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季節の夏と人生の夏

最近よく、20年と30年を間違える。

「昔って、夜中はどこに遊びに行ってた?」

私が20歳ぐらいだった30年前、横浜は今より、夜中に営業している店が少なかった。そこで遅くなると、中華街か今住んでいる本牧、山下町、ご飯を食べるなら福富町の焼き肉屋とかラーメン屋あたりに流れていた。

という話を、近所のお店のカウンターで話していたとき、その頃のことをずーっと「20年くらい前」と言っていた。しかし話をすすめて行くと、年数が合わないことに気づく。

「違う、間違えた!  20年前って、私29歳じゃん」

そう、20歳ごろは、20年前でなく30年前なのだ。

30年て、生まれた子が大人になっちゃうね。もうイヤになっちゃう(笑)。

その少し後、ダンナさんの会社のSさんが運転する車で、お墓参りへ行ったときのこと。ちょうどお義父さんの命日近くだったので、亡くなったときの話を、ダンナさんとしていた。

お義父さんが亡くなったのは、ダンナさんが30歳のとき。6年ほど入院していた後のことだった。その日は珍しく、お義兄さんとダンナさんが2人でお見舞い。30歳と34歳の男兄弟、一緒にお見舞いへ行ったのは、そのときが最初で最後だったらしい。

面会を終えて、兄弟2人で病院の階段を下りていたら、お義母さんの呼ぶ声が。

「T(お義兄さん)! ケイジ! お父ちゃんが死んじゃったよ!」って。

今、面会を終えたばかりで。

人が逝くときって、なんだか不思議な巡り合わせがあるような気がする。

「お義父さんが亡くなってから、24年も経ったんだね。ケイジ(ダンナ)さん、まだ30歳だったんだね」

「そうだなぁ、ずいぶん経つなぁ」

「そういえばS(息子)くんは、お義父さんと会ったことあるんだよね」

「おぉ、子どもだったけど、ぎりぎり記憶に残ってるくらいだよなぁ」

……。

あ、また間違えた。

息子くんは、今年40歳。24年前はもう16歳だ。

そしてダンナさんは64歳。

お義父さんが亡くなったのは。34年前だ。

「違いますよ、24年前じゃなくて34年前ですよ」

きっと会社のSさん、私たち夫婦の会話を聞きながら、言いたくてたまらなかっただろうなぁ。

物忘れに拍車がかかったのか、まだまだ若いつもりでいるのか(笑)。そういえば最近、友だちと話すと、「もう中年だからね」という話になる。

そこで中年の定義を調べてみたところ、中国の「論語」に、「朱夏」というものがあった。

人生の季節に例えると、「青春」→「朱夏」→「白秋」→「玄冬」

いろいろ説はあるようだが。

「青春」は、生まれてから30歳ごろまで。
「白秋」は、50代後半~60代前半まで。
「玄冬」は、60代後半から。

となると「朱夏」はだいたい、30代前半〜50代前半てところか。

来年の初めには50歳。

私の人生の夏も、あと何年かだ。

そして今年の夏も、そろそろ終わり。

季節の夏も、人生の夏も、しっかり楽しんでいこうと思う。


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初夏(はつか)
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