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「食」を通して自分らしい瞬間と出会う|女子大生100人インタビュー#13

「この時の自分、私やな。」と自分らしさを感じられる瞬間。子ども食堂にいて感じる自分らしさと、ヴィーガンをやってる自分らしさ。この2つに出会ったことで自分の人生が明るくなりました。

HATACHI Communityが運営する女子大生100人インタビュー。13人目は「やらない後悔はしない」を大切に、自分の軸をしっかりと持ちアクションを起こし続ける、岐阜県出身の大学4年生にインタビューしました!

13_にしおあいりさん

|にしおあいりさん
*神戸市外国語大学外国語学部英米学科4年生
*1998年生まれ/岐阜県出身
*大切にしている価値観:やらない後悔はしない、Wake up with determination, go to bed with satisfaction


|自分ってなんだろう。

就活が終わった今だからこそ、「自分ってなんだろう。」と考えるようになりました。就活では、自己PRやガクチカを言う場面があったので、そのために文章を準備していて。

その時は「自分の強みはこうです」と話せていたのですが、就活が終わった今、「自分って結局何者なんだろう」と改めて考えています。

価値観の合わない人と一緒にいたり、そういう人の中だと自分を見失いがちだと感じているからです。これまでも、自分を殺してその場の雰囲気に合わせてしまうことがあったので、私って結局どういう人なんだろうなと。

協調性があって、人の話にニコニコ聞いて頷く自分も好きだけれど、それだけだと自分らしくない。だから本当は、ある程度自分が思っていることも言える両面がある方が一番居心地がいいなと思います。

本当ならそうしたい思いもありながら、実際のところ自分をすり減らしてしまう場面の方が多かった気がします。特に大学入学前は常に勉強していて、人とあまり話さない生徒でした。

でも人に嫌な思いをさせるのが嫌だから、自分は笑って機嫌の良い子みたいに大人しくいよう、そうやって少し繕っていたなと振り返って感じています。

|「明るくなったね」と言われるきっかけ

今の私の性格を形作ったのは、高校生の時、大学受験を意識するようになった時に始まったかもしれません。そして中学生の時には軽くいじめ、というか陰口を言われる時があって。

当時の私は、「私なんて全然ダメだから」とネガティブなことを言いがちでした。周りの子からも陰キャだと思われてて、そういう経験があったからこそ、「とりあえずニコニコしてたら、いい人やろうなって思われるのかな」そう思うようになりました。

その時から、深い繋がりを作って他の人は知らないというよりは、万人と仲良くなりたい。敵を作りたくないからとりあえずニコニコ笑っていようと。

でも、自分も無意識なところがあったかもしれなくて、高校生になって大きな変化として「よく笑うようになったね」と先生や友達から言われるようになりました。言われて、やっぱり嬉しかった。

結局は「めちゃめちゃ明るくしよう!」と思ったわけじゃなく、環境の変化と「今のままの自分じゃ嫌だ」という思いで、だんだんと明るくなれたところもありました。

でも一番性格が変わったのは高校から大学にかけてかなと思います。もっと明るくなったし口数も増えていった上、物事をポジティブに考え自分の意見が言えるようになりました。

|出会う、ボランティアと私の居場所

大学に入学して明るくなれたのは、ボランティアが一番の大きな理由です。入学して1ヶ月後、地域のボランティア団体が大学に集まる説明会に偶然参加したのがボランティアとの出会いです。

それまでは入学して、クラスメイトと1ヶ月ぐらい生活する中で「暗いキャラは出したくないから、明るくいよう」と思って最初は自分を作っていました。

人当たりが良くていつも笑ってて、友達作るのも得意じゃないけど、みんなと仲良くしたいよオーラを出してたのですが、「でもやっぱり違うな」って。結局、自分からグイグイいくタイプじゃなかったから苦しくなってしまいました。

その説明会で話を聞いていたのが、学校から少し電車に乗った場所にある地域で子供の日や夏祭り、ひな祭りなど行事をやっている団体でした。話を聞いて、新しいことをやろうと思って「行きます」とその場で即決。大学1年生の5月にお祭りの運営として、初めてボランティアへ参加しました。

