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デジタルを売る店舗

こんにちは、コーイチです。
 近年増加しつつあるNFTやメタバースを販売している実店舗が、小売店のあり方を大きく覆す流れの一環になるかもしれません。
今回は、このような実店舗事例を見ていき、今後もこのような店舗が増えていくのか考えていきたいと思います。

1. Fred Segal Artcade

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                    (出典:apparelnews.netより)

 「Fred Segal」は、アメリカを代表する輸入及びオリジナルの衣料品や雑貨を販売するライフスタイル提案型のセレクトショップで、代官山に海外1号店もあります。
 2021年12月、トレンドの先駆けで、世界のファッションエリートを虜にする独自の美学で知られるロサンゼルス、サンセット大通りの超シックなショップ「Fred Segal」が、メディア・テクノロジーの持株会社である「Subnation」とのコラボレーションにより、 旗艦店内に「Artcade」をオープンし、買い物客に比類ないメタバース体験を提供するダイナミックなスタジオとなりました。

 「Fred Segal」は、ファッションのステージに「LAクール」をもたらすだけでなく、ダイニング、ライブミュージック、カスタマイズイベントなどの店内体験に関しても、常に水準を高めていることで知られています。 
 この卓越した体験型アクティビティによって、従来の小売業界をメタバースの世界へと誘い、最先端の技術を研ぎ澄ませました。
この革新的なコンセプトは、ゲーム文化の高まりとデジタルライフスタイルへの感謝を称えるもので、インタラクティブな空間は、Web3テクノロジー、デジタルメディア、そして "ハイプカルチャー "のエキサイティングな合流点となっています。

 「Artcade」は、クリエイティビティ、スタイル、テクノロジーを融合させ、キュレーションされたアート、限定アパレル、コレクターズグッズなど、さまざまな商品を提供します。  
 店内には、アーケードゲームにインスパイアされた古いおもちゃやガジェット、ゲーム用ハードウェア、デジタルスキンやNFTなどのバーチャルグッズなど、誰もが欲しがる貴重なアイテムが用意されています。
 また、「VIZIO」が運営するNFTギャラリーでは、CryptoPunksやBAYCなどのコレクションの作品が展示され、購入することができます。
 このギャラリーでは、新しいキュレーションによるコレクションも展示され、デジタル空間で爆発的に成長しているクリエイティブな才能に対する物理的なオマージュとして機能しています。 
 「Artcade」では、NFTと現物の18Kゴールドジュエリーを融合させたスタイリッシュなパイオニアとして話題のブランド、Metagoldenのジュエリーも提供しています。
 「Artcade」の製品はすべて、店頭またはオンラインで暗号通貨を介して購入することができるだけでなく、NFTの展示、音楽演奏、スニーカーのカスタマイズ教室、ARトランクショーなどのイベントを毎月開催し、メタバースに集うクリエイターのコミュニティと直接つながる方法を提供します。 
 また、デュアルゲーミングバトルステーションや最新鋭のポッドキャスト機器を備えたストリーミングスタジオも設置される予定となっており、「Fred Segal」の特別なイベントやプログラミングに合わせて、季節ごとのドロップや製品のローンチを提供しています。  

2.Selfridges Paco Rabanne Pop up

                (出典:Hannah Ricketts youtubeより)

 イギリスの高級百貨店チェーンの「Selfridges」は、ロンドンのオックスフォード・ストリート店でNFTとデジタルファッションの販売を計画しており、デジタルグッズを現実のショッピングに持ち込み、ファッションにおけるアクセス可能性を広げようとしています。
 仮想世界と物理世界の融合は、Victor Vasarelyのアートワークと、Vasarelyの作品からインスピレーションを得たデザイナーブランド「Paco Rabanne」の新しい物理的作品を展示するポップアップの一環として開始されます。

 NFTは、店頭のデジタルスクリーンから従来のクレジットカードで購入できます。
 一部の「Paco Rabanne」NFTは物理的な対応商品とともに販売され、デジタル版は複数の仮想プラットフォームで着用できるようになっています。
 また、一部の作品は、1960年代のアーカイブデザインで、生産されることのなかったバージョンとなり、それにより集められた資金は、エクサンプロバンスのヴァザルリ財団に寄付され、ヴァザルリ作品の保存と修復を行なうものに使われます。

 「Selfridges」の店内ポップアップは、NFTを購入することを、店舗で服を買うのと同じくらい身近に感じてもらえるようにデザインされています。
 ほとんどのNFTの購入は、特定のオークションサイトやマーケットプレイスへの登録と暗号通貨が必要となり、購入には、ひと手間が必要となるため、このような購入方法にすることで、身近なものになっていくかと思われます。

3. NFT自動販売機

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                   (出典:Courtesy of Neonより)

