シゾイドパーソナリティ障害×自己愛性パーソナリティ障害
今回はパーソナリティ障害の
「シゾイドパーソナリティ障害」と
「自己愛性パーソナリティ障害」の関係性について
分析してみます!
シゾイドと自己愛の共通点
対人関係の困難: 両障害とも、他者との関係構築や維持に困難を抱えています。シゾイドの場合は関係を避ける傾向があり、自己愛の場合は表面的な関係に留まる傾向があります。
感情表現の乏しさ: シゾイドは感情表現が全般的に乏しく、自己愛は他者の感情に対する共感が限られています。
自己中心的な世界観: シゾイドは自己の内的世界に没頭し、自己愛は自己を中心に世界を見る傾向があります。
他者からの批判への過敏さ: シゾイドは批判を避けるために他者と距離を置き、自己愛は批判に対して過剰に反応する傾向があります。
現実検討力の低下: 両障害とも、自己や他者、環境に対する現実的な認識が歪んでいる場合があります。
社会的規範への適応困難: シゾイドは社会的規範に無関心であり、自己愛は自己の欲求を優先するため、社会的規範に従うことが困難な場合があります。
シゾイドと自己愛の相違点
対人関係への態度: シゾイドは対人関係を避ける傾向がありますが、自己愛は表面的であっても関係を求める傾向があります。
自己評価: シゾイドは自己に対して無関心であることが多いのに対し、自己愛は誇大的な自己評価を持つ傾向があります(過敏型自己愛でも内面に秘めている)。
他者の評価への反応: シゾイドは他者の評価に無関心であることが多いですが、自己愛は他者からの賞賛を求め、批判に敏感に反応します。
感情表現: シゾイドは全般的に感情表現が乏しいのに対し、自己愛は自己に関連する感情は豊かに表現する傾向があります。
社会的活動: シゾイドは社会的活動を避ける傾向がありますが、自己愛は自己顕示の機会として社会的活動を求めることがあります。
他者への共感: シゾイドは他者への無関心から共感が乏しく、自己愛は自己中心性から他者への共感が限られます。
併発する弊害
①対人関係の極度の困難
シゾイドの特徴である対人関係の回避傾向と、
自己愛の表面的な関係性への傾向が組み合わさることで、
人間関係の構築がさらに複雑になります。
シゾイドの側面は他者との深い関わりを避けようとし、
一方で自己愛の側面は表面的な賞賛や承認を求めます。
この矛盾した欲求が、真の意味での親密な関係を築くことを
極めて困難にします。要するに、友達が出来ません。
結果として、孤立感が深まり、社会的サポートを得ることが
難しくなる可能性があります。
②感情調整の問題
シゾイドの特徴である感情表現の乏しさと、
自己愛の感情の起伏の激しさが混在することで、
感情の適切な表現と管理が非常に困難になります。
シゾイドの側面は感情を抑制し、外部に表出することを
避けようとしますが、自己愛の側面は自己に関連する
感情を強く表現しようとします。
この矛盾した感情の動きが内面で衝突し、
結果として感情の混乱や不安定さを
引き起こす可能性があります。
具体的には、普段はシゾイドの特性が働いてストレスを
抑え込めるけど、強いストレスが自分の責任外の元で掛かると
人が変わったかのように暴れ回るなどです。
これにより、ストレス管理や対人関係における
感情的なやり取りが更に難しくなる可能性があります。
虐めなどを受けて表面上は何も反応せず無視し続けますが、
心の中では人一倍残虐的な思想を持ち、実際に行動に
起こす寸前になることもありました。
③社会適応の深刻な障害
シゾイドの社会的無関心と自己愛の自己中心性が
重なることで、社会的規範や期待に適応することが
さらに困難になります。
シゾイドの側面は社会的な期待や規範に無関心であり、
一方で自己愛の側面は自己の欲求や理想を
最優先しようとします。
シゾイドパーソナリティ障害は良くも悪くも人畜無害
なのがメリットですが、自己中心的になると
その特性すら失われて、
「誰とも関わりを持とうとしないが、プライドだけは
