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座って考えた

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名作といわれる椅子が、なぜそう呼ばれるまでになったのか、実際に座って考えてみました。
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#名作椅子

【名作椅子】vol.7 UP5&6

【名作椅子】vol.7 UP5&6

こんにちは、蓮実です。

皆さんは「アートとデザインの違い」について考えたことはありますか?

私は「アートは問いかけ、デザインは解答」だと考えています。
その定義でいえば今回ご紹介する椅子は、アート作品かもしれません。

椅子の名前は「UP5」。球体のオットマンは「UP6」。
発表当時はドンナの通称でよばれていました。
ドンナとはイタリア語で「貴婦人」を意味します。

作者はイタリア人の建築家で

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【名作椅子】vol.6 Pirkka Chair

【名作椅子】vol.6 Pirkka Chair

こんにちは、蓮実です。

今回ご紹介するのは、唯一無二の脚を持った
【ピルッカチェア】です。
調べても多くの謎が残ったミステリアスな一脚と
なっています。

1.独特の構造
椅子は、一般的に⑴前脚・⑵後ろ脚・⑶座面・
⑷幕板・⑸貫・⑹背板・⑺幕板、種類によっては
⑻アームによって構成されています。
これが基本のカタチなので、部材や細部の形状は
違っていても構成はほぼ同じになるもの。
そう思っていま

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【名作椅子】 vol.4 アーガイルチェア

【名作椅子】 vol.4 アーガイルチェア

こんにちは、ハスミです。
ドタバタした日が続き、2ヶ月ぶりの投稿になりました。
危うく三日坊主で終わるところでした。
この三日坊主という美しい日本語は、修行に耐えられずに
小坊主が三日で修行から逃げ帰ったことに由来するのだとか。
この由来を知り、「私は修行と思っているから続かないのか」と、
目から鱗が落ちた気分です。楽しんで続けたれたらいいなと思います。
 
今回はアーガイルという椅子をご紹介しま

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【名作椅子】 vol.3 イームズ エレファント

【名作椅子】 vol.3 イームズ エレファント

こんにちは、ハスミです。
 
今回は【Eames Elephan】をご紹介します。
 
このスツールは、アメリカのミッドセンチュリーを代表するチャールズとレイの
イームズ夫妻によって設計をされました。
夫妻は1940年代初頭から開発を進めていた整形合板の技術を使い、
当時戦後だったアメリカで、負傷兵のための添え木を開発しました。
エレファントスツールはこの整形合板の技術を応用して、
当時14歳だっ

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【名作椅子の背景】 vol.2 シェルチェア

【名作椅子の背景】 vol.2 シェルチェア

こんにちは、ハスミです。
 
今回は日本人デザイナー柳宗理による「シェルチェア」を紹介していきます。
 
シェルチェアといえばアメリカのイームズ夫妻が有名ですが、
実は日本にも同じように呼ばれている椅子が存在します。
正式名は「T-3036SP-ST」といいます。
1999年に天童木工から発売されました。
 
天童木工は山形県天童市に本社をおく家具メーカーで、
その成形合板の高い技術は国内だけでな

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【名作椅子の背景】 vol.1 J6

【名作椅子の背景】 vol.1 J6

こんにちは、ハスミです。

今回J6という椅子についてまとめました。
お付き合いいただけたら嬉しいです。

この椅子は、1944年にデンマークの
FDBモブラー社から発表されました。
設計したのはボーエ・モーエンセン。

彼は、「デンマーク近代家具の父」と言われる
コーア・クリントの弟子であり、古典を参考にする
「リデザイン」という手法を学びました。

このJ6も、イギリスで誕生したウィンザーチェ

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