NEW TRIBE/a flood of circle

気まぐれオールタイムベストアルバム紹介#1

彼らの略称が「フラッド」なのか「afoc」なのか、未だによくわかっておりません。最近はフラッド派です。それはさておき。


発売は2017年初頭、ああこれは僕が就活にも卒業関係にも何もかもうまく行ってなかった時期ですね。そう言う時に沁みるいいバンドのいい曲ですね。


やはりロックンロール、とりわけブルースというものは心の傷の一つや二つある人間なら、聴くだけでもう傷口に塩を塗り込むようなもので本当にヒリヒリしながらも何か心が満たされるような不思議な感覚になります。書いてて気づいたけど多分自傷行為に近い。

でも実際、例えば[Champagne]と鎬を削っていた時代から考えれば、やはり「俺たちはこんなもんじゃない」と言うものはバンドの態度として出てきて然るべきだと思うし、そういう感情を吐露していただいても全然構わない、むしろ好物ですもので!みたいな感想は持っています。


しゃがれ声に歪んだ爆音のギター、ある種それだけでミッシェルガンエレファント御大のイメージを想起させつつも、実は高速BPM&後に隆盛を極める四つ打ちダンスロックみたいな踊れるビートの組み合わせが、どこか新しくもカッコいいバンドであった。

が故に、「I LOVE YOU」あたりはどうも「雰囲気が変わってしまった」的な言動が某匿名掲示板には多数あってそれを当時読んでよく覚えていました。もっとオールドスタイルで硬派なものが聴きたいんだ、的な。


で、言うても様々良い曲は出し続けましたけれども、やはりこの「NEW TRIBE」は、もともとあったブルースやガレージロックに、踊れるビートや「El Dorado」でのラップのような歌詞の手数の多さなど本来なかったものを取り入れて、世界中見渡しても下手したらフラッドだけの音楽を見事鳴らし切ったんじゃないかなと、今改めて思います。

しかもそのエッセンスは後に佐々木亮介のソロ音源に遺憾なく発揮されており、あっこっちが実は本質的な音楽性なんだ、と思ったりもしました。



余談ですけどこの時期にまたフラッドのライブ軒並み良くて、例えばHISAYO姐さんがライブに遅刻ギリギリで入ってきた時の「ね…姐さんが…降臨した…」感たるや未だに覚えてます。

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