 デジタルアート収集プラットフォーム「Neon」は、オンラインアート作品をソーダやキャンディバーのように簡単に入手できるようにすることを目指し、ニューヨークで初の対面式非金融性トークン(NFT)自動販売機を立ち上げました。
 この自動販売機は、ロウワーマンハッタンの金融街にある小さな店舗で、外に「NFT ATM」という看板が出ています。
 見た目は従来の自動販売機ですが、小さな紙箱に入った伝票にQRコードが記載されており、QRコードを読み取ると、スマートフォン、ノートパソコン、タブレット端末で作品を見ることができます。
 コードは、カラーとハトの絵の2つのカテゴリーのデジタルアート作品につながっていおり、価格は5.99ドルから420.69ドルまでと幅広い価格となっています。
 自動販売機で販売されるアート作品は、カーボンニュートラルな取引を保証するソラナブロックチェーンに依存しています。
 また、デジタルアートは暗号通貨で提供されることがほとんどですが、Neonの自動販売機は紙幣を受け入れることができ、クレジットカードを使って購入することができます。

 「Neon」のCEOであるザピテル氏は、この自動販売機のターゲット顧客について、「暗号に興味がある人、暗号通貨を買おうとした人、NFTを買うことに興味があった人、でもあまりにも多くの障壁にぶつかった人たちです」と述べており、「NFTのコレクターとして、時間が経つにつれて、"どれを手に入れるか "というランダム性が好きになるもので、それが楽しみでもあります。」と、彼は言います。

 「Neon」は、今後、ショッピングモールやその他の公共スペースでより多くの自動販売機を展開することを望んでいるといいます。

4. DiGARO

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                      (出典:digaro-artsより)

 2021年6月、アートプロジェクトチーム「ArtHub.jp」を運営する「ラフロワ」が、日本初のデジタルアート専門の店舗型ギャラリー「DiGARO」を有楽町マルイ7階に出店しました。
 「DiGARO」のパートナー企業として、トークンを活用したデジタルマーケティング事業を展開する「canow」が参画しています。
 「DiGARO」の店舗面積は約50平方メートルで、マネタイズできる仕組みが整っていないデジタルアートの分野において、作品を発表できる場を創り、還元できるシステムを作ることで、より多くのアーティストが継続的に活躍できる土壌を作っていくといいます。
 ギャラリーではデジタルアーティストたちの作品をプリントして販売するほか、QRコードを通してスマートフォンで作品を鑑賞できるオンライン展示やAR展示を行っています。
 「ラフロワ」と「canow」の両社は今後、NFTマーケットプレイス構築のためのサービス開発を進め、ブロックチェーンをベースとしたデジタルアートの流通市場の形成を目指しています。

5.楽座NFTマーケットプレイス・ギャラリー
  ラボTOKYO

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                 (出典:xtrend.nikkei.comより)

    (出典:楽座 RAKUZA NFT GALLERY LABO TOKYO youtubeより)

 RAKUICHI株式会社は、2021年11月、「楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYO」を有楽町マルイ7Fにグランドオープンしました。
 「楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYO」は、日本のアニメ業界の技術的な変遷により、新たに作られることのなくなった「セル画」の所有権NFTに特化した日本産のマーケットプレイスとなります。
 「楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYO」では、アニメのセル画や原画などの現物を常設展示し、「リアルでNFTアイテムを確認し、デジタル上で購入する」というリアルとデジタルを融合させた新たなNFT購入体験を提供しています。
 この取り組みは日本初となり、展示されているNFTアイテムは全て楽座マーケットプレイス内で購入することが出来ます。
 百貨店で売られている鑑定書や認定書のついたセル画や原画などの現物作品を所有する権利をNFT化しているのが特徴で、NFT所有者がNFTを無効化(BURN)すると、現物のセル画や原画を所有者に配送する仕組みとなっています。
 ギャラリーで販売はしておらず、セル画を見て、購入する場合は楽座にアクセスし、購入することとなります。

 日本のアニメが世界的に評価される中、アニメの制作の副産物であるセル画や原画が美術的にも広く認められるようになり、世界中のオークションで現物の取引価格が急騰しています。
 楽座では、鑑定書や認定書のついたセル画や原画等の現物作品を適切に管理・保存し、さらにブロックチェーンによって所有権をNFT化することで、資産価値を有する存在として強固なものにし、世界中でセル画や原画等の価値のやり取りを可能にしています。
 このようにNFTと現物資産を組み合わせた価値のあり方を提案する楽座プロジェクトは、暗号資産のシーンにおいても世界初の画期的な試みであり、プロジェクト最大の特徴であるため非常に注目されています。

6. 最後に

             (出典:Bloomberg Quicktake youtubeより)

 ピエール・バルマン、ドルチェ&ガッバーナ、アディダス、クリニークなどのブランドは、より複雑なNFTプロジェクトを発表し始め、ロイヤルティプログラムとの連携や、VIP特典の提供、実際の対応商品へのアクセスなど、さまざまなアプローチを行っています。
 NFTの用途が広がるにつれ、ブランドはますますデジタルとフィジカルを融合させるようになってきています。
 NFTの物理的な店頭展示は、「NFTがどのようなものかを来店者に知ってもらうための教育手段」とも言われています。

また、米小売り最大手のウォルマートはメタバースで顧客に仮想商品を販売するビジネスに備えて、独自の仮想通貨と複数種の非代替性トークン(NFT)の発行を準備しているようです。

 NFTはここまで急速に発展し、様々な事例を残してきましたが、まだまだ成長途中であるという見方が強いものでもあります。
しかし、今後もこのような実店舗での取り組みは増えていくかと思います。
 今後より一層、NFTがより身近なものとなりえるのか、これからも見ていきたいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。          
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KOH
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