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はじめてのオンラインイベントマニュアル|成功のための3フェーズ
この記事は「はじめてオンラインイベントを開いてみたい人」、「企業などの公式オンラインイベントを任されている人」に向けたものです。
僕が所属するMESONでは先日、MESONが蓄えているARに関する知見について発信するイベント「MESON WAVE LIVE」を開催しました。
このイベントには、350人を超える事前登録者と常時250人ほどのライブ参加者がおり、オンラインイベントとして大成功でした!
コロナによりオフラインイベントが自粛される中で、オンラインイベントの開催を考えている方も多いと思います。そこでこの記事では、イベント企画・運営のために僕が実際に行った3フェーズについてご紹介します!
はじめてオンラインイベントを企画する際には、ぜひ参考にしてもらいたいです。
1. 企画フェーズ 【イベントとしての骨格を整える!】
質の高いオンラインイベントを開催するためには、企画フェーズでイベント全体の見通しを立てることが大事です!
💡企画フェーズのポイント💡
■ イベントの目標を設定する
■ スケジュール管理は先手を打つ!
■ イベントの目標を設定する
まず、オンラインイベントを開催することが決まったら、イベント開催の”意味”と”意義”を考えます。
意味 = オンラインで開催する必要性・必然性
意義 = オンラインイベント開催で届ける価値
特に、「なぜオンラインなのか」「オンラインだからこその価値とは何か」について考えていきます。ここで、しっかり企画の芯を決めることで、イベントとしての輪郭がはっきりしてきます。
今回のイベントではこのように定義しました。
意味:オンラインで普段リーチできない人とつながる。
意義:自分たちの取り組みを知ってもらい、ARの知見を共有する。
これをもとに、今回はプレゼン形式による登壇と参加者からの質問・コメントに回答するQ&A、そして交流の場としてのオンライン懇親会を企画の軸として決めました。
オンラインイベント開催の”意味”と”意義”が定義ができたら、次は全体のスケジュールを組んでいきます。
■ スケジュール管理は先手を打つ!
はじめてオンラインイベントを企画するときは、開催まで3週間ほど企画と準備にスケジュールを割くことをオススメします。というのも、初回は思いの外準備に時間がかかります。
タスク・スケジュール管理の一部抜粋
今回僕がマイルストーンとして置いたスケジュールは以下の3つ。
1. 配信用プラットフォームの検証
2. 登壇者とのミーティングやリハーサル
3. PR周りのスケジューリング
まず、イベントの目的・目標を考え、それを満たす配信プラットフォームを検証しました。このとき、(はじめての場合は特に)シンプルな配信方法を選びましょう。トラブルが起きることも検討して、「最後まで配信をやりきる」ことを前提に考えることが重要です。
次に、登壇者とのスケジュール合わせ。通常業務に加えて、イベントの登壇依頼をお願いするわけですから、余裕を持ったスケジュールを組んでいきます。
最後に、PR。十分にオンラインイベント開催の周知を広めて、イベントに期待をしてもらうために早めからPR戦略を組み立てます。他にもたくさんのイベントがある中で、このイベントに参加してもらうためには超重要です。
2. 準備フェーズ 【事前告知と会場の磨き上げ!】
企画フェーズでイベントの見通しがたったら、次は本番に向けて準備を始めます!
💡準備フェーズのポイント💡
■ オンラインイベントでもPRは大事!
■ リハーサルでの検証は必須
■ オンライン会場を整備する
■ オンラインイベントでもPRは大事!
ゲリラ的に開催するオンラインイベントも注目や話題が集まりますが、しっかりと周知をして参加者を増やすためにはPRがすごく大事です。
今回のイベントで僕が行なったPRは大きくこの2つ!
・イベントページの作成
・SNSを使った事前告知
まずは、オフラインのイベント開催と同様に、イベントページを作りました。
イベントの体裁を整え、しっかりイベントの詳細を伝えるためにもイベントページは必須です。また、運営側には想定される参加者数を把握するためにも役立ちます!
