安眠のための失敗談。
不運と失敗が重なって、パンッと久方ぶりに風船が弾けた。思えば、一月頭くらいからひと月、どちらかというと情緒は安定していた。
というのも、母の体調がある程度安定する傾向を見せ始めたからである。
私の情緒は、基本的に母からの言葉に左右される。これは、本当に望ましくないことなのだけれど。いつまで経っても、思春期に責め立てられた記憶が抜けないのだ。
母が少しの金切り声をあげて、私を責める姿勢を見せると、脳みそが強制的に停止してしまう。
そうするともう、目の前は真っ暗になり、死ぬしかないという気持ちが襲ってくる。
私の体調がある程度よく、余裕があるときならばよい。だけれども、今日は朝から下宿の片付けで動き通しな上、鍵を忘れたり病院の予約時間を間違えたりと、失敗が続いた。
喫茶店を2件渡って、三時間の空き時間を潰し、その上で待合室で一時間待つ。なんとか滑り込みで診察してもらえたのは、もう夜の七時のことだった。
そこから、電車に揺られて家に着く頃には、案の定、前後不覚の有様になっていた。
本当に情けないことに、体力がないのだ。そのうえ、若干注意欠損の質があり、疲れてくると今日のように鍵を忘れたり時間を間違えたりする。
自分が一番、自分のこのぼんやりが嫌いなのだ。迷惑をかけると死にたくなるし、生きている価値を疑いたくなる。だけれども、自己嫌悪は生産的ではない。もう、さっさと寝よう。それがいい。
そんなことを思っていたら、母の金切り声が耳を指した。
目の前が真っ暗になって、死ぬしかない、という考えが脳みそを支配する。
過剰反応なのは、承知している。それでも、体は過去のことを記憶していて、息が上がり、嘔吐感がこみ上げる。もうどうしようもなくなって、庭で15分ほどうずくまっていた。
近所でおばけの噂が出たら、おそらくうずくまって鼻水を垂らした私である。妖怪鼻水垂らしだ。これでも、もうすぐ生まれ落ちて四半世紀になります。
それでも、成長したと思うのは、すこし落ち着けばお風呂に入ってご飯を食べて、こうして布団に潜る頃には希死感が収まっていることである。
思春期から心臓のうちに巣くう、死にたいという感情。誰にだって、きっとある。
本当に少しずつだけれども、その希死感を飼いならせている。今日は、それだけで自分の成長を褒めてもいいんじゃないだろうか。
反省しながらよりも、自分を褒めながら眠りに付きたいからね。
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自分の機嫌を取るために、クリームソーダを飲みました。
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