ヒトのたまご〜命の神秘
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先日のnoteに おすすめの本として 三木成夫の著書
海・呼吸・古代形象を 取り上げた。
その序章のサブタイトルが ヒトの卵である。
そして そこには 参考画像として上の画像が載せてある。
書き出しには「いちめんに海藻の密生した“まりも”のようなたま
ーそれは妊娠一か月の子宮の壁からはがしとったわれわれ人間の
まぎれもない「たまご」である。」とある。
私は妊娠の経験がなく また、一度もおしめを替えたことがない。
仮に 忙しい子持ちの友人たちを訪ねたとして 猫の手も借りたい
彼女たちが「ちょっと悪いけど おしめを替えてくれる?今手が離せ
ないの」などと言ってきたら、私は ありもしない用事を思い出して
その場を 瞬時に立ち去り 友人宅を訪問したことを 記憶から
消し去ってしまうだろう。
私にとって 人間の赤ちゃんは エイリアンと一緒だ。
女性の子宮に寄生し その女性から栄養を吸収し育っていく。
それが エイリアンでなくて 何だろう?
しかも 内側からその女性の脳をコントロールし 自分の食べたい
ものを食べるように仕向ける。
だから 妊娠すると 女性は 食べ物の嗜好が変化する。
話しが外れてしまったが そんな私だから この書き出しにあること
は この本を読んで初めて知った。
しかも この海藻の一本一本が 子宮の壁にくい込んで、そこから
貪欲に栄養を吸収し、しかもここから起こった血流がたちまち
合わさってヘソの緒を通ると書いてある。
そして 発生学的には この海藻の生えた柔らかい膜は 胎児の肌の
延長であるという。つまりは 母体から栄養を吸収していたのは
“おのれのはだ“ということになる。
解剖学で 皮膚は臓器として分類されているのだが 面積としては
人体のどの臓器よりも広い。子宮にいるときは その皮膚を介して
栄養を吸収し 生まれてきてからは バリアの働きをする。
また皮膚下の汗腺は体温調節の働きをするし 神経も張り巡らされて
いるから 外界の環境は 皮膚を介して脳が判断している。
単に皮膚といっても 皮膚は想像以上にたくさんの機能を果たしている。
こうしてみると 哺乳類と他の生物の違いは 卵で生まれるかどうか
だと思っていたが 実は 命はみんな たまごの中で育まれていると
言える。
妊娠経験のある女性は 皆 上のことを知っているのだろうか?
そうだと思いたい。
なぜなら受精からわずか1ヶ月という短い間に 細胞の分裂に始まり
私たちの進化の過程の最初の部分が そこに深く示されている。
命は海から始まり 海に育まれてきた。
昨日のクリスマスは 一昨日までの大波の終わりと 今朝やってきた
大波の始まりの間で コンディションもよく そこそこのサイズで
久しぶりに楽しめた。
波乗りをするものたちにとっては まさにクリスマスプレゼントだった。
今日から再び 波のサイズが上がってくるのは すでに予報が出ていた
から そこにいる誰もが 今しかない その瞬間を楽しんだ。
特に夕方行ったときは エネルギーを失った前のうねりの合間に
新しいうねりのエネルギーを感じることができるのが嬉しくて
陽が沈んで 波が見えなくなるギリギリまで 遊んだ。
その喜びは その冬最初の雪が 頬に舞い落ちたのと同じぐらいだ。
今日の夕方 波チェックに行くと はるか沖で 大波が割れている。
その炸裂するエネルギーが 波打ち際まで届いて 海は洗濯機の
ようだった。
こうして 季節が来ると 海は波を利用して 海底をかきまわす。
海が自らを浄化しているのだ。
その激しさには ただただ圧倒されるばかりだ。
今年も残すところ すでに1週間を切った。
ここからの人生は 命の神秘を知ることに 費やしたいと
ふと思った。