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12月4日のこと
実家から段ボールいっぱいのゆずが届いた。ここ数年の恒例行事になっている。そもそもの始まりは、私が「歌手の」ゆずが好きなことから始まる。
中学1年からゆずが好きで、「ゆず」と名のつくものを買ってみたり、絵にかいたりしているうちに、歌手以外のゆずも好きになっていった。なので母も、「ゆず」を見つけると必ず報告してきてくれる。
届いた段ボールを開けたまま部屋に置き、会社から戻ってくるとゆずのフレッシュな香りが部屋いっぱいに広がっていた。1つ取り出して、鼻に近づける。少し甘みのある香りはわたしを心地よい世界へ運んでくれる。
ふと、いつまで私はゆずをもらえるだろうか、と思った。最近は母よりも若い人が身近で亡くなっている。母もいつまで元気でいられるかなんてわからない。実際、もらったゆずは母が採ったものではなくて、近所の人にお願いをしたそうだ。「トゲが痛いから」と言っていたけれど、この先必ず、できないことが増えていく。もらったゆずを1つ1つ眺めながら、今年もたくさんもらえたことにほっとした。
写真を撮り、「ありがとう」の一言を添えて、母に送った。来年も同じアングルの写真を、送りたいなぁと思う。
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