威風堂々(R指定)
ハワイの人たちは 堂々と太っている。
その毅然とした態度に こちらも太ってみようかな?と
思うことがある。現代で言う インフルエンサーの役割を
自然にこなしているから フォロワーの多い ネット上の
インフルエンサーなんか及ばないぐらい かっこいい。
太っているのに引き締まっているから ますます目を引くのだ。
そして 私の脚が2本入るぐらいの スキニージーンズを履いている。
そのサイズでは もうスキニーではないのだろうが 彼女たちが
履くと ちゃんとスキニージーンズに見えるから不思議だ。
まるで空間と思考に歪みをもたらすかのようだ。
先週末、70少し過ぎたフィリピン人のおばさんが オフィスに
やってきた。軍の仕事に携わっていた頃は 東京と沖縄に住んで
いたので 日本語が堪能だ。
完治したと思っていた乳がんが ここ数ヶ月の間に再発し 放射線治療に毎日通っているらしい。
それで 副作用のせいか頭痛がして肩こりもひどいのだという。
腫瘍の摘出にあたり 乳首の位置が左右違ってくるのを 執刀医が考慮してくれて 両方同じになるように手術をしてくれたらしい。
その時初めて 美容整形に関わる執刀医が 乳がんの摘出手術をしていることを知った。確かに 乳房に対する美意識がある執刀医が 手術をする方が 女性にとっては良いのだろう。何しろ 摘出する割合によっては
左右の見た目に 大きな差が出る。
いつも思うのだが 乳房専門の執刀医になることを決めた男性は 何が
きっかけで その職を選択するのだろう?憧れていたとしても それだけでは やっていけない気がする。何しろ毎日毎日扱うのが 乳なのだ。
そして 日々乳に費やす時間が長いだけに 会話も乳になりがちな気がする。
実際 サーフトリップの最中に ある執刀医と夕食の席が一緒になった
ことがあるが 始終乳話しだった。
同席していた 他の男性たちには興味深い話しだっただろう。
施術が終わり デスクで フィリピン人のおばさんを待っていると
ちょっとこっちにきてと 施術室に呼ばれた。
カーテンを開けて中に入ると 洋服も着ていないまま施術台に座り
「見てみて〜」と 間も無く完治するであろう 手術した乳首を
私に 見せるのだった。
本来 このような行為は 私のオフィスでは ご法度だ。
が 親戚のような付き合いのあるおばさんだから 仕方なく“見てあげる“ ことにしたのだった。あくまで“見てあげる“だ。
見たかったわけではない。
そして 傷の跡も綺麗に治りそうで良かったですねと コメントした。
心理学的に判断して それが一番 彼女が聞きたい言葉であろうと
思ったからだった。
年齢のせいか それとも性格からか 彼女の堂々とした態度は
上半身裸の状態でも いやらしさがなかった。
もっとも 男性が見たのなら 私とは別の感情を抱いたのかもしれない。
話しは変わるが ここ数週間 ある男性に 勃起のためのアドバイスを
求められていた。
彼は 現在70代。数ヶ月前に知り合った女性と ようやく肉体関係に
たどり着いたらしい。
彼はイタリア系移民で アル パチーノに似ている。
彼の知り合った女性というのが私の友人の姉で、彼は以前 タントリックの先生をしていたと 友人から聞かされていた。
だから アドバイスを求められた時 先生をしていたぐらいなら ご自分で知識がおありなんじゃないですか?と言おうと思ったが 友人から聞いたことは あくまで内緒なので 知らないふりをして 2種類の薬草を提示した。と同時に 心臓に負担をかける可能性もあるので 不自然に行うより 今の身体の状態に合う方法で 楽しむことが大事なんじゃないでしょうか?とも提案した。
そもそも こうした内容は 私の仕事外のことで 却下するべき内容なのだが 友人の姉の彼ということで 聞くことにしたのだった。
彼曰く アドバイスを求めるに至ったのは 自分のためではなく 彼女の
ためでと言ってきた。
あなたの性的エネルギーはかなり高いので それだけでも彼女は幸せなはずですよというと 彼女はこれまで 体験したことのないオーガズムに
達して 出会えたことを心から 喜んでくれていると話してくれた。
心の中で 一瞬 惚気かい?と思ったが 振られそうになって悲しんでいた 最初の頃から比べると 彼もなかなか 堂々としてきた。
最初にあった頃は 何やら暗いオーラを纏い 体の調子も悪そうで
エネルギーも停滞していた。そこで 毎日少しでも運動して 血流改善するとともに 少しの間 食べるものにも気を付けてみるといいかも?と
言うと 真剣にそれに取り組み、3度目のセッションで会った時には
澱んだものを全て脱ぎ捨てたと言った感じだった。
その努力が 彼女に通じたらしく 今に続いている。
帰り際に 心臓の上に手のひらを当てるようにして 勃起することには
それほどこだわりはないんです。心がね、ここが深く通じていればと
言って 立ち去った。
歳をとっても体は体。恋愛関係を持てば それなりに体のことも気になる
だろう。が 歳をとってこそ 若い時にはできなかった愛し方ができる
ようになるのではないか?と思う。
と そんなこんなで R指定の週末は過ぎ 新しい1週間が始まる。