大統領選|米国NPOの悲喜こもごも
大統領選が終了したので、今日はこの手の記事ばかりが目につきます。
The Chronicle of Philanthropyにこんな記事がありました。
https://www.philanthropy.com/article/trumps-victory-sparks-anguish-elation-in-the-nonprofit-world
トランプ氏の勝利に(米国)非営利団体界は苦悩と歓喜の入り混じった反応
ですよね~、と言いたくなるような記事タイトル。
今回の結果に、非営利団体のリーダーたちは、支援する問題によって、落胆から歓喜までさまざまな反応を示した模様。環境、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)、移民問題など、いくつかの分野に大きな変化をもたらす、と受け止められているそうです。
余談ですが、今回の結果は「多様性への忌避感」もある、という報道を見て、え?となります。とはいえ、よくよく考えれば、一貫性の強いグループの方が統率しやすいのは理解できること、立場も変われば見方も変わる。
さらに、よくよく考えると、私は世界的にみると多様性&公平性&包括性(DE&I)の低い社会に生きており、その中で求めるDE&Iと、DE&I先進&超活発地域の人とは感じ方は全く違うんだろうな~。とも思います。環境変われば考え方も.…さもありなん。
さて記事の話に戻ります。結論からいうと、こんな状況らしい。
多くの保守的な非営利団体は、トランプ政権の2期目により、生命保護団体が恩恵を受け、大学や職場における多様性、公平性、包括的な取り組みの後退がさらに加速するだろうと述べた。
進歩的な非営利団体のリーダーたちは、環境、リプロダクティブ・ライツ、人種的正義、その他多くの大義にとって、トランプ大統領の再選について不安を抱いて反応した。
ん?
不安を抱いている社会課題事例が多過ぎやしないかい?
保守派組織リーダーのコメントを見ていると、なんて??と感じてしまうもののもあるものの、そのなかにも
「慈善活動の自由は右派・左派の問題ではなく、私たちは、この憲法上の権利を守るために、両党の政策立案者と協力できることを楽しみにしています」(Christie Herrera, president and CEO of Philanthropy Roundtable)という発言も。
また、不安感を募らせる組織からは、今後、助成金交付団体が草の根グループへの支援を強化する必要があるという発言があったそう。
「寄付者や財団は、自らの権利、自由、尊厳のために戦っている人々と共に立ち上がる必要があります」(Aaron Dorfman, executive director of the National Committee for Responsive Philanthropy)
これこそ、私のイメージする「寄付大国 THE アメリカ」。国家政策・方針なんのその、民間パワーの底力ここにあり。的な。
さらに、さすが。というか、だよね。というべきか。多くの非営利団体は火曜日の結果に対してすでに準備ができており、進歩派の組織は、トランプ大統領の最初の政権で学んだことを基に戦略を練ることができるそう。選挙結果の出た翌日のとある進歩派組織のリーダーは、メンターに連絡し、寄付者に連絡し、事務局メンバーに連絡し、、、、と気持ちを切り替えて動いている模様。さすがリーダー。
各非営利組織リーダーからのコメント
さて、この記事で印象的だったのは、各非営利組織リーダーの反応。いくつか抜粋します。(とはいえ、どうも心象的に進歩派組織に方がすきなので、そちらばかり。笑)
政権交代で米国の民間寄付はどう変化する?
今回の結果が、米国において非営利団体が資金を調達する手段にどのような影響を与えるか?
私の個人的な興味は、政権が変わることで各種非営利組織への民間からの寄付がどのような傾向をとるか、という点。
政府からの補助が減少することを考えると、今後の政権下どうしても優先順位がさがる社会課題に、一般寄付がどのような変化を見せるか、見せないかが気になる。その一点。
この傾向が調査として出るのは、2026年くらいかな。先がなが~~~い!