夜の世界で生きる方が居心地が良かった(偽りの自分)
わたしは約10年間夜の仕事に携わってきた。
大学受験に失敗し、学歴重視の家族からは目を合わすだけで罵倒され塾代を返せとか言われ、
心底家の居心地が悪かった。
それと同時に大学に入ったらもう何でも良いからお金稼いでブランド物買いまくりたい、遊びまくりたいって思ってた。
それは、中学生の時からagehaという、キャバ嬢向けの雑誌を親友と交換しずっと読んでたからだった。
親に見放されたし、もう正直自分を全く大切に出来なくて
大学に入ってすぐの4月に一人でガールズバーの面接に行った。
今ではお酒もかなり飲めるしタバコもこの後からずっと吸うことになるけど(今はほとんど吸わない)、当時のわたしはお酒は人生でほとんど飲んだこと無い、ライターなんて触ったことがない、そして処女www
というとんでもない芋女だった。
夜の仕事の良いところは本当の自分を話さなくて良いところ。
名前は当たり前だけど源氏名だし、年齢も、職業も学校名も全て偽りの自分でいてられる。
嘘で塗りたくっててもつじつまが合えばやっていける。
本当の自分に自信が無かったからわたしは嘘の世界が性に合っていた。
どこの大学?って聞かれてもはぐらかし、違う大学を言って、家庭環境だって全然違うように言える。
そして嘘のわたしを幻想で好きになてくれた人とその場限りの接客、その場だけの会話、とにかくめんどくさくなかった。
女子同士でも本当のことは知らない。源氏名しか知らないし、あまり話さない。詮索しない。
当時の自分に自信のない私にとっては居心地が良かった。
だからなのか、本気でもう夜の仕事には関わらないって思ったのに、メンタル的にどうしてもきつくなった時に戻ってしまった。偽りの世界がわたしの居場所だった。と共に居心地も良かった。何も聞かれないのが良い。年齢だって永遠だった。現実逃避だった。
現状の自分が受け入れられなくて、偽りの自分でしか勝負できなくて。偽りの自分ならこんなに華やかに演じられるのに、本当の自分は受け入れられない。マヒしてたね。
自分を大切に出来てない。そんなの分かってる。
あと、心の自傷行為だった。嘘ばっか言って水商売だったらお客さんからお金をどんどん引き出す。お客さんに対しては、夢見させてやってるんだから良いじゃんっていつも思ってた。
心の痛みがなんだか快感だった。体は傷つけられないけど、それの逆に心を傷つけてたな。あと、社会とおっさんに対しての無意味な逆襲w
ストレスを全て偽りの何もできない自己肯定感の低い本当の自分を隠しながら、おっさんに嘘言うことで発散してた。
もちろん、お金稼げるってのもあったけどね。
あと、夜の仕事の人たちはみんな過去に何かしらあった人たちだから、お外でノー天気にバイトしてる人たちより(わたしにはそう見えた)ずっとずっと素敵に見えたし、話す内容もディープで楽しかった。
毎日奇想天外なことが起こるのも、普通の仕事だったらあり得ないから面白かった。
苦労してる人が好きだったのかも。あと、苦労すればするほどみんな許容範囲も広く優しかった。
動くお金が大きいから、飲み会だって一回に100万ぐらい動いてたし、それを見るのも楽しかった。
夢見させてくれてありがとう。おっさんに夢見させてたけど、わたしらも夢見させられてたんだよね。
29になって思うよ。夢は永遠なんかじゃない。
たくさん自分傷つけたって良い。でも、現実はいつか見ないといけないよ。
瞬間瞬間をわたしは夜があったからこそ生きていけた。
夜に携わってなかったら、死んでたかもしれない。
偽りの自分を作らないと生きていけなかったのかもしれない。
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