1ヶ月後ぐらいに大学のボランティアコーナーの方から「ボランティアの感想聞かせてください」と連絡が来て、オフィスへ。

ボランティアコーナー(下記、ボラコ)で他の学生スタッフと話をしている中で、すごい雰囲気が明るくて、優しくて、「あ、ここ自分の居場所やな。私っておっていいんや」と思えた瞬間がありました。

そこから学生スタッフになりますってまた即決(笑)その時は私にはここしかないって感じたから。クラスにいた時は自分のこと殺して、居心地悪くて、親しい友達もいないし「嫌やな」って。家帰っても一人やし。となっていたけれど、ボラコに行くと「ここが私らしくいられるかもしれない」そう思えました。

私にとって第2のお家というか、周りの人もボランティアのことや、その人自身についても話すし、私が話してもすごく笑顔で頷いてくれながら、聞いてくれる。彼らの存在があったから、すごい嬉しかったし、心が温まるような場所です。

4回生になった今も学生スタッフとして活動をしています。実際の活動としては、子どもと遊ぶボランティアの運営だったり、お年寄りの方と話したり、ボラコ通信を月ごとに特集を組んで学食前で配布、SNSで広報活動をしています。

ボラコにいるだけで、ボランティア情報がたくさん入ってくるので、個人としてもこれまでたくさんのボランティアに参加してきました。1回生の時から続けているのもありますし、中でもボラコ同様、自分らしくいられる場所として、ボランティア先の「子ども食堂」があります。

|「食」を通して誰かと繋がる喜び

子ども食堂を始めたのは2回生の時。学習支援のボランティアをずっとやっていたのですが、そこでご一緒していた大人の方が子ども食堂を運営されていて、「大学生足りないから、西尾さんどうかな?」と声をかけてもらったのが始まりです。

最初は、子どもたちと遊んだりご飯食べたりするのが楽しそうだなと思い始めました。

初めて行った時、50人くらいの子どもたちが、宿題やったりトランプ出して遊んだり、ドミノやってたり、将棋やってたり…本当に自由にやっている光景を目にしました。

ご飯を食べる時に、テーブルで向き合ってみんなで食べるのがすごくあったかくて。

大学に入ってから、ずっと一人暮らしで朝晩は特に一人で食べてたので、全然知らない子どもと大人と色んな話をしながら、食べる空間が「好きだな」と。本当に楽しいし、ご飯を通して人と繋がれるのがすごい素敵やなって感じました。

子ども食堂では、遊んだりご飯を食べるだけではなくて、畑も持ってたので夏は子どもたちと一緒に収穫もしていました。その時、私の実家にも畑があったので、お父さんお母さんと畑で収穫をしていたのがフラッシュバックして。ただただ楽しくて、あったかいこの場所に「ここは、第二の故郷やな」最初はそう思っていました。

|子ども食堂の居場所を作る役割、を知る

でもボランティアとして関わる中で、主催者の方と話していくうちに、子ども食堂の背景や目的を知ってから、この場所に対してさらに意義を持つようになりました。

子どもの貧困で一般的に言われているのは、子どもの貧困を少しでも減らすために取り組んでいるのが子ども食堂ですが、この地域は食べることに困っている子ども達は少ないのが現状です。

一応食べるものはあるし、学校も行っている。けれど親御さんが共働きや片親だったり、どうしても学童に通わせないといけない環境にいる子どもたちが多い。家に帰っても誰も話す人がいなくて、それなりに心に課題を抱えています。

主催している方は保護司として、青年非行を防ぐ活動をしている方なので、その面から注目をしていました。

小さい頃から誰も話す人がいなくて、寂しい思いをしている子どもが将来非行に走ってしまう傾向がある。高校になってからだと、最悪な場合は殺人に発展するケースも。だからこそ、子どもたちの心の貧困を防ぐためにお話を聞いたり、一緒にご飯を食べたりする居場所を作っているんだよ。

