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「動物はなぜ、人里にくるのか?~草刈りの重要性」新規就農への記録・その31

以前、一生懸命休耕地の草刈りをして開墾をした。
そのようなお話を書きました。
開墾した理由は、もちろん野菜を作るための畑を確保すること。
それが一番の理由なんですけれども、
たぶん、もう少し意味があって。

最近、動物が人里に現れた!とニュースになることが増えました。
そのたびに、問題が出てきます。
まずは、農作物が食べられてしまうこと。
あとは、人と遭遇して、けがを負うこと。
車や列車とぶつかれば、互いに傷つきます。
イノシシ、シカ、クマ。
クマだけでも、先日は秋田でスーパーに立ち入ったり、
北海道では人を襲ってしまったり。
そのクマを撃って、批判を浴びたり。
感情論もあり、でも生活が懸かっている話でもあり。
簡単に答えは出そうにない問題かな、と。

そもそも、どうして動物が
こんなにも人里に出てきてしまうのか。
これも、諸説あるようです。
気候変動で、山に食べ物が少なくなった、
餌付けやごみ放置で、人間の食べ物の味を覚えてしまった。
そして、もう一つ大きいのは、
里山の利用が減少したためでは、という説。

去年、電気柵の講習に行ったときに聞いた話ですが、
動物が人里に来るのは、
数が増えたこと、
人を怖いと思わなくなったこと、そして、エサがあること、
そして、エサまで「安心して通れる道がある」からだと。

サルをはじめとする野生鳥獣は、
常にエサが豊富にあり、
安心して住むこと(隠れる事)のできる場所を求めている。
だから、
「来ても良いことがない」と、
動物が人里に来る理由をなくすことが大切なんだ、という話でした。

この話を聞いて、「なるほど!」と納得。
特に、「安心して通れる道がある」ところが、
自分的には大きいのかなと思いました。

昔は、「奥山」と「里」の間に、
境界、緩衝帯としての「里山」があった。  

<奥山>~~~<里山>~~~<里>

「奥山」(標高が高く気候が厳しい野生動物が住むとこ)
「里山」(気候が穏やか、餌が豊富。
     人間が薪を取ったり、猟をしていた。)
「里」 (平地。人が住むところや田畑)

里山に人がいなくなると、動物が山から下りてくるようになり、
里山の役割が機能しなくなってきている。
里山の利用が減少するということは、
耕作しない土地が増えることでもあり、
山が荒れる、里山が荒れる。
すると、人の気配がしない空間に、動物が下りてきて、
野生動物の生活圏が広がっていく。

実際に越前市では、以下の整備事業を行っているとのこと。

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大規模緩衝帯(山ぎわ緩衝帯)整備事業 
農地に隣接する山ぎわの見通しをよくすることで、獣類(イノシシやニホンジカ等)が身を隠せる場所をなくし、獣類を警戒させ、近付きにくくさせます。侵入防止柵と併せて整備することにより、効果はより高くなります。
越前市では、山ぎわ(奥行き10メートル)の刈払いについて支援します。
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そもそも人口が減少しているわけだし、
すべての里山を管理することは難しいかもしれないけど、
少しでも、野生動物と共存する方法を考えていきたい。
「野生動物が集落に興味が無くなり、
山で生活をするようになることが、対策の最終目標です」という話を聞き、
少なくとも、今使っている自分の畑の草は、
きちんと草刈りをしていこうと思います。


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