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【東大英語】不要語指摘問題はめちゃくちゃ面白い。

最近東大の問題をちょこちょこやってるんですが、どれも問題の質がすごく高いように感じます。長文問題なども面白いのでぜひ挑戦してみて欲しいのですが、僕のオススメは不要語を指摘する問題です。他の大学でもこうした問題はもちろんあるのですが、東大の問題は割と基礎的な文法知識ばかりが対象となるのが面白いところ。関係詞の使い方や文脈上の過不足、基本的な文構造など、高校生までの基本的な学習で説明できてしまいます。

とは言ってもやはりちょっぴり頭を使う。それがまた良いんです。

前置きが長くなりました。せっかくなので一題、紹介します。

問題

2005年大問4A(4) 文法上取り除かなければならない一語を指摘せよ。
In the early years of the 21st century the trend toward the *unisex look had reached so advanced from a state that it was almost impossible to distinguish males and females unless they were completely unclothed.

*unisex:男女別のない

解説風の独り言

※早く答えを見たい人はスクロールしていってください

「21世期の初頭には、」と文が始まります。”look”には名詞で「態度、ものの見方」という意味がありますので”unisex look”は「男女を区別しない見方」くらいに考えておきましょう。

しばらくは問題なさそう……。と読み進めていくと、”so advanced from a state that it was”あたりからわけわかめになります。とりあえず落ち着いて分析します。まず、この”it”はto distinguish 以下を受けている it is C to V の形です。(distinguish:見分ける、区別する)

unlessは「しない限り」の意。 このあたりも問題なさそうです。となると、次に”that”がやってきます。さあ、この”that”はなんの”that”でしょうか?

直前に名詞”state”があるのでそれを修飾する関係代名詞か?、としてしまうと間違いです。先ほど確認した通りthat以下はit is C to Vで「完結」してしまっているのでいわゆる完全文です。関係代名詞that の後ろはthat節で修飾する名詞が欠落した「不完全文」ですから、このthatは関係代名詞ではありません。

後ろを確認してうまくいかなかったので、ひとまず前に戻ってみましょう。すると、”so advanced”という部分があります。もうお気づきでしょうか。

この”that”は”so”と結ばれたso that 構文だったのです。以前リーディング問題を友人に出したところ、気づいて欲しいso that 構文になかなか気づいてくれませんでした。so that の間が長めに開いてしまうと構文が見抜きにくくなってしまうようです。

In the early years of the 21st century the trend toward the unisex look had reached so advanced from a state that it was almost impossible to distinguish males and females unless they were completely unclothed.

まだ問題は解けていません。

“so”以下の部分を見ていくと、”so advanced from a state”とありますから、これをどう直せば「とても〇〇なのでthat以下」が成立するか考えます。”so”の直前は”reached”。つまり、”reaches a state”というふうに目的語が来てくれればバッチリです。

よって、”form”を消去して”reached so advanced a state”にすれば意味が通りそうです。”so”は 「so+形+a+名詞」という形をとります。これも要確認。



解答

''from''



さて、先ほどの問題は正解できたでしょうか?

僕自身も同じ形式の問題を作ってみましたので、(東大英語よりは簡単ですから、)先ほど間違えた方はリベンジに、正解だった方は仕上げに、ぜひ挑戦してみてください。


問題

Our species have experienced amazing changes for these several years. Then, What brought about this? In my view what we recently did away with it seem to have caused them.

簡単な解説からの解答

Our species:人類

these several years:ここ数年

bring about:引き起こす

in one’s view:oneの見解としては

do away with:廃止する

them=amazing changes

実は先ほどの問題と同じ手法で作っています。

つまり、関係代名詞以下が不完全文になっていないことに気付けるか、ということです。”what”が出てくるのでこれ以下をカタマリで捉えると、おかしな部分があるわけです。”what we recently did away with it“。もうお分かりですね。答えは”it”です。”do away with”の目的語はwhatに置き換えられているので欠落するはずです。これが分からなくても、この”it”何を指してんねん!って考えられれば、ほかの名詞がすべて複数形であることからこの”it”こそが不要語だと気づけるかもしれません。

ちなみに、”bring about”は僕自身が間違えた経験があったので入れてみました。「”bring about”ってなってるけど”bring”だけでいけんじゃね?」というふうに考えて”about”を不要だと思った、なんて人がいたら作問者としては嬉しいのですが……。


さて、いかがだったでしょうか。

機会があれば、また英語系で記事を書いていこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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