お話しを聞いてから、ここでボランティアをしている私の存在が子どもたちにとって「すごい大事なんやな」と実感しました。

良いことを言ってあげられなくても、自分が隣にいて子どもの話をうんうんって聞いてあげるだけでも、彼らにとっては安心できる場所になる。

「ここにくれば話を聞いてくれる人がいる」「勉強を見てくれる人がいる」そうやって、居場所を作る大事な存在が大学生の私でも作れると思った時から、子ども食堂への思いが「楽しい」から「居場所作りの大切さ」に変化していきました。

何より、私にとっても居場所になっているし、色んなボランティアをやってきた中で、子ども食堂が一番夢中になれる時間でした。2回生の時からなので、かれこれ2年以上通っています。

子ども食堂に来るのは子どもだけではありません。親御さんが来てくれたり、地域のボランティアの方が料理をしてくれたり、食品系の企業さんが社会貢献事業として栄養学の出張授業や食材提供をしてくれます。

こうやって子ども食堂という1つの場を作るために生まれる繋がりもあり、子育てや仕事など私が学ぶことも多いと感じています。主催者の方に運営を通して困っていることも聞いていくうちに社会勉強もできます。

最初は「子どものための食堂やな」と思っていましたが、実際はここにいる全員のため。だから今は、色んな障壁を抜きに「みんなが繋がれるみんなのための場所」が子ども食堂だと思っています。

子ども食堂は結局、自分の想いを話したり、周りのことも考えずに話せる場所。やっぱり子どもたちが一番そうなのかなと思います。例えば、学校にいたら全然話さなくて、教室の隅で本を読む子がここに来るとめちゃくちゃ話しだしたり。ここでは、自分の思っていることを言い出しやすい。

子どもたちがここまで伸び伸びといられるのも、自由な雰囲気があるからです。危険なこと、人を傷つけることはダメだけれど、誰かが勉強してようが遊んでようが自由。子どもが好きに走り回ったり、なんでも自由にできるような空間を作ろうというコンセプトでやっていることもあり、子ども自身も羽を伸ばせるんだと思います。

あとは親御さんの目もないのも理由の1つかな、と。普段親がクタクタに疲れて帰ってきて、子どもたちは「今日こんなことがあったよ!」って話してもちょっと冷たい態度取られたり、うるさいって言われたりしてる子もいるので、子ども食堂では、開放的になれるんかなと。

「食堂」という役割だけじゃないから、そういうところが深いし、私自身がここで活動し続ける魅力だと感じています。

|食の観点から「地球に優しい」を始めたヴィーガン生活

大学に入ってから。新しい世界に飛び込むきっかけになっている即決力は、今までじゃ全然考えられないです。中高までは世界も狭くて、勉強して良い成績とって先生にも褒められたらそれでいいやの世界で生きていました。

でも大学に来たら、今しかできないことを全力でやりたい気持ちがどこかにあって。1回生の時にも、「今いけるっていう状態があるんやったら、今しかできんことやからやろう」と思い留学も即決しました。ボランティアも働き出したらできないし、今しかできんからやろう、そういう想いがあったかもしれません。

このコロナ期間で、今しかできないことで始めたのがヴィーガン生活です。

コロナの自粛期間になってから、色々情報収集をしていくうちに、環境について知るだけではなくて行動に起こしたいと思っていました。ヴィーガンになろうと思ったのも、フードロスに対して社会に発信している私の友達の姿を見て、「私も具体的に行動したい」と思ったのがきっかけです。

元々「食」に興味があったので、その観点から地球にいいことしたいと思って行き着いたのがヴィーガンでした。

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実際に、にしおさんが作ったヴィーガン料理「ヴィーガン三色弁当」

実際にヴィーガンをやってみて、自分に合っていました。以前から野菜や豆が好きだったけど、卵や肉も日々の食事に取り入れてたし、お腹がいっぱいになるのも、それがあってこそって思ってたから最初はそれをなしにしたらどうなるんやろうと思っていました。

