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「住まい、仕事、どちらを先に決める?<後編>」新規就農への記録・その14

※上記の地図は、Map-It マップイット(c)より引用しています。

前編では、
家探しを新潟県上越市で始めたら、
案外高くて、予算オーバーしたので、
近隣の妙高市も探してみることにしたよ、というお話でした。
なので、後編は妙高市で家探しをした時の話です。

妙高市というのは、
人口2万9千人弱の小さな市。
2005年に、妙高村 、 妙高高原町 を編入合併して新井市から改称し、
現在の妙高市となったとのこと。
自分の中では、新井市が上越市に隣接していて、身近に感じました。
でも、あまり新井市に出かけることはなくて、
電車や車で通りすぎていた感じです。

「妙高」と言えば、温泉、スキー、
そして登山のイメージですが、
これらはどちらかというと、
妙高村 、 妙高高原町ですね。
観光のイメージが強いかも。
山の印象が強い。
新井市は、平場。高田平野の最後。
そして、工場が多い?
ここから長野に向けてぐんぐん標高が上がっていく感じ。
そんなぼんやりしたイメージしかありませんでした。

雪の量で言えば、
上越市の高田、直江津からすると、
旧新井市→旧妙高村→旧妙高高原町の順で標高が上がり、
雪の量も比例して増していく。
雪の暮らしに慣れていない私にとって、
新井エリアまでが限界かな、と感じ、
家探しも旧新井市エリアで探すことに。

するとですね、上越市に比べて、
一気に高床式住宅の比率が上がります。
それだけ雪が多いということです。
でも、価格も随分
手が届きやすくなってきていて。
何件か実際に内覧してみたら…
あった!
いい感じの住宅が。
ちょうど前に住んでいた方が、
ご高齢で一人暮らしをされていて、
ちょうど完全バリアフリーに改築されていました。
そして、高床式でもない。
ちょっと、雪の心配はありつつも、
済むところがまず決まらなければ、
仕事探しも始まらない。
…ということで、この家に決定!

決め手となったのは、
もちろん上記の理由が大きいですが、
実はもう一つ理由があって。
「畑が付いている」
ん?
畑の売買、貸し借りは簡単にできなかったんじゃなかったっけ?
でも、不動産の人は、
「大丈夫だと思いますよ。畑、扱ったことはないんですけど」という。
まあ、大丈夫というから、いいか。
畑、どちらにしても
やろうと思ってたし。

この年は、2022年なので、
令和4年です。
で、実際に売買契約したのが、
令和5年4月。
後から知るのですが、
たまたまですが、
ここが大きなポイントでした。

実は、
農地の売買はやはり簡単ではなく、
不動産のように、簡単に購入することはできないんですね。
今までは。

ただ、令和5年4月1日から
「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律」が施行され、農地法の下限面積要件が廃止
されました。

どういうことかというと、
ちょっとGoogle先生によると(笑)、

下限面積とは、農地法第3条第2項第5号に定められた、農地を利用する権利を取得する際の許可基準の一つです。
権利を取得した後、最低これだけの面積を耕作(経営)しなければならないという基準であり、これまでは都府県で50a(=5,000㎡)、北海道で2haに定められていました。
そのため、新規就農する場合には、この面積以上の農地を借りるか買うかして取得する必要がありました。

そうなんです。
今までは、ある程度の面積がないと、正式には、売買はおろか、
借りる事すら難しかったのですね。
今まではなんとなく
個人間でやり取りをして、
貸し借りしていたケースが
多かったのではと推測されます。
家庭菜園で50aなんて無理だ(笑)。

でも、
下限が撤廃されたということは、
新規参入がしやすくなるわけで、
自分にとっては
本当にタイミングが良かった。

ただ、農地を取得する際に必要となる許可要件は継続されるとのことで、
後日私も、市の農業委員会にて
面接をすることになります。
その時言われたのは、
本当にざっくりと言うと、

〇全部、農地として使ってね。草刈りはちゃんとするように。
〇転用して建物とか立てちゃだめだよ。

ということでしょうか。
あくまでも、
農地として使うことが大原則。
農業委員会は、農地利用の最適化についての業務を行っていると。
農業委員会もそうだし、
農業委員という人たちの存在も
この時初めて目にしました。

また、今回購入の際、
「畑」以外にも「山林」というものが
7つだか付属していて。
売主の方も、「相続したのだけど、
どこか分からない」というし、
それでも持っていれば、
管理はしないとトラブルの元だし、
固定資産税も毎年発生するので、
今回は<地目>的に、
「宅地」と「畑」ののみ購入させていただくことにしました。

ちなみに、相続した時、
相続した人が今回の山林のように
相続がむつかしい場合、
国に返還できる制度ができたようです。
今回の私の場合、
売主さんが対応して下さいましたが、
自分で対応する場合、
こういう制度があるということを
知っておくのもいいかもしれません。

「相続土地国庫帰属制度」
2023年3月30日創設
一定の要件を満たした場合に、
土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度。

こうして住むところを探していたら、
農地も2畝(2a)ではあるけれど、
手に入ることになりました。
いつのまにか、地主に…。

結論から言うと、
農地を手に入れるのは、
実際ほんと大変です。
でも、家庭菜園位のレベルの広さなら、
引っ越して中古の物件を購入する際、
「畑付き」という物件を探してみるのも手だと思います。
もちろん、メインは「母屋」の住居がメインですよ。
でも、
状態の良い畑が付属しているのなら、
母屋のリフォームの度合いを見極め、
検討してみるのも良いかもしれない。

そして、
畑付きの物件は「納屋付き」の物件だったりすることが多く、
畑の道具、機械、資材を置けるスペースを確保できます。
中古の物件なら、
その納屋の中に「農機具」や「農業資材」がそのまま残っている、
というケースもあります。
不動産を探すのであれば、
そういう視点で探してみることもお勧めです。

地域によっては、
行政で「空き家バンク」制度を実施しているところもありますね。
ぜひアンテナを高くして、
良い出会いを見つけてください!



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