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MERU/メルー 映画感想
アマプラでメルーという映画を見たので、その感想を書きます。
あらすじ(コピペ)
ヒマラヤ山脈メルー中央峰にそびえる岩壁“シャークスフィン”。この難攻不落の直登ダイレクトルートに挑んで敗れた3人の一流クライマーたちが、過去や葛藤を乗り越え、再び過酷な大自然に立ち向かっていく姿を描いた、壮大なスケールの山岳ヒューマン・ドキュメンタリー。
きっかけ
私はTRPG動画を時々観るのですが、狂気山脈という有名なシナリオがあります。詳細は伏せますが、自身が登山家として人類未踏の世界最高峰を登るというのが大まかなストーリーです。
とても面白いので大好きなシナリオなのですが、見ていて(なぜここまでして…?)という思いが拭えない。
これはあくまでゲームであり、そしてこのシナリオに途中で降りるという選択肢はほぼないと言っても等しいので、プレイヤーは基本登頂に向けて突き進み、その結果キャラクターが負傷したり死亡(ロスト)したりというのはよくあることです。
こないだも見返していて、これはゲームだからなのか、はたまたリアルにもこんな狂人…いや登山家がゴロゴロといるのか?と思い観ることにしました。
プレイ中も実際のビバークの様子などを写真つきで解説されるのですがにわかには信じられず…崖にテントを吊り下げてその中で寝るって頭おかしくないですか?人間の生存本能に反しすぎている。
メルーを選んだのはある動画のKPさんがオススメしてたからです。あとアマプラの評価がよかった。
オススメポイント
・ドキュメンタリーと書いてある通り、ほぼすべてが実際の映像です。100kg近い荷物を持ってる上に重いカメラまで担いで登っていくジミー・チン、どうなっているんだ。しかも結構キツいシーンの映像も多く、臨場感たっぷりとしか呼べない映像が続きます。
・山に登るシーンがメインなのかなと思っていましたが、それよりも後半は登山家としての彼ら本人に焦点が当たることも多く、そのおかげで登山素人の私でも思い入れを持って観ることができました。登山の物語ではなく登山家の物語だと公式サイトにも書いてありましたが納得です。
・シンプルに映像が美しい!真っ白な斜面やそれに映える満点の星空がたくさん観れます。
・雪山の寒そうな映像が続くので涼しい気分になります。寒そうどころでは済まないんですけど…
⏬ここからネタバレ⏬
ネタバレが嫌な人は視聴してから読んでください!90分しかないし。大学の授業と同じ時間ですからね。それが何とはいいませんが…
個人的感想
1回目のチャレンジ
大変そう…という思いが第一でした。食料が7日分しかないのに17日間チャレンジするってどういうこと?この時点でやっぱ理解できんな、登山家…となっていました。吹雪で4日間も足止めされたら普通諦めると思うんですけど…
辛すぎて泣きわめいたレナンにめっちゃ共感しました。それでも先輩2人がぐいぐい行くので、3人は気合いで足指を凍傷にしながらも登り続けます。やべ〜。
そこまでしたのに、山頂まであと100mのところで本当にどうしようもなくなって諦める時の悔しさはものすごいものだったと思います。私はそんな命を削って究極まで頑張った後の悔しい経験をしたことがないので想像しきれないのが残念です。それが理解できない原因の一つなのか?
生活パート
ここが一番印象的でした。
登頂に失敗した3人は一旦元の生活に戻ります。とはいっても山は登ります。登るのが仕事とはいえ、登ってないと死ぬってくらい登ります。
そんな中レナンとジミーが行った雪山での撮影で、レナンは事故で頭蓋骨骨折するわ脳への動脈損傷するわの大怪我を負います。本当に大怪我です。ちょっとグロいまである。
しかも4日後にジミーはその撮影の続きで雪崩に巻き込まれて死にかけます。おい!!!どうなってんだ!!!!!悪運すぎる… これによってレナンは長らくの入院、そしてジミーも自信を喪失し精神的にかなり参ってしまいます。
だいぶそれぞれに思い入れが強くなっていたので、もうみんな登山やめて平穏に生きてくれ泣 と思ってました。
なによりみんな家族がいるんですよね…この映画は家族目線からの言葉も多く、その度にそっちに共感して辛くなりました。それぞれの生活者としての側面にもクローズアップされています。
個人的にはコンラッドの話が一番衝撃でした。かつて彼は師を遭難で亡くし、そして相棒に至っては目の前で起きた雪崩によって亡くします。
相棒を助けられなかった自分のことを責めて責めて、心身ともに衰弱してしまうのですが、それでも彼は登ることを選択します。てか立ち直る最中に亡くなった相棒の元妻と結婚するんですよね…これ現実?現実らしい。すご…
最初一瞬どういう倫理観なんだと思ってしまったのですが、その人の思い出を一番共有できる相手でもあると思うとそういうこともあるのかもしれないな…コンラッドがわりとイケメンなのもあるかもしれないけど…いや邪推はよくない。やっぱり苦しみの中で支え合うというのは特別な関係に通じるものがあるのでしょう。知らんけど。
コンラッドは2人とリベンジの約束をしていたのですが、特にレナンのことがあったので、まじで登る?それかレナン置いてく?みたいになります。家族や知り合いも猛反対。なんなら私も反対してました。だってレナンついこないだまで首にコルセットつけてたんですよ!!!!!今度こそ死んじゃうよ〜〜;;;; もうやめとこうよ〜〜〜;;;;
でも彼らは正気じゃないので周りの反対を押し切って登ることにします。てかやっぱり正気じゃなかったわ。周りからもイカれてるって言われたらしいから…私の感覚は正しかったらしいです。
2回目のチャレンジ
ずっとレナンを心配しつつ観てたので、レナンが脳梗塞の初期症状みたいになった時本当に怖かった…何事もなくてよかった…
登頂シーンは本当に素敵でした。前回諦めた100mを乗り越え、ジミーが雄叫びをあげるところで私も叫びそうになった。コンラッドが師の名前を呼んでひれ伏すところもよかったし、レナンが2人には迷惑かけたって言ってるのも「そんなことないよ゛😭」と厄介オタクみたいになってしまいました。誰も欠けることなくリベンジができて、そしてメンバーがこの3人で本当によかった……
結論
登山家の考えてることはますます分からなくなりましたが、これだけ苦しい思いをしても、なお山のことを好きでいられる彼らは素敵だなと思いました。本当にすごい。
ジミーが「情熱の追求は必ずしも美しくはない」と言っていたけど本当にその通りで、彼らの葛藤とか迷いも存分に伝わってきました。周りも心配するし、リスクや犠牲もつきものだし、それでも絶対に登るという強い意志、というか究極のエゴがないとできないよな…
山に選ばれた、という言葉もありますが、エゴを貫き通した彼らこそ選ばれたもの達なんだろうなと思います。好きな物をとことん突き詰める人を見ると羨ましくなってしまいますね。
3人のことは最後まで共感しきれなかったけど、別に共感することがすべてではないんですよね。理解はできないけどとても大好きになりました。
それはそうと私は若干高所恐怖症の気があるので、登山シーンでは心拍数が常にBPM200って感じになってました。なぜ観た?私も観てる間に心臓発作で死ななくてよかった……
おしまい
映画レビューってこんなんじゃなくない?
あとオススメの映画あったらぜひ教えてください!