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[四柱推命] 滴天髄 通神論14 精神 [和訳 現代語訳]

皆さま、こんにちは。波濤ろく🌊です。
前回のテーマは「体用」。体とは所謂吉凶の基準のようなもので、ここが強過ぎず弱過ぎずあることが重要。狭義では日干を指すことが多い。用とは一般には用神と呼ばれている。体の状態を健全たらしめる作用をなすもの。体と用は必ずセットであり、体をどう捉えるかによって用もそれぞれ異なる。
詳しくは前回の記事をチェック✨

今回のテーマは「精神」。早速見ていきましょう🏃‍♀️💨

⚠️原文として載せている『滴天髄闡微』には、命式例が数多く取り上げられておりますが、割愛させていただきます🙇‍♀️
⚠️和訳、現代語訳の正しさについては保証いたしません💦
⚠️押さえておきたいポイントに「💡」印を付しています。

✅原文

💡1 人有精神,不可以一偏求也,要在損之益之得其中。

🌸原注

2 精氣神氣皆無氣也,五行大率以金水為精氣,木火為神氣,而土所以實之者也。
3 有神人不見其精,而精自足者,有精足不見其神,而神自足者;
4 有精缺神索,而日主虛旺者;
5 有精缺神索,而日主孤弱者,有神不足而精有餘者,有精不足而神有餘者,有精神俱缺而氣旺;
6 有精神俱旺而氣衰,有精缺得神以助之者,有神缺得精以生之者,有精助精而精反泄無氣者,有神助神而神反斃無氣者,二者皆由氣以主之也。
💡7 凡此皆不可以一偏求也,俱要損益其進退,不可使有過不及也。

🌸任氏

💡8 精者,生我之神也;
💡9 神者,克我之物也;
💡10 氣者,本氣貫足也。
11 二者以精為主,精足則氣旺,氣旺則神旺,非專以金水為精氣,木火為神氣也。
💡12 本文末句雲:“要在損之益之得其中”,顯非金水為精,木火為神,必得流通生化,損益適中,則精氣神三者備矣。
13 細究之,不特日主用神體象有精神,即五行皆有也。
14 有餘者則損之,不足則益之,雖一定理,然亦有一定中之不定也,惟在審察“得其中”三字而已。
💡15 損者,克制也;
💡16 益者,生扶也。
💡17 有餘損之,也有餘者宜泄之;
💡18 不足益之,過不足者宜去之。
19 此損益之妙用也。

💡20 蓋過於有餘,損之反觸其怒,則宜順其有餘而泄之;
💡21 過於不足,益不受補,則宜從其不足而去之,是不可以一偏求也。
💡22 總之精太足宜益其氣,氣太旺宜助其神,神太泄宜滋其精,則生化流通,神清氣壯矣。
💡23 如精太足,反損其氣,氣太旺,反傷其神,神太泄,反抑其精,則偏枯雜亂,精索神枯矣。
24 所以水泛木浮,木無精神;
25 木多火熾,火無精神;
26 火炎金無精神;
27 金多水弱,水無精神。
28 原注以金水為精氣,木火為神氣者,此由髒而論也。
29 以肺屬金,以腎屬水,金水相生,藏於裏,故為精氣,以肝屬木,以心屬火,木火相生,發於表,故為神氣,以脾屬土,貫於周身,上所以實之也。
30 若論命中之表裏精神,則不以金木水火為精神也,譬如旺者宜泄,泄神得為精足,此從裏發於表,而神自足矣;
31 旺者宜克,克神有力為神足,此由表達於裏,而精自足矣,如土生於四季月,四柱土多無木,或幹透庚辛,或支藏申酉,此謂裏發於表,精足神定;
32 如土多無金,或幹透甲乙,或支藏寅卯,此謂表達於裏,神足精安;
33 土論如此,五行皆同,宜細究之。

✅和訳 現代語訳

💡1 人には精神があるが、一面的にこれを追求してはならない。これを剋制したり生扶したりしてその中庸を得ることが重要である。

🌸原注

2 精気、神気はどちらも無気である。五行では一般的に、金と水が精気であり、木と火が神気であり、土はその両者を支える役割を担うとされる。
3 神があっても精が表面に現れていないが、内面では精が十分に足りている者もいれば、精が足りていても神が表面に現れていないが、内面では神が十分に足りている者もいる。
4 精が欠け神が尽き果て、日主が虚しく旺じている者もいる。
5 精が欠け神が尽き果て、日主が孤立し弱い者もいる。神が不足しているが精が有り余っている者、精が不足しているが神が有り余っている者、精と神が共に欠けているが気が旺じている者もいる。
6 精と神は共に旺じているが気が衰えている者、精が欠けているが神の助けを得ている者、神が欠けているが精の助けを得ている者もいる。精が精を助けているが反って精が洩れ無気になっている者、神が神を助けているが反って神が滅び無気になっている者もいる。これら2つは全て気が主導している結果である。
💡7 凡そこれらの場合は皆、一面的に追求してはならない。これら(精、神、気)の進退を剋制したり生扶したりする必要があり、過不足を生じさせてはならない。

