新卒スタートアップ出身者からみるGaudiyのユニークすぎる強みと弱み
こんにちは!Gaudiyでエンジニア兼スクラムマスターleadをしているhaseyan(@hassey_11)です。「春の入社エントリまつり」という企画でこの記事を書いています。
Gaudiy のリアルを知っていただきたいと思い、入社してから感じたユニークなカルチャーや強みと、これから解決していくべき弱みの両方を赤裸々に書いてみます。Gaudiy に興味ある人はもちろん、これからスタートアップへの転職を検討する誰かの参考になれば幸いです。
Gaudiyに入社する前のキャリア
私のキャリアは、大学院を中退して入社した、Vertical SaaS のスタートアップから始まります。
元々、学生時代から所謂メガベンチャーと呼ばれるような企業でインターンをしていたのですが、その中でも建築業界の Vertical SaaS 事業に携わった頃の経験から、SaaSという顧客本位のビジネスモデルの美しさと Vertical に特化したプロダクト開発のやりがいを強く感じていました。
こうした経験から、将来的に自分も Vertical SaaS 事業をつくっていきたいとぼんやりと思っていたところに出会ったのが、当時まだ数名しかいなかった飲食領域の toB Vertical SaaS のスタートアップでした。代表をはじめとするメンバーにも惹かれ、大学院を中退して入社する意思決定をしました。
創業期だったこともあり、本当に多くの経験をさせていただきました。オフィスにダンボールを敷いて連泊して働いたり、サービス導入店舗に連日終日通い不具合が出たら現場でデバッグするみたいなハードな(w)経験から、死ぬ気で作り上げたプロダクトが色々な事情で顧客のもとに届かず苦い思いをするなど、今でも忘れられないことばかりです。当時のメンバーには心から感謝しています。
ただ、Vertical SaaS というモデルの性質上、企業価値を高めるためには基本的にはとにかく ARR を伸ばし続けることが重要です。そのためには顧客数を増やしていくことに加えて、マルチプロダクト戦略などによるアップセルやクロスセル、もしくは決済など手数料型の戦略をとってスケールを狙っていく必要があります。会社を問わず、この形で勝ち抜くためには、深い業界理解は欠かせません。
そのような状況下で情けない話ですが、当時の自分の状況やモチベーションマネジメントなどのスキルでは、事業が拡大していくにつれて、その業界に対する興味と熱量を高く維持することが難しいなと感じる瞬間が何度か起こり、転職に至りました。
在籍期間で、売上ほぼゼロ〜ARR1億円、従業員数名〜数十名程度までのフェーズを経験させていただき、同じく Vertical SaaS の他領域のスタートアップを経て、Gaudiyに転職しました。
ここからは、学生時代のインターンや新卒からガッツリ体感してきたスタートアップでの経験と、Gaudiyを比較した際に感じたことをお伝えできればと思います。
Gaudiy に興味を持ったきっかけ
原体験から熱中できるプロダクトを考えたら、コミュニティだった
上述の背景から、次のキャリアとしては、高い熱量を保ち続けるために「自分がターゲットユーザになりうるプロダクトを作りたい」という視点から考えていきました。
そこから深ぼっていくと、以下のようなサービスに関連するプロダクトを作っていきたいと考えました。
1 に関してはもうほんとにただの趣味なんですが、特に漫画は年間数百冊くらい読んでますw ゲームは特にバイオハザードシリーズが好きで、最近出た re:4 は発売週の土日にモンスター片手にポテチをつまみながら徹夜でクリアしましたw バイオ4をやったことある人は本当におすすめです。
2については、自分がいま最も大事にしている原体験に由来しています。それは、これまでの人生の中で自分がしんどい思いをした時期に、「オフラインでは年に数回も会わないけれど、オンラインではほぼ毎週話すような小さなコミュニティ」にとても救われたという出来事が何度かあったことです。
この経験から、人生色々あるけど、まーいくつかの信頼できる居場所があればそれだけである程度幸せだよね、みたいな価値観が自分の中にあります。
のちに知ったのですが、有名なTedTalkではなされた研究にもある通り、人間の幸せはどれだけ幸せな人間関係を築けているかに依存している部分が大きいそうです。
また、今どき SNS をゼロから作るみたいなことを国内のスタートアップでやって勝ち筋はあるのか?というところも個人的に疑問に思っていました。
しかしながら、これは調べていくうちに考えが大きく変わりました。
