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本とコーヒーと社会人デビューの街<神保町>
といっても格好のいい話ではなく、18歳のゴロー青年がポンコツ営業マンとしてデビューし、上司や先輩やお客様や仕入れ先メーカーにしょっ中怒られては「サボっていた街」が神保町でありました。
千葉県の工業高校を卒業した僕は大手メーカーの一次問屋に就職しました。その会社の主たる事業は「大規模上下水道設備開発」でした。
しかし高校時代の成績が悪くて電気工事の資格も全滅だった僕は「開発」「設計」「工事」の部門からは「不要」の烙印を押され「まあペラペラおしゃべりだし営業でもやらしとけ!」とその会社の商事部小型機器課に配属されたのです。
設計工事部門の横の繋がりで紹介を受けた会社に小型のポンプやエアコンを販売する業務です。しかし当時はハラスメントの「ハの字」もなく「向いてないと分かればすぐ辞めるだろ」とハッキリ言われるほど荒っぽい雇われかたでした。僕はもちろん、入社しても不向きで辞めていく人数を見越して採用された人員です。
そんなのが垣間見えるエピソードとして、新卒営業マンが重要な商談の席に呼ばれないのは当たり前。その時は駐車禁止の切符が切られないように取引先の近くに停めた社用車待機でした。たまに上司から「これ頼むわ!」と声が掛かるのは、出来レース(受注先既決案件)の公共工事の現場説明会だったり、クレーム対応だったりと、泣きたくなるような理不尽な仕事ばかり。
不貞腐れて仕事をしてれば、良くないことが降りかかるのが世の常で、自らの不注意で失敗してはお客様やメーカーさんの担当者に大きな声を出されたり、会社に帰ってからも上司や経理部の管理職に厳しい言葉を浴びせられたりと散々な毎日で。
そんなゴロー青年を慰めてくれたのが「本とコーヒー」だったのです。「今に見てろよ!」と最先端のビジネス書を買っては、ドトールコーヒーで読むのが習慣になってました。財布の中身が少し温まっていると共栄堂でカレーを食べて、書泉グランデの角を曲がったところにある「神田ブラジル」に行くのがお気に入りのコースでした。そして会社に帰りたくない、喫茶店で長いを決め込んでた時は「景山民夫先生」「椎名誠先生」「北方謙三先生」「山崎豊子先生」の小説を読んでましたね。
そして僕が担当していた水道橋〜神保町の営業エリアのランドマークといえる大きなビルと、圧倒的豊富な書籍の品揃えを誇ったのが「三省堂書店 本店」でした。「XXさんに見積書出しに行ってきまーす」と出かけては、6階建ての三省堂本店で書籍を眺めるのがとても楽しみでした。
そして営業に出なかったある日の昼休み、三省堂書店のカバーをかけた本を読んでいると協力会社の社長から「ゴロー君、三省堂の意味を知っているかい?」と話しかけられ、名付けの由来を知らなかった僕は百科事典で調べました。すると、
吾れ 日に三たび 吾が身を 省みる。
人の為に 謀りて 忠ならざるか、
朋友と 交わりて 信ならざるか、
習わざるを 伝うるか。
三省堂書店の創業者 亀井忠一さんが「1日に3回、我が身を振り返る」この論語の言葉を屋号に命名したとありました。その時はピンと来なかったんですけど、歳を取るにつれその意味の大事さが分かってきた。反省とともに生きないといけないなー。ついつい「イラッ」としがちな僕は日々自分の身を振り返るのが大事だなと思っていました。
そしてつい先日、大江静芳先生の毛筆講習に参加して「色紙に文字を筆で書く」とのミッションを課せられたとき「どんな言葉を書くべか?」とお手本のテキストを読んでいると「三省」との文字が目に飛び込んできた。
「よっしゃこれだ!」と。
そして書いたのが超お粗末なこの色紙です。
![](https://assets.st-note.com/img/1738460742-hb9OtdTWi67nfjAHkqlCeLGp.jpg?width=1200)
何十年ぶりで筆を手にしたらこんなもんでしょ。作品と呼ぶには身の程知らずな感じですね。お習字の上達度はこれからにご期待ください。
そして最後にもう一つ。色紙のココに注目!
![](https://assets.st-note.com/img/1738461129-VL5GfZDPBaE148OWnjTUlKQC.jpg?width=1200)
大江静芳先生から書道の「号」は自由に名乗っていいと聞いたので、号を「静照」としました。静芳先生の「静」と天台宗 開祖の最澄の言葉「一隅を照らす」からそれぞれ1文字ずついただきました。そしてこんなに愚かなる人間(僕)でも「一隅を照らしたい」との願いを込めております。
しかし篆刻印まで勢いで作っちゃうとは。。。我ながら早くも書道家気取りとはなんとも超超超気の早い話ですね(笑
それではオチがついたようですので、今日はここまでにしましょう。
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