無職も楽じゃない

無職…
世間では職業は無職と口にするだけで後ろ指を刺されます。
少なくない無職は、堂々と無職と名乗れず肩身の狭い思いを噛み締めながらフリーランスと答えたり、自営で色々やってると答えます。
かくいう私も堂々と無職というほど無職ではないし、たまに働いて適当に自由に過ごしているのでフリーターという風に名乗っています。
私の今の仕事は専門的な知識、技術も必要としない単純作業であり、作業内容自体は義務教育を終えていたら十分行えるものです。
私自身は、考えられる限りの節約を続けても、何とかこの生活を続けたいと思ってます。
(かつては正社員も希望しましたが、自分と会社の条件が合いません。)
今、完全に無職になっていないのはお金の問題、あとは社会には仕事なのか?これ?と思う簡単な仕事があるからに尽きます。
(主にそれらは日の丸親方の仕事です)
一応それらのボーナス労働は、取りこぼさずに拾う感じで日銭を稼いでます。

今は働く形態がかつてより多様化したとはいえ、一時期少し流行ったFIRE、セミリタイア等もまだまだ世間では、無職の延長線上の存在であります。FIREの言葉くらいは知ってる人はいても、実際の生活実態は知られていないことがほとんどだからです。いい歳こいた大人が本来働ける稼動能力があるにも関わらず働いていないというだけで無職です。

そしてステータス、無職の状態で将来設計を考えると、なかなか大変です。
特にパートナーと結婚を考えている場合は、苦労する種になります。
そのような時に無職が無職であり続ける試練が試されます。

それ故に当人の心の秘めるところに強く強く無職を続けないといけない理由が存在しない限り、多くの人にとって就職する方が楽です。

仮にも娘が公務員の男と結婚することを反対する親はそういないでしょうが、無職は違います。
娘が決めた相手だからと潔く受け入れてくれる親もいるでしょうが、なかなかそうもいきません。
ことあるごとに無職は足枷になり、ある時は無職であり続けることに疑問を持ってしまうかもしれません。

これが会社員であれば、住宅のローン審査は通り、毎月の安定収入があり、稼動可能な労働力を社会のために使っているので、大凡の説明は辻褄が合うからです。
お給料をいただいて、そのお給料からお支払いして、食べていくという話は誰もに理解されるからです。

そして無職は、友達に説明しても尊敬されることはありませんし、周りも冷ややかな反応がほとんどです。
もう若くないんだから大人になれよ!と思うのが世間一般の反応でしょう。
友達と飯に行く際も無職と会社員の友達では経済格差が生まれます。
友達の前では、無職は優雅だとイキってみたものの帰り道には何者でもない自分が虚しくなり、再就職の道に揺れ動く人の方が多いと思います。
無職は、朝起きても特に決まって何かをやることもありませんし、ひとたび昼夜逆転生活が始まると、夜考え込んでしまうなんてことも一度、二度は誰もが経験する道です。

無職は、親と関係性が悪くなることも視野に入れないといけません。
軋轢が一時的に生じても根気強く話し合いの場を設けて、なぜ無職を続けたいのか、なぜ普通の人のように働けないのか、根強く活動を続け年単位でかかります。
罵声を浴びることもあるでしょう。
親には親の正義の鉄拳がありますが、鉄拳は受け流し、親のお節介がウザすぎると思った時は一旦距離を置くなど手を替え品を替える必要があります。
それでも、最後は親の人生ではないので、過干渉しないでくれと親に通告して独立を勝ち取るのです。

これらの試練を乗り越えて貫いた先に見えてくる世界は別物です。
私は今の歳でなんとか間に合ってよかった…
この世界を知っておいてよかった…

それは私の場合は、やらなければいけないことを背負わないことが、こんなにも楽だと知らなかったことです。
学校では中間テスト、期末テスト、内申書のために素行を良くする、高校大学のための受験…
仕事では納期、クレーム対応、確定申告、気づけばいつだってやらければいけないことに囲まれていました。
働いてる間は、頑張ろうと思っても、会社には会社で合わない人がいて、当人同士が合わないだけなら良かったのに、周りを巻き込んで攻撃してくる人もいて人間関係がめんどくさかったです🤮

今はやらなければならないことも多少あるものの以前より格段に減り、頭の中に散らばっていたあらゆる面倒ごとがなくなり、昔よりちょっとお金がないに概ね一元化されました。
ここに至るまでで1番大きかった功績は無職を目指すまでの過程で、思考し続けたことで、自分が手放すものが明確に分かるようになったことです。

その上で今回、記事をまとめたのは無職、フリーター、FIRE、セミリタイアに首を突っ込み、本来働けたはずの友人に安易にこちら側に来てほしくないからです。

会社員を続けることで得られる免罪符は大きく目に見えないだけで効果は強大です。
社会的信用として住宅ローンが組めて、クレジットカード審査が通り(これはフリーターも可)、不動産投資の入口が開いていて、合コンでも結婚の時も会社名を差し出すだけで事足ります。
将来のことが気掛かりでも、皆と同じ方向に思考停止で向かえば問題ありません。
皆で同じ方向に向かえば沈む時も同じですから、孤立することがありません。

安易に無職を目指しても、これまで皆と同じに生きてきた場合、決断の連続です。
きっとそんなに無職生活は合わないでしょう。
誰かに決めてもらって、制限を作ってもらって、その中で頑張る方が楽です。

お給料がある会社員は素晴らしい仕組みです。

おしまい

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