●日々雑記/ゆずびより(191226)
おすそ分けでいただいた、冬至のゆずが、いくつかあまった。籠に盛られた、すこしオレンジがかった夕焼け色を見て、あごに手をあて、思案する。
ちかごろは、いよいよ寒さも増してきた。先日、そろそろ電気ストーブだけでは足りないかと、エアコンフィルターを掃除したところだった。大掃除のばたばたとかぶらぬようにと、早めの行動。いまのところ、まだ出番はなし。
そういえば、秋の終わりに買ったワセリン、ゆずのかおりを思い出す。ぱっと華やぐような、すっと落ち着くような、それでいて、ほっとするような。ゆずのかおりは生活に息づいている。
なににしたって、ゆずはいい。皮はおせちに使おうか、それとも砂糖漬けにしようか。ゆずジャムにしてもいい。さて困った。
うんうんと唸っていると、こほんこほんと、弟が咳をした。風邪かね、と問うと、のどの調子がようないな、という。乾燥しはじめる時期の、特に寝起きは喉を傷める。
マスクしなよ。そう言いながら、ゆず茶にしようと心に決めた。
便利な世の中なので、ゆず茶と検索欄にいれれば、いくつもレシピがでてくる。情報の海は広大。難破しないよう、漂流しないよう、すばやく良さそうなものを見つけて、腕まくり。
ひとしごと、ゆずしごと。気合を入れて、祖母から譲り受けた赤いホーロー鍋を取り出す。今日もたのむぞと、心の中でつぶやいた。
皮を洗い、果汁と種、薄皮と外皮を分ける。ハンドチョッパーで皮は粗みじんに。水と果汁といっしょに鍋にいれ、種はお茶パックに入れて放り込む。時間をかけて、くつくつと。部屋がゆずのかおりで満たされるころに、できあがり。
ひとさじティーカップに入れて、お湯を注ぐ。やけどしないように、気を付けながらこくり。あまさひかえめ、ゆずの苦みが効いた、大人の味。これだったら、甘いのが苦手な弟でも、飲むかもしれない。煮沸したビンに詰めたら、おしごと終了。おつかれさまでした。
風邪をひかず、無事新年を迎えられますように。年の瀬に、家族の心配ができるほどには、苦みがおいしと感じれるほどには、気づけばおとなになっていた。
だけど、もう少し甘くてもよかったかもな。そう思いながら、こっそりとはちみつを足した。
ここまで来てくれてありがとうございます。ついでに「すき」していただけると、逆立ちして喜びます。ボタン一つで手軽に告白。おまけつき。 minneでアクセサリーを販売してます。ナマケモノのお店、なまけ堂。のぞいてってね。https://minne.com/@namakedou