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『すずめの戸締り』をホツマ的に考察する②〜ダイジンという名前の謎〜
この記事では、新海誠監督の映画『すずめの戸締り』を古史古伝ホツマツタヱ(以下ホツマ)を参考に加えて考察していく。
※最小限に努めるが、ネタバレも含むので本編を先入観なしに見たい方は読まないことをお勧めする。
さて、今回は要石「ダイジン」「サダイジン」に焦点を当てて考察する。
ダイジンという名前は「大臣」という君主の側近や政治を執る高官をイメージする。
一方で要石といえば、地震を治める石だと伝わる石である。
要石があることで有名なのが鹿島神宮と香取神宮だ。
その神宮の祭神は、タケミカヅチとフツヌシであり、この二神はホツマでは、オシホミミ(神代9代目の天君)に侍る臣(=大臣)である。
この二神の大臣が関係あるのだろうか。
◎なぜサダイジンが東でダイジンが西なのか?
映画では、ダイジンは宮崎でサダイジンは東京に要石として刺さっていた。
位置関係的には、ダイジンは西、サダイジンは東になる。
サダイジンが左大臣だと考えると、ダイジンは右大臣になる。
ここで、西と東を思い浮かべた時に、普通地図上では、西が左で東は右になる。
なのに、西がダイジン(右)で東がサダイジン(左)なのだ。
この理由に関しては以下を見ていただきたい。
『「君の両側に侍る臣」を、ホツマは「羽の臣 (はねのおみ)」とか「両羽臣 (もろはとみ)」と呼んでいる。
「左」は日の昇る「東」を、「右」は日の沈む「西」を表し、「左」の方を格上と見ていたようだ。「昇る」は「陽・天」、沈むは「陰・地」を象徴するからである。』
(引用 ホツマツタヱ解読ガイドより
https://gejirin.com/src/Ha/hanenoomi.html)
日本では、右大臣より左大臣の方が上位とされているが、このような考え方が元なのかもしれない。
◎ダイジンが子供でサダイジンが大人な理由
左に右大臣、右に左大臣が来るというのは、
雛人形も同じなのだそうだ。
『天皇である男雛から見て左側の左大臣の方が上位なのです。 左大臣・右大臣は、年配者と若者のペアですが、左大臣が年配者、右大臣が若者です。 三人官女以下の段は左側が上位ですので、男雛から見て左側に来るのが年配者の左大臣です。』
(引用
https://www.rakuten.ne.jp/gold/komari/hinaningyou/hina-034-zuijin.html#:~:text=左大臣、右大臣は天皇で,者、右大臣が若者です%E3%80%82)
そういえば、ダイジンとサダイジンを比べると、
ダイジン→小さい 子供の性格
サダイジン→大きい 大人の性格
の特性を持つようにも見える。
雛人形と同じように、
右大臣→若者
左大臣→年配者
を表しているのかもしれない。
◎地震の根源を抑える2つの要石の伝説
すずめの戸締りで、要石が二つで地震の根源を抑えている理由は元になった要石の伝説が由来だと思われる。
『太古から地震は地中に潜む大ナマズの仕業だと考えられていました。鹿島神宮の神様「武甕槌大神(タケミカヅチノカミ)」と香取神宮の神様である経津主大神(ふつぬしのおおかみ)は地中深くに石棒を差込み、大ナマズの頭と尾を刺し通し、地震を沈めたとされています。要石は鹿島神宮と繋がり、鹿島神宮は凹型で頭を押さえいて、香取神宮は凸型になって尾を押さえ込んでいるとされています。』
(引用 https://total-stay.com/sightseeing/katori-jingu/)
つまり、要石は2つで地震の元になるナマズの頭と尾を抑えている。
ミミズも同じように、2つの要石で抑えられているので、この辺りが元ネタの一つなのではないだろうか。
次回以降は、ミミズや草太の祝詞について深掘りして考察する予定だ。
(続く)