🌸任氏

💡8 精とは自分を生じる神(印星?)である。
💡9 神とは自分を剋するもの(官殺星?)である。
💡10 気とは本来の気が貫くこと(?)である。
11 この2つ(精、神)は精を主とし、精が十分であれば気も旺じ、気が旺じていれば神も旺じる。専ら金と水を精気とし、木と火を神気とするわけではない。
💡12 本文末句に「これを剋制したり生扶したりしてその中庸を得ることが重要である」とある。金と水が精ではなく、木と火が神ではないことは明らかである。流通生化を得ることが必要であり、損益(生剋、扶抑)が適切であれば、精、気、神の三者が備わっているということである。
13 これを細かく究めると、日主、用神、体象に精神があるのは特別なことではない。五行は全て精神を有している。
14 有り余るものを抑え、不足しているものを補うのは一定の理ではあるが、一定の中にも不定がある。ただ「得其中(その中庸を得る)」の三字を詳しく観察するのみである。
💡15 損とは、剋し制することである。
💡16 益とは、生じ扶けることである。
💡17 余りがある場合はこれを剋制し、更に余りがある場合はこれを洩らすのが望ましい。
💡18 足りない場合はこれを生扶し、過剰に足りない場合はこれを取り除くのが望ましい。
19 これが損益の妙用である。 

💡20 一般的に、余りが過剰である場合、これを剋制すると反ってその怒りに触れる。有り余るものに従いこれを洩らすのが望ましい。
💡21 過剰に不足している場合、これを生扶しても補うには至らない。不足に従いこれを取り除くのが望ましい。一面的に追求してはならない。
💡22 総じて精が過剰に余るのであればその気を生扶するのが望ましく、気が過剰に旺じるのであればその神を助けるのが望ましく、神が過剰に洩れるのであればその精を滋養するのが望ましい。そうすれば生化流通し、神は清らかで気は壮んになる。
💡23 もし精が過剰に余るならば、反ってその気を制剋し、気が過剰に旺じるならば、反ってその神を傷付け、神が過剰に洩れるならば、反ってその精を抑える。その結果偏りや混乱が生じ、精は尽き果て神は枯れる。
24 それ故、水が溢れると木が浮き、木に精神がなくなる。
25 木が多いと火が激しく燃え、火に精神がなくなる。
26 火が激しく燃えると金に精神がなくなる。
27 金が多く水が弱いと、水に精神がなくなる。
28 原注は金と水を精気とし、木と火を神気としているが、これは臓器を論じているからである。
29 肺は金に属し、腎は水に属し、金と水は相生する。内側に隠れる性質なので、これらを精気とする。肝は木に属し、心は火に属し、木と火は相生する。外側に発散する性質なので、これらを神気とする。脾は土に属し、全身を貫く。それ故、精と神はこれに満ちるのである。
30 もし命式中の表裏(外側、内側)の精神を論じるならば、金木水火を精神とはしない。例えば旺じているものは洩らすのが望ましく、神を洩らすことで精が充足する。このように内側から外側に発散することで神は自ずから充足する。
31 旺じているものは剋するのが望ましく、神を剋することで力を持ち神が充足する。このように外側から内側に達することで精は自ずから充足する。もし四季月生まれの土で四柱に土が多く木がない、又は天干に庚辛が透出していたり、地支が申酉を蔵しているならば、これは内側が外側に発散していると言い、精は足り神は安定する。
32 もし土が多く金がない、又は天干に甲乙が透出していたり、地支が寅卯を蔵しているならば、これは外側が内側に達すると言い、神は足り精は安定する。
33 土の論はこのようであるが、五行は全て同じであり、これを細かく追究するのが望ましい。

✅波濤ろく🌊の解釈

今回もなかなかのボリューム。テーマは「精神」、訳してみたけれどかなり抽象的な話っていう印象を受けたわ。

2、8、9、10 まず、精、神とは何なのか?原注は、金と水を精とし木と火を神としている。任氏は原注を否定、自分(日主)を生じるものを精、自分を剋するものを神としている。そして、精、神に加え「気」について述べているが、その作用はよく分からない💦

11 精と神では、精を主とし、精が足りていれば気が旺じ、気が旺じていれば神が旺じる、という関係性らしい。ただ、これは精➡気➡神という相生関係のことではないみたい。こう考えると、前述の精神の定義(自分を生じるものを精、剋するものを神)と辻褄が合わない🤷‍♀️

12 とすると、任氏の精、気、神の捉え方は、割とふわっとした概念的なもので、❶精が自分に力を与える、❷自分に気が満ちる、❸気が満ち溢れた自分を神が抑える、❹弱まった自分に精が力を与える、という流通生化を述べたものと考えたら良さそう✨

1、14 精、気、神の三者が揃っていれば、その命式は「得其中(その中庸を得ている)」と言うことができるのでしょうね💖

20、21、22、23 精、気、神の中に過剰に旺じているものがある場合、剋するのではなく洩らす方が望ましい。例えば、日主が過剰に旺じている場合、官殺星で剋するよりも食傷星を補って洩らすべきである、ということ。

「剋するよりも洩らす方が望ましい」、これは今までいろいろな記事で触れてきたと思う。どういうときに剋し、どういうときに洩らすのかについては、形象(通神論10)、方局(通神論11)辺りを読んでいただけると摑めるかも👍

31、32 日主が土行の場合、命式に金行が多いと土生金で土が金に洩れる。これを「裏發於表(内側が外側に向かって発散する)」という💥命式に木行が多いと木が土を剋する。これを「表達於裏(外側が内側に達する)」という✊日主の力を抑える方法として、❶自ら力を放出するか、❷外の力を借りて抑えてもらうか、の2つがあるという感じで解釈😌

今回はここまで✨
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次回をお楽しみに、拜拜👋

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