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[四柱推命] 滴天髄 通神論18 中和 [和訳 現代語訳]

皆さま、こんにちは。波濤ろく🌊です。
前回のテーマは「衰旺」。日干の衰旺は、大部分は月令の有無(旺相死囚休)を見て判断する。しかし、旺相でも弱い場合、休囚でも強い場合があるので、画一的短絡的な看命はNG🙅‍♀️重要なポイントとして、根の軽重も忘れてはならない。天干の比肩より地支の根の方を重く評価すべし🌱十二運長生、建禄、帝旺は根が重く、土行支余気、中気は根が軽い。
詳しくは前回の記事をチェック✨

今回のテーマは「中和」。早速見ていきましょう🏃‍♀️💨

⚠️原文として載せている『滴天髄闡微』には、命式例が数多く取り上げられておりますが、割愛させていただきます🙇‍♀️
⚠️和訳、現代語訳の正しさについては保証いたしません💦
⚠️押さえておきたいポイントに「💡」印を付しています。

✅原文

💡1 既識中和之正理,而於五行之妙,有全能焉。

🌸原注

2 中而且和,子平之要法也:
3 “有病方為貴,無傷不是奇”,舉偏而言之也。
💡4 至於格中如去病,財祿兩相宜,則又中和矣,到底中和,乃為至貴。
5 若當令之氣數,或身弱而財官旺地,取富貴不必於中也;
6 用神強,取富貴而不必於和也;
7 偏其古怪,取富貴而不必於中且和也。何也?
8 以天下之財官,止有此數,而天下之人材,惟此時為最多,皆尚於奇巧也。

🌸任氏

9 中和者,命中之正理也。
10 即得中和之正氣,又何患名利之不遂耶?
11 夫一世優遊,無抑鬱而暢遂者,少險阻而迪吉者,為人孝友而無驕諂者,居心耿介而不苟且者,得中和之正氣也。
💡12 至若身弱而旺地取富貴,身旺而弱地取富貴者,必四柱有所缺陷,或財輕劫重,或官衰傷旺,或殺強制弱,或制強殺弱,此等雖不得中和之理,其氣卻亦純正,為人恩怨分明,惟柱中所有缺陷,或運又違,因而妻子財祿,各有不足,如財輕劫重妻不足,制強殺弱子不足,官衰傷旺名不足,殺強制弱財不足,其人或志高傲物,雖貧無諂,後至歲運,補其不足,去其有餘,乃得中和之理,定然起發於後,有第見富貴而生諂容,遇貧窮面作驕態者,必四柱偏氣古怪,五行不得其正,故心事奸貪,作事僥倖也。
13 若所謂“有病有藥,吉凶易驗,無病無藥,禍福難推”,此論仍乃失之偏。
14 大凡有病者顯而易取,無病者隱而難推。
💡15 然總以中和為主,猶如人之無病,由四肢健旺,營衛調和,行止自如,諸多安適:
16 設使有病,則憂多樂少,舉動艱難,如無良藥醫之,豈不為終身之患乎?

✅和訳 現代語訳

💡1 既に中和(中庸と調和)の正しい原理を理解したならば、五行の妙理を完全に会得することができる。

🌸原注

2 中庸であり、且つ、調和が取れていることは、子平(四柱推命)における重要な法則である。
3 「病があるからこそ価値がある。傷がないことは珍しいことではない」という言葉は、偏りのある場合を例示したものである。
💡4 命式の中で病を取り除き、財(財星)と禄(官殺星?)が共に適切な状態であるならば、それが中和の状態である。結局のところ、中和こそが最も貴い。
5 もし命運が時令を得ているか、或いは身弱であっても財星、官殺星が旺地にあるならば、富貴を得るにあたり中庸である必要はない。
6 用神が強い場合、富貴を得るにあたり調和がとれている必要はない。
7 偏りがあり奇特な命式の場合、富貴を得るにあたり中庸で且つ調和が取れている必要はない。何故か?
8 世の中の財や官は限られた数しかなく、世の中の優れた人材はただこのようなときに最も多く現れる。全て奇抜さや巧妙さが重要視されるからである。

