ハッチ・ワークが提唱する「ファーストワンマイルステーション構想」とは?
株式会社ハッチ・ワークの代表取締役社長、増田です。
先日以下の記事で当社を取り上げていただきました。当社の取り組みや意図を丁寧に汲み取り、とてもわかりやすくまとめていただきました。
「ニッチではあるが、可能性を秘めた領域」と太鼓判も押していただき、大変光栄に思います。
<引用>2024年7月30日付のITmediaビジネスONLINE
なぜ、月極駐車場に注目?ニッチすぎる存在をDXで“宝の山”に 驚きのビジネスモデルに迫る
この記事の中で、当社が提唱する「ファーストワンマイルステーション構想」についても関心を寄せていただきました。今日はこの構想について詳しく書いてみようと思います。
「ラストワンマイル」について
「ファーストワンマイルステーション構想」とは、ハッチ・ワークが提唱する「月極駐車場がさまざまなサービス拠点に活用される世界観」のことです。
なぜこのネーミングにしたかを説明するには、「ラストワンマイル」について触れておく必要があります。
「ラストワンマイル」はもともと通信業界で使われていた言葉で、「通信接続を提供する最後の区間」といった意味合いでした。
現在は物流や交通の業界でよく使われており、「顧客に対してモノやサービスが到達する最後の接点」を表す言葉として認識されています。
物流であれば、配送物が最後に顧客へ届くという最終接点を、交通では駅から自宅や目的地といった短い距離のことをそれぞれ「ラストワンマイル」と表現します。こちらは、社会課題としてもたびたび話題に上がるため、耳にしたことがあるという方も多いかもしれません。
「ラストワンマイル」の課題とは?
一般的に言われている各業界の「ラストワンマイル」における問題や課題、そして解決策を一覧にまとめてみました。
対処療法で凌げるものから、原因療法が必要なものまでさまざまです。現在、配送会社や交通機関はもちろん、多くのサービスプロバイダーが参入し、「ラストワンマイル」の課題解決に向けて取り組んでいます。
さて、これがどのように月極駐車場と結びつくのかをご説明します。
最初の接点「ファーストワンマイル」
実は以前、「月極駐車場が秘める大いなる可能性とは?」と題し、以下にまとめました。ぜひご一読いただけると幸いです。
引用すると、月極駐車場が秘める大いなる可能性の一つに、「居住地周辺にあるという性質を活かした利活用のバリエーションの多さ」が挙げられます。これがまさに、「ラストワンマイル」の課題解決にリンクします。
ただ、「ラストワンマイル」という表現は、あくまでもサービス提供側が主語で「最後の接点」としているのですが、裏を返すと利用者さまにおける「最初の接点」なわけです。
その利用者さまの暮らしを豊かにする、「月極駐車場が創り出す新しい価値」を身近に感じていただけるように「ファーストワンマイル」としました。そして、新しい価値を持った駐車場は「パーキング」の域を超えて、「ステーション」となるだろう、と。そんな想いを込め、「ファーストワンマイルステーション構想」と名付けるに至りました。
「ファーストワンマイルステーション構想」
改めてですが、以下のように定義しています。
「ファーストワンマイルステーション構想」
少子高齢化などの社会課題が叫ばれるなかで、周辺住民や来訪者の利便性向上を目指し、生活に隣接するエリア<=ファーストワンマイル>にある月極駐車場を再定義することで、駐車場としての利用はもとより、各種モビリティサービスの拠点<=ステーション>となりえるネットワークの構築を目指したものです。
モビリティを活用したさまざまなサービスプロバイダーが集まることで、
月極駐車場はより豊かな社会の実現を下支えすることができると考えています。
当社がこれまで取り組んできた、EV充電サービスやカーシェアリング拠点の開発支援、マイクロモビリティの貸し借りポートへの転用などは、どれもこの考えが根底にあります。
他のnoteの記事で掘り下げていますので、よろしければご覧ください。
月極駐車場の空き区画を収益化する手段
「ファーストワンマイルステーション構想」は、月極駐車場の空き区画を有効活用することで管理会社さまやオーナーさまにいかに還元するか、ということも大きなテーマです。
というのも、一般財団法人自動車検査登録情報協会が発表した、令和6年5月時点の全国乗用車保有台数は62,046,849台で、昨年から微増しています。「クルマ離れ」というキーワードが流布されるようになって久しいこともあり、あまりイメージがないかもしれませんが、乗用車の保有台数は意外にも増え続けています。
上記を見ると、保管場所としての月極駐車場のニーズは今後も高い状況が続くと考えていますが、人口の減少や環境の変化によって、いずれ空きが増えてくることも予想されます。
管理会社さまにとっては、管理駐車場の高稼働を維持することがオーナーさまから期待される重要な課題であるにもかかわらず、利用する乗用車が少なくなることは、コントロールできないものです。
そんな未来を想像した時に、月極駐車場の付加価値向上や空き区画における有効活用は、非常に重要な課題だと、かねてから考えてきました。
月極駐車場のプラットフォーマーとして、利用者さまはもちろん、管理会社さまやオーナーさまにも収益還元できるように、来たる未来に向けた着実な準備を進めていきます。
どうぞご期待ください。ではまた。