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詩が玲瓏たる31音

#トキキル  
083/志賀 玲太 解読成功

春の風地軸をなぞり自由とは怯えるものを嫌う羅針図

志賀玲太 連作短歌『航路』より

トキキルLimitedに行ってきた

羅針ではなく羅針
羅針盤(≒方位磁針)のように、自分が動くたびレスポンスを返す道具ではなくて、そこに描いてあるだけの、それ自体は印でしかない。
頼りになるものでありながら、縋れるものではない。
励ますような、突き放すような、諦めるような、燃え上がるような、まさに「志賀玲太の歌だ」という感じ。ちょっぴりペダンティックさのある言葉選びもね。(誤解のないように書き添えておく。衒学的なところがある詩が好きなぼくにとって、これは純然たる好意のあらわれである! 素堂だの其角だの李商隠だのを愛してるんだ! 察してほしい!)


前提として謎解きありき

以下3首
「トキキル083の謎解きありき」です。
もちろん無意味に作ったつもりは、ないですけれども。

花の風夢を叶えるひとのうた靡けど折れずただ鳴らせると

全円スカート

アンダーグラウンド・リズムだけが持つたがいへの愛 傷痕ぐるみ

象牙の塔(SRC造)

すくわれているのはきっとその声がエデンより今注視するから



余談 呼称に対する個人的な悩み

志賀玲太。と敢えて敬称略にさせてほしい。
ぼくが愛している歌うたいのひとりだ。
ぼくは尊敬する詩人に敬称を付けたくない。
(「〇〇さん」と呼ぶと却って無礼に感じてしまい居住まいが悪いこの感覚を、どうやったら他者に説明できるのだろう)
(ウェブライターとしての志賀さんは志賀さんって言いたいのにね。不思議だ)
(ぼくは志賀玲太の歌が好き。わたしは志賀さんの記事が好き)

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茶沢くちなわ
見返りはないよ。ただあなたが優しいだけ。