一般的に SNS というとかなりレッドオーシャンなイメージを持たれがちだと思いますが、国内でもこの領域で海外展開も視野に入れられるような勢いのあるスタートアップがいくつかあったり、単に「コミュニティ」と言っても様々な切り口や規模の大小があるので、ここからまだまだ新しいサービスが生まれてくるのだなと当時調べていて強く感じました。
現在は、文化の変化や技術の進化に伴って「居心地のいいコミュニティ」というのは必ず変わっていくので、時代の変化に伴って常に新しいチャンスが生まれ続けるのだろうなーと考えています。
「ファン国家」というビジョンと独特な組織運営が刺さった
このような思考をするうちに、自分でサービスを作ることなども検討しましたが、Gaudiyの「ファン国家」という言葉をふと思い出して調べてみたら、まさに自分のやりたいことだなと思い、本格的に興味を持ち始めました。
さらに調べると、「ファン国家」というビジョンは上記の条件のどちらにもぴったり当てはまるだけでなく、すでに大手の IP とパートナーシップを結んでいて、なんとなく「ワンチャンほんとに実現できそう」みたいな気配を感じましたw
他にも、上記の点に関してとてもマッチする企業はいくつかあり、本当に悩んだのですが、別軸で興味のあったホラクラシー組織と類似する DAO 的な組織運営についても調べていく中でとても共感し、最終的に Gaudiy に入社することを決意しました。
所謂世間的な DAO のイメージは、「コミュニティの全員が平等で全員が意思決定に関与できる」みたいなものだと思うのですが、Gaudiy での DAO は「コミュニティへの貢献度合い応じて公平に意思決定に関与できる」ような形で制度設計されているので、ここもイメージ通りで楽しく働かせてもらっています。
Gaudiy に入社してからどんなことをしているか
開発メンバーロールでの取り組み
Gaudiy にはソフトウェアエンジニアとして2022年8月に入社し、複数ある開発チームの中の一つに所属し、プロダクト開発を行っています。
開発的な大きな取り組みとしては、これまで Firestore x Kotlin(Ktor) で構成されていたお知らせ機能を、現在の Gaudiy の標準技術スタックである Spanner x Go に刷新したりしています。
特にリアルタイム通信の部分では、 Firestore のリアルタイムデータ機能による web socket 通信から Google Cloud Pub/Sub を利用した server sent event 通信に移行するなど、インフラからバックエンド・フロントエンドまで再設計させていただき、技術的にも不確実性が高くおもしろいものでした。こちらは後ほどテックブログなどでアウトプットする予定です(宣言)
直近では iOS 16.4 が Web Push 通知に対応したこともあり、Push 通知周りの開発を行っています。
こうしてがっつりチーム開発を行う傍ら、入社当時はギルド(現在は廃止され、別の形態になっている)という仕組みがあり、横断的な課題に取り組む機会もありました。
Gaudiy では、課題に感じることがあれば積極的に議論し、必要に応じてそれをすぐに解決していくプロジェクトを組んで進めていく文化があり、自分も積極的に課題を挙げ解決していくことを行いました。実施した改善はいくつかありますが、特に印象に残っているものとしては品質管理に関する部分の dev-ops 的な改善があります。
スクラムマスターロールでの取り組み
Gaudiy では、役職や年齢を問わず、どこかでオーナーシップを持って活動しているメンバーがより動きやすく・アウトカムを出しやすくするために、特定の人物をあるロールに推薦する「抜擢」のような仕組みがあります。補足すると、この推薦だけでロールは確定せず、関係する全メンバーの投票によって選ばれた候補者と「蠱毒」と呼ばれる議論をした上で、最終的な任命が行われます。
自分は課題に感じたことは基本的には放っておけず、とにかく何らかのアクションを行いたいタイプなので、なんやかんや感じている課題を色々改善しまくっていた結果、直近では開発ロールとは別に ScM Lead というプロダクト開発全体のプロセス改善の責任を担うロールも担わせてもらっています。
ScM Lead での取り組みとして、直近は
プロダクト開発の複雑性を下げるための負債解消プロジェクト
プロダクト新戦略のデリバリーに向けた、フルサイクルエンジニアリングをテーマにした開発チーム組織体制の刷新
