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近世欧州軍事史備忘録 巻5
伝ヴォーバン式 築城教本
本のサイズ:A5
総ページ数:262
2022年冬コミにて初回頒布
近世ヨーロッパで発達した稜堡式城郭を築城するための手法を解説した書籍の翻訳。近代に入り幕末日本で築城された函館五稜郭の設計も、この方法が根幹にあります。
なお、本書はヴォーバンの著作として誤解されていることもありますが、実際はヴォーバンの弟子を名乗る人物による著作となります。そのためヴォーバンの築城術(第一方式)を解説している本と言うよりも、イタリアに端を発しオランダで発達した稜堡式築城術を土台として、これにフランス流の築城術を入れ込んで解説した一冊と理解して欲しいと思っています。
しかし本書は、17世紀末から18世紀半ばにかけてヴォーバンの築城術として大ベストセラーともなりました。他の同種の著作と比べて、その出版的成功は群を抜いており、そのため、多くの人々がこれを読んで勉強したという事実は、いわゆるヴォーバン的と言われる稜堡式城郭の形成に大きな影響を及ぼしたことを意味するものでもあります。
邦訳題の『伝ヴォーバン』にはその意を込めていますので留意頂ければと思います。
稜堡式城郭は、攻囲戦や陣地戦が重要な意味を持ち、戦役の中心となって戦争の勝敗に直結することさえあった近世ヨーロッパの軍事史を学ぶ上で欠かすことができない要素です。また近世日本の城郭を研究する上でも比較対象として非常に有益でしょう。
これを機会にぜひ、稜堡式城郭がどの様に設計されているのかを知り、その理論を知って頂ければ幸いです。
・立ち読みはこちら。(Google スプレッドシート)
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