🌸任氏

9 中和とは命式における正しい原理である。
10 もし中和の正しい気を得るならば、どうして名声や利益が遂げられないことを心配することがあろうか?
11 そもそも、一生を安楽に過ごし抑鬱がなく順調に事が運ぶ人や、困難が少なく吉運を享受する人や、親孝行で友人に対し驕らず諂わない人や、心が正直でいい加減な振る舞いをしない人は、中和で正しい気を持っている。
💡12 例えば、身弱であるが地支が旺じているため富貴を得る場合や、身旺であるため地支が弱くても富貴を得る場合、必ず四柱に欠陥がある。財が軽く劫が重い、官が衰えており傷が旺じている、殺が強く制が弱い、制が強く殺が弱いなどの欠陥である。これらは中和の原理を得ていないけれど、その気は却って純正であり、人柄は恩と怨の区別が明確である。ただし、四柱に欠陥がある場合、或いは運勢が更に逆行している場合、結果として妻子や財禄それぞれに不足がある。例えば、財が軽く劫が重い場合は妻が不足し、制が強く殺が弱い場合は子が不足し、官が衰えており傷が旺じている場合は名声が不足し、殺が強く制が弱い場合は財が不足する。そのような人は志が高く物事に対し傲慢であり、貧しくても諂わない。後に歳運が巡り、その不足を補いその余りを取り除くことで、中和の理を得て、その後必ず成功を収める。中には富貴を見て諂いの態度を取る者や、貧窮に会い傲慢な態度を取る者がいる。そのような人は必ず四柱に偏りや奇怪さがあり、五行が正しく調和していない。そのため心が不誠実で貪欲であり、物事を運任せに頼る。
13 例えば、「病があり薬がある場合、吉凶は容易に確認できる。病がなく薬もない場合、禍福を推測するのは難しい」といわれる。この論はやはり偏ったものである。
14 一般的に、病がある場合は明らかで対処が容易であるが、病がない場合は隠れており推測が難しい。
💡15 しかしながら、総じて中和を主とするべきである。それは人に病がなく、四肢が健全であり、行動力と免疫力が調和しており、行動が自由であり、多くの面で安定快適である状態のようである。
16 もし病があるならば、憂いは多く楽しみは少なく、行動に艱難が伴う。もし病に対し良い薬や医者がないならば、どうして一生の患いとならないであろうか?

✅波濤ろく🌊の解釈

1、4、9 今回のテーマは「中和」。字面の通り五行のバランスが取れた状態であり、「正理」「至貴」「要法」などと述べられている。中和は中庸と調和、全ての人が目指すべき理想的な状態といっても、差し支えはないんじゃないかしら?💖

5、6、7 ただし、中和であることは富貴、名利を得るための十分条件ではあっても必要条件ではない。命式が中和でなくても、日主が程良く強く、用神が適切に働いている命式や、著しく偏りがあるような命式であれば、富貴を得ることが可能であると述べているわね💰

12 命式そのものに大過不及がある場合であっても、巡りくる行運によって余りを取り除き不足を補うことで中和を得ることができるという話。ただ、皆が皆、人生いずれかのタイミングで成功を収めるというわけではなく、命式と行運(大運、歳運)が絶妙にマッチした場合にのみ、完全な中和というものが手に入れられるんでしょうね👩‍❤️‍👨

ではどのような命式が中和なのか?『滴天髄闡微』にある例をひとつ取り上げてみるわね。

2001年6月9日22:00生まれ 男命

こちらの命式は中国清代の官僚、莫宝齋氏のものらしい。実際の生年は恐らく1761年。日主は癸、時柱に癸亥があり通根しているので水が強そうに見えるけれど、午月囚令なので水はそこまで強くない身弱の命式。強いのは、亥卯半合木局+日支にしっかり根のある木行(食傷星)と、木の相生+巳午半方火局のある火行(財星)🌳🔥

命式の風景を画像で表現するとこんな感じ。AIって便利ね🎶

命式のイメージ。午月の癸水、木強め。

この命式の何をもって「中和」とするのか?

  1. 身弱ではあるが、日主癸を剋する土がない。

  2. 官殺星はないが、財星が盛ん。官殺星を生じる土壌あり。

  3. 年干辛が癸を生じ、強い木を剋している。

大運で辛卯、庚寅が巡る時期があり、丁度この頃に任官。金が巡ることで強い木が制御できたのが良かったみたい🪓

完璧に五行のバランスが取れているというわけではないけれど、どの五行も衰旺が著しくなく、多少過度なものには適切に生剋制化の要素が入っている(上の命式であれば、木に対する年干辛など)。そのような命式であれば、中和と判断して良さそうね💖ただし、その判断は非常に難しいものではあるけれど……💦

今回はここまで✨
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次回をお楽しみに、拜拜👋

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