でも今ままで「取り過ぎたら太っちゃうし」と取るのを避けていた炭水化物を、ヴィーガンになったことでめいいっぱいたくさん食べれるようになったんです。

野菜と豆にした代わりに、「今まで我慢していたものを食べれるんや。食べてもいいんや。」と思ったら気持ちが楽になりました。以前は拒食なところもあったので、排除してきたご飯を食べれる喜びがあった。

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作ったヴィーガン料理「ひよこ豆とヒジキの煮物&雑穀ごはんのランチボウル」

ただ、栄養失調を心配していました。「ヴィーガンが理由で、栄養失調になった」記事を読んで心配だったので、栄養学も自分で調べて学ぶことに。どういう食材を食べれば何の栄養を摂取できるのか、実際にヴィーガンの人の記事を読んで、食材を取り寄せたりしています。

最近は、Instagramで色々調べてたらヴィーガンコミュニティを見つけて、日本でもヴィーガンがたくさんいることに気づけました。YouTuberでも何人もいるし、そういう人の食生活をみて「こんなにあるんや」と思って。

クックパッドのヴィーガン版のようなサイト「ブイクック」があって、そこには1000以上のレシピが載っています。


ヴィーガンは知れば知るほど、世界が広がっていくので、今も楽しく続けています。

|自分らしさって結局なんだろう?

子ども食堂とヴィーガンには共通点が2つあります。1つは、食べることで幸せになること。子ども食堂も楽しくお腹いっぱいになる面があって、ヴィーガンも自分に合ってたからこそ、毎回食べるのが楽しい。

もう1つは、「この時の自分、私やな。」と自分らしさを感じられる瞬間であること。子ども食堂にいる時に感じる自分らしさと、ヴィーガンをやっている時の自分らしさ。自分のやりたいこと、食を通して地球環境にいいことをしている意識や、「これこそが私に向いてることやな」って自分らしさがどっちもあると思います。

子ども食堂もヴィーガンも、出会ったことで自分の人生が明るくなりました。

人のために一生懸命になれたり、何かのためにコツコツ努力して、やっていくのがが自分らしいんかな。ボランティアも、私が行くと喜んでくれる人がいて、それも一回行って終わりじゃなくて何年も続けてコツコツやるところ。

食生活のヴィーガンにしても「しんどいからやめよう」じゃなくて、ちょっとずつ色々調べて行って、自分なりの方法を見つけて、「これやな」っていうのを見つけていく。

少しずつの積み重ねで自分なりの方法を見つけていくことで、自分を殺さずに相手に何を言われようともどんな顔をされようとも、ある程度は私が「こうや」って思うものを持っていられる状態です。

|私の10年後ありたい姿

今も「自分ってなんやろ」とぐるぐるしている部分があるので、これこそが私の生き方!だと、自信を持ちながら生きていける女性でありたいと思っています。

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また、将来やりたいこととしては、自分の子ども食堂を作りたい。子ども食堂じゃなくても、何かしらの居場所を作りたいです。自分自身の居場所でもあり他の人の居場所にもなれる。その人がその人らしくいられるような、ほっこりした場。

将来自分の周りには、自分の価値観と合う人がいて、同じように居場所を作りたいと思っている人、明るく私を支えてくれる人、一緒に野心的に頑張れる人。そういう友達が自分の周りにいてくれたらいいなと思います。


【女子大生質問バトン】馬瀨カンナさんからの質問📢

−目先の問題を解決することと、長期的な視野を持って行動すること調節がすごく難しいです!何か意識していることはありますか?

ヴィーガンに関して言うと、家畜が与えている影響が環境を破壊していくのがあって、それは私一人が一日ヴィーガンになったとしても変わるわけではない。だけど、1つのことがすごく小さくてもそれをコツコツ続けて行ったら、絶対に達成できると思っています。少しずつでもいいからやっていって、いつかは達成できると信じて行動しています。

インタビュー/編集
HATACHI Community かなつなななみ



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