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中上健次の浄徳寺ツアー感想

ネタバレ注意
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 表現が直接的すぎ、嫌悪を抱く人が多いのではないかと思う。自分が孕ませた女の腹に向かって残虐な言葉をかけたり、性交の表現に子宮への言及があったり、女性なら投げ捨てたくなるに違いない。
 印象的だったのはオチである。「若さとは病気だ」とある。若気の至りのことをさすのではないかと思う。この小説の主人公が、若い時間を活動に費やしたことを振り返っているのだと思う。私は世代がら、村上春樹の小説に出てくるような学生の活動について詳しくない。映画の「ノルウェイの森」を初めて見た際(20歳ぐらいの頃?)、劇中で、講義が学生に乗っ取られていたりしたが、何が起こっていたのかよくわからなかった。なにやら物騒なことが、映画の世界の中では起きているんだ、程度の理解だった。
 この小説がなにを言いたかったのかというと、女と姦りたい、ということだろう。純文学だからこそできる表現である。

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