あさぎり夕 BLの始まり展+吉本ばなな『小説家としての生き方100箇条』
あさぎり夕 BLの始まり 展
BL創作のお友達と、明治大学に行ってきました。
あさぎり先生と言えば「なな色マジック」などの少女漫画家という印象が強く、「そう言えば後年BLも書いてたんでしょ?」と知識はあったものの、私自身が商業BLをガッツリ読み込み始めたのが比較的最近ということもあり、BLジャンルでのご活躍は恥ずかしながら存じておりませんでした。
この企画展の最大の見どころは、あさぎり先生のデビュー前の公募原稿と、編集部からのアツいお手紙です。(講評用紙の裏までびっしり手書きで!!)※撮影禁止だったため画像はありません。
一階では、商業少女漫画家・BL小説家として書いたイラストの他、投稿時代の生原稿・生講評の展示。二階では少女漫画・BL小説の実際の単行本を手に取って読むことができるのですが(※一階は入場無料、二階は有料)BL小説のほうが少女漫画より多いんですよ。知らなかった……。ちるちるで検索したら、BLの作品数、170冊くらいあるそうです。その付近にいらっしゃる作家の方々って、もう、私のような投稿者からしてみれば神々の領域ですよ……。
デビュー前からBLに対して熱い想いを抱き、ずっとBL漫画を投稿するも、編集部からは、それじゃ売れない、作家意識がないと厳しく指摘され、まずはデビューするために絵柄もお話の内容も大幅に変えています。
こんな有名作家さんですら、やはりデビュー前の投稿初期は、先行するプロの先輩作家の影響を受け、模倣から入るのかという点も興味深かったですし、編集者さんからの「這い上がってこい」「次は金賞だ、ライバル数百人を蹴落としてこい」という激励に、なにくそと発奮して応えた様子に胸が熱くなりました。
BL小説家になった後は、初期はご自身でカバーや挿絵も描かれていますが、次第に他のイラストレーターさんにお任せするようになったようです。
コピー本や、商業本のあとがきには泣けました。やっぱりここまで突き抜ける方には強い思い入れ・パッションがあるんだなあ、描かずにはいられないものがあったんだなあと。
この日買った本:吉本ばなな「小説家としての生き方100箇条」
人として真っ当な生き方をしてないと「文章が曇る」
余計なこと考えたり言ったりする暇があったらとにかく書く
あらゆる物事は小説に昇華する
小説を書くと言うのは、分厚い皮を何枚も重ねて縫うような複雑な作業で重労働。だからそれ以外の人生はシンプルにし、嘘や秘密は抱えない。5人愛人作ったりしない。愛人作るなら配偶者にぶっちゃける。
誰からも必要とされていない(ニーズのない)小説は書かない。だが、「ニーズに合わせて書かない」。
転んでもタダでは起きない。落ち込んでも被害者にはならない。被害者には簡単になれる。
地獄を見たことがない人は天国も見られない。地獄の中にいると思う時はそう思おう。
私は、吉本ばなな先生の『デッドエンドの思い出』が大好きです。(今は文庫があるけど、私が『デッドエンド』を買った時は単行本しかなかった。手元にあるので見てみたら初版だった。どんだけ好きなんだ)
食べることとか、そういう日々の生活のことをきちんとしている登場人物が出てくるから、なんていうか地に足が付いて読める。心の中の綺麗な場所を大切にしている感じのお話です。吉本先生ご自身も『デッドエンド』が一番好きで、これが書けたから小説家になってよかった、と、あとがきで仰っていたので、ああ、こういうお話を書く小説家さんが好きだし、それを好きだとご本人が仰ってるのが素敵と。小説から伝わってくる、吉本ばななの価値観と、「100箇条」は、整合が取れているように私は感じました(もちろん人間だから完璧に整合はしてないんだろうけど)。「ああいう小説を書いて、それが好きだと言う人は、こういう考え方をするだろうなあ」と、納得感がありました。
その他のアクティビティ
以下は、昨日の日記・メモです。
お食事・お買い物
せっかくなので、この日は御茶ノ水満喫しました。
まずは、有名画材店「レモン画翠」でお買い物。童話・文芸作品モチーフのマスキングテープとか、文芸女子の胸を鷲掴みですね。きれいな和紙のレターセットとか付箋とか、画材もたくさん…!(私は逆の意味で「画伯」なので画材は買わなかったけど…)
そして、系列のレストラン「トラットリアレモン」でパスタランチ。
帰りがけにはお茶してトークして、そして丸善で本を買いました。
明治大学博物館
明治大学には、犯罪にまつわる展示があるんですね。これまた創作のネタになりそうだから、せっかくなら見ようじゃないかと。アカデミーコモンの地下2階。
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