肥大化した精神障害者」になってしまうのです。
この組み合わせにより、社会的な状況での
適切な行動や他者との協調が極めて難しくなり、
職場や学校、その他の社会的環境での機能が
著しく低下する可能性があります。
④自己認識の歪み
シゾイドの自己への無関心と自己愛の誇大的自己評価が
混在することで、現実的な自己認識を持つことが
極めて困難になります。
シゾイドの側面は自己に対して無関心または
切り離された態度を取り、一方で自己愛の側面は
自己を過大評価しようとします。
この矛盾した自己認識が、自己の能力や限界、
他者との関係性について現実的な理解を妨げ、
適切な自己管理や自己改善を困難にする可能性があります。
過度な過小評価と過度な過大評価が混じり合って
収集がつかなくなるということです。
ある時は自分を世界一最低な人間だと思いなし、
ある時は自分を神だと認識するくらい極端です。
⑤治療への抵抗
シゾイドの内向性と自己愛の自己正当化傾向が
組み合わさることで、治療や支援を受け入れることが
さらに困難になります。
シゾイドの側面は他者との関わりを避け、
内的世界に閉じこもろうとするため、
治療者との関係構築を難しくします。
一方、自己愛の側面は自己の問題を認識したり、
他者からの助言を受け入れたりすることを
困難にします。
この組み合わせにより、治療への動機付けが低下し、
治療過程での協力や自己開示が制限される
可能性があります。
結果として、効果的な治療介入が阻害され、
症状の改善が遅れる可能性があります。
この組み合わせに回避性パーソナリティ障害が加わると
完全な引きこもり長期間ルートに入るので、
人生終わったも同然でしょう。
対処法
それでも対処法はあります。提示しました。
①3行ポジティブ日記を書く
あまりにメジャーな対処法ですが、
パーソナリティ障害の改善にも3行ポジティブ日記は
有効です。
3行ポジティブ日記は毎日あったポジティブな
出来事を寝る前に3つ書き出すワーク。
幸福感が高まり、自律神経のバランスが整うため、
日々の生活で問題に直面しても前向きな気持ちを
保つことが可能になります。
また、自己否定感を取っ払うために行う
「自己受容」をするワークとしても最適です。
自己受容は自分の良い点も悪い点も全てを受け入れる
姿勢のことを表し、
自分の弱みと向き合い、終わりの見えない戦いを
やり続けることで自己肯定感が形成されます。
自己肯定感があれば、様々なトラブルが起きても
簡単には動じません。
②セロトニンを分泌させる
2つ目はセロトニンを分泌させる行動を
意識的に取ることです。
セロトニンは脳内物質の一つで、ストレスへの抵抗力を
高めるのに役立ちます。
セロトニンを分泌させる行動は
日光を浴びることなので、「朝散歩」を
毎日の習慣としましょう。
また、7時間以上の睡眠を取ることで、
セロトニンを出したあと、睡眠導入物質の
メラトニンの分泌を促進することも大切です。
③オキシトシンを分泌させる
最後に、オキシトシンを分泌させる行動を
取ることも重要です。
オキシトシンは脳内物質の1つで「幸せホルモン」
とも呼ばれる人とのつながりに関連した物質です。
オキシトシンを分泌させる行動は人と
関わることなので、中々シゾイドの人は分泌する
機会に恵まれませんが、
オススメなのは「感謝日記」「親切日記」
というワーク。
感謝日記、親切日記はそれぞれ毎日誰かに感謝したいこと、
誰かに親切にしたことを3つずつ書き出すワークです。
インターネット上で関わった相手などに関しても、
感謝を述べたり、親切にすることは可能なので
シゾイドの人でもオキシトシンを分泌出来るでしょう。
自分のことだけを考えて生活している
自己愛性パーソナリティ障害の改善にも
人に貢献することは有効です。
3行ポジティブ日記と並行して、孤独感を感じた時は
やってみてください。
総括
今回はシゾイドパーソナリティ障害と
自己愛性パーソナリティ障害の関係性を
まとめてみました。
ここまで記事を読んでくれて
ありがとうございます!