言葉の発達を促すために大切なことは、言語聴覚療法ではなく「考えられた遊び」
こんにちは。言語聴覚士のむぎちょこです。
私たちの運営する療育事業所(発達支援ゆず)をご利用の保護者の方や、自費オンライン相談を通して、たくさんのお子さんの言葉にまつわるお悩みを伺います。
言葉の発達がゆっくりである理由は、お子さんによって異なりますが、言葉を促すということにおいては、どのお子さんにも有効な方法があります。
それは「遊び」です。
言語聴覚療法だと思われたかもしれませんが、それは違います。
言葉だけでなく、コミュニケーション力を伸ばすのも「遊び」です。
それも「考えられた」(その子にカスタマイズされた)遊びです。
遊びには、一人でできるものがあれば、一人では遊べないものもあります。
例えば、トンネルくぐりやジャングルジムに登る遊びは、一人でできる遊びで、「高い高い」や「飛行機ブーン」などは一人では遊べない遊びです。
一人でできる遊びでは、どのように体を動かすと効率良く進んでいけるかなど、試行錯誤する力が育っていきます。
そして、試行錯誤した結果、上手くできるようになると達成感に繋がります。
さらに、上手にできたことを誰かに見てほしくなるでしょうし、伝えたくなるでしょう。
一人ではできない遊びでは、大人に「〜してほしい」「もう一回!」と気持ちを表現しないとその遊びが始まりません。
いずれの遊びでも「見てほしい」「できたと伝えたい」「してほしい」とお子さんが誰かに伝える場面を作ることがコミュニケーションの練習となるのです。
そこで、一番大切なことをお教えします。
それは「正しい言葉で伝えること」ではありません。
手段は言葉でも言葉以外でもいいですし、発声でも身振りでも視線でも構いません。
お子さんが今すぐできる手段を使って相手に伝え、それを大人が受け取ってあげることです。
すると、お子さんは自分がとった手段がとても有効であることに気づいていきます。
「大人の顔をみたら、遊んでもらえた!、声を出したらしてほしかったことをしてもらえた!」と自分にとって都合のいいように周りの状況が変わるという体験をします。
それこそが、コミュニケーションの便利さであり楽しさに繋がるのです。
例えば私達が、英語圏以外の国に行き、身振り手振りが伝わり、目的地に到着できた時には、このうえのない喜びを感じるのと似ていると思います。
「次も頑張って伝えてみよう」と思うはずです。
お子さんにも、その気持ちを持たせてあげることで、お子さんの持っている最高値まで能力を高めてあげることができます。
遊びの中には、誰かに要求したり、気持ちを伝えたりする場面が散りばめられています。その場面を活用して、コミュニケーショの楽しさを積み重ねていきましょう。
コミュニケーションの便利さ、楽しさを知ることは、言葉を覚える近道なのです。
親子あそびを思いっきりする中で、言葉の基礎を作っていってあげましょう。
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