面的に自業自得……。

長文に忌避感があるなら『ビートルズ〜』、細切れのフレーズより前後の流れがほしいなら『教養〜』がおすすめかな。
そして両方を受講しても重複で無駄になるような講義ではないです。どちらも面白かったよ。


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茶沢くちなわ
見返りはないよ。ただあなたが優しいだけ。