イベントページを開設したら、次はSNSでの拡散です。
今回は、「イベント全体のPR」と「登壇者をフィーチャーしたPR」の2つ実施しました。今回のイベントはコンテンツ重視のイベントだったので、イベント全体のPRに加えて、登壇内容を頭出したPRも行いました。
ただ「イベントをやるよ!」と告知するよりも、「イベントでこんなこと話すよ!」まで踏み込むことで、告知を見た人の興味を引きつけることができます。
■ リハーサルでの検証は必須
オンラインイベントのリハーサルでは、検証項目は通常イベントとは少しだけ変わります。僕が気をつけたリハーサルでのポイントは大きく3つ!
1. オンラインでも伝わりやすい構成に
2. 配信テストで通信環境をテスト
3. 通信テストとリハは少なくとも複数回行う
離席率が高くなるオンラインイベントでは、「参加者をおいていかない内容」と「飽きさせないテンポ」が重要になります。登壇者に注目が集まるタイミングや視聴者が参加できるタイミングを考慮して、イベント全体のストーリーラインを組んでいきます。
個々の登壇者の内容も、ストーリーを意識して、徐々に盛り上がるようにコンテンツを磨き上げるためのフィードバックも重要です。
また、オンラインならではの問題、通信環境についてできる限り事前に確認しておきます。混雑時間も存在するため、開催時間に近い時間帯での通信テストをオススメします。
リスクの洗い出しとコンテンツを磨き上げるのためにも、リハーサルは複数回行いたいですね。
今回は初回ということもあって、通信環境のテストは数えきれないくらい行いました。少し心配性になるくらいがちょうどいいと思います。
登壇者とのリハーサルは2回に分けて行い、1回目は登壇内容の方向性の確認、2回目は登壇内容のブラッシュアップを行いました。
■ オンライン会場を整備する
オンラインであっても会場の準備・整備は重要です!
今回、会場にオフィシャル感を出すために、行った施策はこの2つ。
・登壇者紹介の扉絵
・Zoom背景の作成
まず、登壇者の切り替え時間が必要なことは想定できていたので、切り替え時間に差し込むための「登壇者紹介の扉絵」を準備しました。切り替え時間は一般的に離席率が増えるタイミングでもあるので、前の登壇が終わったら、即座に扉絵を差込み、間髪いれず次の登壇の紹介を始めます。
もう一つが、「Zoomの背景」。今回はZoomを利用したので、Zoomのバーチャル背景も利用することにしました。作成したキービジュアルとトンマナを合わせたイベント用のZoom背景を登壇者個人個人に作成しました。
3. 開催フェーズ 【オンライン会場を盛り上げる!】
本番当日、オンラインイベント開催にむけて最終準備です!
💡開催フェーズのポイント💡
■ スタッフとの連携で安心して開催する
■ オンラインだからこそ会場を盛り上げる!
■ 時間とペースと盛り上がりを計算しながら適時調整
■ スタッフとの連携で安心して開催する
開催前に、サポートをしてくれるスタッフと連携を確認することは必須です。配信状況の確認やコメント欄のチェックなど、思いの外細かいけど重要なタスクが散在しています。
サポートスタッフタスクの一部抜粋
特に今回のイベントでは「コメント欄を開放し、コメントをすくい上げて登壇者に質問をする」というタスクがあったので、主にコメント欄のチェックと登壇者への質問の選択をスタッフにお願いしていました。
また、可能であれば、司会係と配信係は分担した方が無難です。(今回は僕一人で両方を行なったので、なかなか大変でしたw)
オンラインイベントを開催する際には、ぜひスタッフとの連携を意識して、開催を行いましょう!
■ オンラインだからこそ会場を盛り上げる!
オンラインイベントはなかなか盛り上がりを演出しづらく、確認しにくいです。そのため今回は少し対策を練りました!
1つ目は、スタッフによる積極的なコメント投下。会場であったYoutubeのコメント欄やSNSで実況コメントを投稿することで、参加者のコメントやSNS投稿を促進しました。また、スタッフにコメント欄での盛り上がりを随時チェックしてもらいました。
2つ目は、前座のフリートーク。イベントを19:00に開始するとしても、序盤はなかなか見てくれる参加者が少ないです。なので今回は会場の30分前から、前座として最近の業界の動向やイベントの登壇紹介などをフリートークとして時間を設けました。
その甲斐があり、イベント開始時には、すでに100人近い参加者に集まっており、会場が盛り上がった状態で一人目の登壇者にバトンを渡すことができました!
