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「怒るだけの関わり」が、良くない理由
今回は、こちらのツイートに触れていきます。
"恐怖心で動く子の行動" は、中身のない表面的なもの。そこに子どもの意思がなければ、意味をなさない。また「怒られないからやらない」という誤学習にも。恐怖でコントロールする方法は、子どもの自立心を奪う。 "恐怖で支配" は、大人にとって "最も楽で一見効果を感じやすい危険な方法" だと思う。
— 発達マップ🗺 (@hattatumap) July 9, 2022
世の中には「怒らないと分からない」という理由で、怒ることを良しとする考えがあります。
全否定するつもりはないですが、発達障害の子に関して言えば、ネガティブに作用します。
なぜお子さんにとって良くないのか、その理由・大切な考え方を、まとめてみました。
下のような疑問をお持ちの方に、読んでいただければと思っています。
・「ほめるのが良い」って言うけど、怒るのは絶対ダメ?
・悪いことは、怒らないと伝わらない気がする...
本記事が、少しでも育児の手助けになれば、幸いです。
「怒ること」自体は、悪いことじゃない
育児書では「大人が怒る」を否定してる内容も多いですよね。
私は怒ること自体は、悪いことだとは思ってません。なぜなら親も感情ある人間。
一緒に生活していれば、イライラしたり感情を爆発させたくなることもあります(私は育児で、日々痛感中です...)。
特に特性が強くある子は、問題行動を繰り返したり、どんなに伝えても、周りが困る言動を繰り返すことがあります。
正直、怒らない方が無理だと思います。親のメンタルが崩れたら、それこそ子どもへのネガティブな影響が強まるだけです。
「怒るだけ」の関わりが良くない理由
親も感情ある人間。怒るときは怒る。
ただ「怒るだけ」の関わりは良くないです。
怒り方にもよりますが、これが繰り返されると...
・子どもに、ストレスや恐怖心を与える
・大人の顔色を伺って、生活する
・怒る人がいない時、隠れて問題行動をする
・感情的に、人に怒る
このようなネガティブな影響が、お子さんに出てきます。
もちろん全員の子が、必ずこうなるというわけではありません。
大人からの伝え方、子どもの受け止め方、過ごす環境によって、変わります。
ただ、大人から怒られ続けると、上記の様なネガティブな影響が出やすくなります。
私たち大人もそうですが、誰かとコミュニケーションを取る時に、怒られてばかりだと、辛い気持ちになったり、イライラしたり、ストレスが溜まりますよね。
自分の感情を、限界まで抑えてしまう人もいるかもしれません。
お子さんへの影響は、大人のそれ以上に、強いものです。
「恐怖でコントロールする」=「大人にとって最も楽な方法」
支援をしていると、たまに「私(親)の前では言う事聞くので、困ってません」という親御さんがいます。
これは大人視点の捉え方だと思います。
大人が怖ければ、一時的にその場で、子どもは言うことを聞くでしょう。
でも、怖い大人がいなければ、どうでしょうか。ずっと怖い大人が言い続けないと、やらない子にならないでしょうか。
これはある意味、環境(ここ言う怖い大人)に依存してるとも言えます。
その子の今後を考えると、環境(周囲の大人など)に左右されるのは、良いことではありません。
恐怖心は、子どもの自立心を阻害します。"考える・選択する機会" を奪ってしまいます。
大事なのは、環境に左右されずに、自分の力で考え、選んで、行動できる力をつけることです。
長期的な視点でみると「怒るだけの関わり」は、お子さんの為にはなりません。
「恐怖心を利用した関わり」は、大人にとっては最も楽で、一見効果を感じやすい危険な関わりだと、私は思います。
目の前の子どもは、その場では言うことを聞くので、大人は効果があるように誤認しやすいです。これは、とても怖いことです。
じゃあ、どう関わればいいの?大切なのは「一緒に考えるor方法を教える」
「"怒るだけ" の関わりは良くない」というのは、イメージが湧いた方も多いかと思います。
では具体的に、どう関わればいいのでしょうか?
大きく2つの考え方があります。
・お子さん自身が、対処法を実行する
(個人が対処)
・周囲の人に理解/協力を得る
(環境への働きかけ)
お子さんと一緒に、対処法を考える。
もしくは、大人が対処法を教えて、本人に実行してもらう形です。
もし、お子さんが対処法を実行するのが難しい場合は、環境への働きかけ(周りの配慮を得る)が必要になります。
周囲の大人が関わり方を変えたり、本人に求めるハードルを下げることです。
もちろん、2つ合わせて実行しても大丈夫です。
こちらについては、書き出すと長くなってしまう為、別の記事でも、お伝えできればと思います。
まとめ
今回の内容をまとめます。
・怒ること自体は、悪いことじゃない
・育児において、親のメンタルは最重要
・恐怖心は、子どもの自立心を奪う
・子どもができる対処法を、一緒に考える
・子どもができる対処法を、大人が教える
・周りの配慮を得る
以上になります。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
本記事がお役に立てば、幸いです。