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#59【書評 岩崎夏海著『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』】
どーも、はつです。
今日の書評は、「もしドラ」です。
数年前に流行りましたが、
えっ!今さら?という人は、「もしドラ」の本当の価値に気づいていないだけなのかもしれません?
私も上司から
『「もしドラ」読み返してみたら結構よかったよ。読んでみたら?』
と言われ
『えっ?今さら「もしドラ」ですか?』
と思いましたが、分厚いビジネス書ばかり読むのも疲れたので改めて、岩崎夏海著『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を読むことにしました。
本も売れ、ドラマにも、映画にもなったので、おそらく知らない人はいないと思います。
以前に読んだよという方も、たくさんいるかと思いますが、改めて読むと本当に良く書かれていることが理解できました。
本書の本当の価値とは、どこにあるのでしょうか?
本書を読む上で心がけたいのが、あくまでドラッカーの『マネジメント』を理解するための入門書という位置づけを忘れてはいけません。
本書はわかりやすい物語で描かれております。
しかし、物語だけを追って、
甲子園に行くだの、行けないだの。
キャプテンを誰にするだの、しないだの。
というところの感想だけになってしまっては、あまり意味がありません。
物語がどうとかは、二の次でいいのです。
本当に大事なのは、物語の中でみなみが『マネジメント』を理解していくプロセスに隠されているかもしれません。
物語の中にも随所に
「そう。『マネジメント』には、こうあるわ。」
と言ってみんなで議論したり、
「『マネジメント』にはこうあった」
と、まるで辞書を引くかのように『マネジメント』に目をやり答えを探しております。
『マネジメント』を読み始めて以来、みなみには一つの信念が芽生えていた。迷ったら、この本に帰る。答えは、必ずこの中にある。
この頃になると、ドラッカーの『マネジメント』は、加地や文乃も共有するマネジメントチームの基本テキストとなっていた。そのためここでも、まずは『マネジメント』の読み込みがみんなの間で行われた。そのうえで、そこに書かれていることの一つひとつについて、解釈を話し合いながら、具体的なやり方に落とし込んでいったのである。
P134
などの行動に変化が現れます。
この行動は我々がドラッカーの『マネジメント』を理解する上でも非常に重要なプロセスだと思います。
つまり我々も『マネジメント』を読んだだけでは十分な理解が得られません。
本書をそばに置いて、悩んだ時に手に取り、どのように書かれていたか調べ直してみたり、みんなで書かれていることについて議論することが、理解を深める上で重要なのではないでしょうか?
この『マネジメント』の読み方、使い方を教えてくれているところに本書の本当の価値があるのではないでしょうか。
ドラッカーの『マネジメント』を読んで理解できる人は、かなりレベルが高いと思います。
しかし、文章も短く端的でシンプルな文章ゆえに、わかった気になりやすいことが『マネジメント』の罪深いところだと思います。
その点、この『もしドラ』はドラッカーの『マネジメント』を読む前の入門書としては良著だと思います。
実際、我々が行いたいのは、本書で描かれているようなチームを作って、社会に貢献し、よい成果を出したいと思っているからです。
顧客について考え、マーケティングを実践し、働きがいとは、生産的な仕事とは何か、人を生かすことや、努力ではなく成果にフォーカスを当てることの重要性、またイノベーションによって新しい価値を作る。
ドラッカーの『マネジメント』に書かれている重要な部分は、本書を読めばなんとなく理解できます。
もう少し、感想を述べたいところですが、少し長くなりましたので、もし皆様からの反応がよかったら、またいつか続き書きます。
というわけで、おわり。