■ 時間とペースと盛り上がりを計算しながら適時調整
イベントが開始したら、時間とペースを小まめに確認しながら進行を調整していきます。可能であれば、企画の段階で、司会者が時間の管理を行える時間を作っておくことがおすすめです。今回のイベントでは、「登壇者へのQ&A」で時間を調整できる余地をあらかじめ確保しておきました。
ただし、注意をしたいのが、スケジュール通りを意識しすぎるあまり、参加者の盛り上がりを無視しないことです。
例えば、コメントがたくさん集まっているのに、スケジュールの都合で先に進めてしまうと、イベントの盛り上がりに影響してしまいます。コメントや質問がたくさん集まっている時は、可能な限り時間を伸ばして、対応したいですね。
もし「コメントが多すぎて全部には対応できない」となったら、集まったコメントから抽象化して、いくつかの大きなトピックに分けて対応しましょう。この時に、司会者がこの全てを行うのではなく、スタッフと分担して行うとスムーズに行えます。
*番外編:イベントは懇親会まで含めてイベント!
■ イベント参加者が交流できるチャンスをオンラインでも実現したい
今回開催したオンラインイベントでは、「オンライン懇親会」を開きたい!と最初から企画していました。
そこで、改めて懇親会の要素を洗い出して、懇親会会場探しを行いました。
■ オンライン懇親会での必須要素
「そもそも懇親会は以下の要素を持つべき」と考え企画をしました。
同じ空間で
自由に移動して
複数人で話がしたい
これをオンライン上で行うと以下のようになります。
同じ空間で → 一つの画面上で
自由に移動して → 自分のアイコンを移動させて
複数人で話がしたい → 近くにいる人と雑談
これを実現するために、今回のイベントでは『Spatial.chat』というオンラインチャットサービスを利用しました!
■ スペチャでのオンライン懇親会
YouTube Liveでの本イベントが終了後、懇親会参加希望者にはSpatial.chatへ移動してもらいました。
Spatial.chat内では常に4〜5つほどのグループで会話を交わしていました。
*Spatial.chatには画像や動画を貼る機能があったので、「雑談スペース」や「裏話スペース」などが(スタッフの機転によって急遽w)作成され、どこで何が話されているのかがわかるような空間が出来上がりました。
初のオンラインイベントでわかった改善点
今回のイベントを開催して、たくさんの学びを得ました。
その中でも、特に重要な学びが以下の3つ。
■ 音質にはこだわる
今回音質についてのフィードバックが少なからず寄せられました。
確かに、マイクはイヤホン・AirPodsのものを使っていましたし、収録していた空間も密室で音が響きやすい環境でした。
オンラインイベントでは、環境に配慮しつつ収録用のマイクを準備すべきですね。
■ セッションの切り替えはスムーズに
今回のイベントでは、配信方法をシンプルにするために、Zoomの会話をYouTube Liveにストリーミングするという方法を取りました。残念ながら、この方法では、スムーズに画面を切り替えたり、音楽を挿入するといったことは難しいです。
ちょっとしたオンラインイベント芸をするためにも、次回はOBS等を使った配信に挑戦したいです。
■ 複数言語に対応する
実は、外国人(英語圏)の方の参加が今回ちらほら見受けられました。
オンラインイベントでは国外からもアクセスできることを考えると、次回は他言語でのサブタイトルを付けようと思います。オンラインならではでもありますしね。
企画・準備・開催の3フェーズを通して
オンラインイベントの企画から開催までを、自分の経験を踏まえて紹介しました!
オフラインイベントよりも検証項目が多かったり、気をつける点が多かったりと、オンラインイベントには独特の難しさがあります。そのために、企画・準備・開催の3フェーズを丁寧にこなすことが必要になります。プロジェクトのようにステップごとにこなしていくことで、良いイベントにできるかなと思います。
もしよかったら、今後開催するイベントにも役立ててもらえればと思います!
*長文になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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僕が所属しているMESONは「Spatial Computing時代のユースケースとUXをつくる」をテーマに掲げて活動しています。MESONで一緒に働いてくれるメンバー、プロジェクトをご一緒できる企業を募集中です!
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