【有機野菜と健康】有機野菜はビタミンCが多く、硝酸塩が少ない
有機野菜は、残留農薬が少なく、安全・安心な食材として支持されています。
ところが、議論が分かれるのはその品質について。
「有機野菜は栄養が豊富って本当?」
「特別な栽培なのだから、品質も特別なはず」
などなど、さまざまな意見や疑問にあふれていますね。
そんな疑問を検証すべく、有機野菜の成分について調査した論文を見つけましたのでご紹介します。
タイトルは、
「有機認証野菜のビタミンC及び硝酸含有量」
です。
それでは、中身を見ていきましょう。
東京都立食品技術センターの研究
取り組んだのは、東京都立食品技術センター(現食品技術センター)の研究者の方々。
食品技術センターは、食品産業にかかわる研究成果を一般に普及させたり、企業への技術支援を行ったりする、信頼性の高い公的研究機関です。
ビタミンCと硝酸塩の量を測定
40種類の野菜、102品目を対象とし、有機野菜の品質を確かめる指標としてビタミンCと硝酸塩の含有量を測定。
ビタミンC
言わずと知れた栄養素。コラーゲンの生成や日焼けを防ぐ作用、抗酸化作用による老化防止など様々な効果を持つ。
硝酸塩
人体で亜硝酸塩に還元され、濃度次第でブルーベビー症候群の原因になったり、アミンやアミドと反応することで発ガン性の疑いのある物質に変わったりする。
摂取量の85%は野菜由来との報告もある。
結果① 有機野菜はビタミンCが多い
多くの有機野菜が、通常の野菜よりビタミンCを多く含んでいることが分かりました。
有機栽培では化学肥料を使わず、代わりに堆肥を使用しています。
窒素肥料が少ないためにじっくりと生育し、コンパクトでがっちりとした姿に育つとのこと。
明確な考察はなされていませんでしたが、コンパクトな分栄養素が凝縮されているのかもしれませんね。
結果② 有機野菜は硝酸塩が少ない
反対に、高濃度になると人体に害を及ぼす硝酸塩の量は、有機野菜の方が低いことが分かりました。
ビタミンCほどはっきりとした差は見られなかったものの、硝酸塩の量は有機野菜の方が低い傾向にあったとのことです。
ひと口に有機栽培と言っても、堆肥に牛糞を使っているか、比較的窒素濃度が高い鶏糞を使っているかで硝酸塩濃度は変わってくると思われます。
とはいえ、化学肥料を使う通常の栽培と比べ、有機野菜は硝酸塩濃度が低いと言えるでしょう。
判断基準の一つとして、ご活用ください
有機野菜についてはさまざまな情報があふれていますが、信頼できる情報をもとに判断するのが大事かなと思っています。
この記事が、みなさんの参考になればうれしいです。
それでは!
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010692402.pdf
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