再出発の一歩を危うく踏み外すところだった
「はっ、今何時!!」
今日は9ヶ月ぶりに美容院に行く日。
完全に寝坊して遅刻orギリギリ間に合うけど髪の毛爆発のままの2択だと思ったが、家を出る30分前だった。
だが、安心している場合ではない。
早急にこの寝癖を直さないといけない。
働いていない頭でそう思い、すぐにシャワーを浴びてドライヤーで乾かした。
まずは第1段階クリアd(˙꒳˙* )
そして私はお腹が空いていた。
初対面の美容師さんの前でお腹が鳴るなんてことになったら、多分2度とその美容室には行かないだろう。
そうならないために惣菜パンを食べ腹ごしらえをした。
これで2段階目クリアd(˙꒳˙* )
家を出るまで残り10分。
最後に歯磨きをし、服を着てバケハを被り準備完了。
かと思いきや、髭を剃っていない。
髭は似合わないタイプなので人前に出るときは必ずする。絶対に剃り残しがないように。
「これで準備完了」
そう思い時計を見ると出発時刻を1分過ぎていた。
「やばい」
急いで家を出た。
しかし問題発生。自転車のイスが今朝の雨で濡れていた。
家に戻り、タオルでイスを拭いた。
そしてスマホを見る。家を出る時間を4分オーバーした。
急いで自転車を漕ぐが、タイヤの空気を入れようと後回しにしていたことが仇となった。
思うように自転車が進んでくれない。
さらに道に迷うという方向音痴な一面も発動。
そして3分遅れてようやく到着した。
申し訳なさそうに美容院に入ると、店内に「いらっしゃいませ」と明るい声色が響いた。
「すみません」と言うと、「全然大丈夫ですよ」と笑顔で答えてくれた。
荷物を預け、ちょっとしたアンケート的なものを書いていると汗がダラダラと垂れてきた。
これも人前に出たくない理由の一つ。
周りは汗なんてひとつもかいていないのに、私だけ汗びっしょりで中々止まらないなんてことは日常茶飯事だ。
話は戻るが、アンケート的なものを書き終えて席に案内された。
席についてもまだ汗びっしょりの私に対してタオルを渡してくれた。
今回予約で指名した美容師の方は実際に対面しても、写真のイメージ通り落ち着いた雰囲気の優しい方だった。
そしてカットが始まると同時に会話も始まった。
でも私は会話の中に嘘という隠し味を混ぜて話す。
怖くて何も出来なくて、大学にもまともに通えていない、そんな本当の私を見せるのが、見られるのが怖いから。
なんてない言葉のキャッチボール。
でも終わらせるのはいつも私のほう。
悩み相談なんかは得意だと思っているが、普通の会話が苦手。言葉が出てこない。
そんなこんなでカットが終わり、シャンプー台に移ると同時に別の方に担当が替わった。
その方の良い声とシャンプーで洗う音、シャワーの音が心地よくて危うく寝てしまいそうなくらい気持ち良かった。
そしてそんな至福のひとときが終わり、髪を乾かしてもらい最後にヘアバームを付けてもらい終了。
お会計を済ませて美容室をあとにした。
私はまたここの美容室に訪れるだろう。
お店の雰囲気、美容師さんの対応、すべてが良かった。
私が個人的に美容師に一番必要な能力ってコミュニケーション能力だと思う。それぞれの客に対しての対応だって1人1人違ってくると思うし。
帰り道、私は行きとは違う道を通った。
すると新たな発見があった。
昔は小さな商店街だった場所が薬局になっていた。
寂しい気持ちになった。それほど大きい思い出はないが、全くないといえば嘘になる。
世の中のニーズに合わせて変わっていく。
そういうものだ。そう私は割り切った。
9ヶ月ぶりに髪を切った私を見た家族の反応。
母「いいや~~ん、すっきりして。ちゃんと行ってきたんや。偉いやん」
私の心の中「いや、うざい。本当に私の性格理解してない。っていうか普通にネタバレのこと、まだ許してないからな😡😡💢」
次男「なんかキモくなってる笑」
私「だまれ」そう一言言って、蹴りを一発おみまいする。
次男は私が躁鬱であることを家族の中で唯一知らない。
だからこんな言葉を投げつけられるのだろう。
父・三男は特に反応なし。
そして私は、過去の私を置いていく始めの一歩を踏み出した。
---------------おわり----------------
最後まで読んで頂きありがとうございます。
また9ヶ月間髪を切らずに済みます笑(ヾノ ̄▽ ̄)
髪が短くなって洗う・乾かすがだいぶ楽になりました( ˶ ᷇ 𖥦 ᷆ ˵ )
あとプロフィール画像も現実の私に合わせて髪を変えようと思います。お楽しみに。
----では、また次の文章でお会いしましょう----