という2つの大きな取り組みを旗振り役として取り組んでいます。これらの取り組みを通じて本当に多くのことを学ばせていただき、これらが一段落つく4月末に、どちらも記事を残そうと思います(宣言)
いずれも当時の自分だけでは到底実行しきれない難しい課題がありましたが、蠱毒による(半強制的なw)成長やメンバー全員の前向きな協力のもと、なんとか形になりつつあります。(次セクションでも書きますが、本当に Gaudiy のメンバーは巻き込まれ力が高く助かっています。)
改めて振り返ってみて、オーナーシップを持って何かを実行しようとすれば、文字通り経歴や既存のロールに関係なく、それを推進する仕組み・文化・メンバーが揃っているなと強く思いました。
組織やプロダクト開発などに課題があれば、誰でもそれを議論して前向きに昇華できるし、また解決策があればどんなハードなものでも組織が一丸となって取り組んでいくことができる土壌があります。
また今後は、今ある課題を解き続けることに加えて、今後組織や事業のスケールに応じて起こりうる課題を予測し対策をしていくような動きを今後は意識して行っていきたいなと考えています。
入社8ヶ月を振り返って感じる Gaudiy のユニークさと弱点
最後に、これまで自分が経験してきたスタートアップとGaudiy が異なる特徴と、その反面で弱点だなと感じるところをいくつか挙げたいと思います。
1. コトに向き合いやすい環境 ⇆ 個人フィードバックが弱い
月並みな表現になりますが、Gaudiy は人ではなくコトに向き合う人が圧倒的に多いです。また単にコトに向き合うだけではなく、お互いに意思決定や主張の背景にあるメンタルモデルを探り、よりよい選択肢を模索し続けることが文化として根付いている点が、組織の大きな強みとなっています。
特に自分は議論をした際の納得感の醸成や、正解のない中でのコラボレーションワークなどに課題意識があったのですが、この行動探求を意識して実行に移すことで苦手意識が払拭され、成長できた点かなと感じています。
こうしたコトに向き合う文化によって、全員が事業にフェアに取り組むことができています。例えばCEOが新卒メンバーから1on1で FB をもらったりするくらいにはフラットな環境です。
一方で、コトに向き合うのは得意でも、個人に対するフィードバックが弱いという側面もあります。問題が発生したときに、多くの人が「人」ではなく「仕組み」で解決を図ろうとするので、根本的には個人に問題があったとしても、それをフィードバックする仕組みや改善を促すベストプラクティスがまだ整っていません。個人へのフィードバックが少ないというのは大きな成長機会の損失であるため、大きな弱点かなと感じています。
2. 機動力と巻き込まれ力の高さ ⇆ 浸透するまでの粘り強さ
繰り返しになりますが、Gaudiy のメンバーは課題解決や新しい取り組みについてとにかく動きが早いです。先日の ChatGPT の福利厚生のように、思い立ったらすぐに行動に移します。
加えて、メンバーのチャレンジに乗っかる力もすさまじく、誰かの挑戦に協力するのを全く厭わない、むしろノリノリで協力してくれる人が多いです。これによって、瞬発的に大きな結束力を出して素早く大きなアウトプットを出すことができる組織だと思います。
その一方で、実際の運用に載せるタイミングで、プロセスを隅々まで浸透させて徹底するのはまだ得意でないなと感じる瞬間も多いです。瞬発力の高さから複数の改善プロジェクトが同時に動いていることも原因にありますが、組織がさらに強くなるにはここが今大きな課題だなと個人的には感じています。「自分だったら浸透の仕組み化できる」という方がいたら、ぜひカジュアル面談などでお話を聞かせてください or 入社してくださいw!
3. 組織開発への圧倒的な投資 ⇆ 贅沢すぎるw
こちらも入社してからの部分で伝えたとおり、代表の石川をはじめ、組織開発にめちゃくちゃ投資しています。現在70名弱の組織ですが、組織・プロセス開発を専門で担うプロトコルチームのメンバーはすでに 4名もいて、中にはプロダクトマネージャーなど他職種としても大いに活躍できるメンバーもいます。見方を変えると「xx職やってもらわないともったいなくね!?w」と思うくらい他領域の専門性を持っているメンバーが、組織開発に取り組んでいます。この部分に関しては弱点というよりただの強みですが、本当にユニークだなと感じていますw
また個人的には、経験のあるシニアメンバーと自分より年下かつ優秀なジュニアメンバーの両方いることがとても刺激になっています。
おわりに
このように、Gaudiyにはユニークな制度や組織の特徴がたくさんあります!一方で、達成したいゴールに向かっては、まだまだ解決しなければいけない課題が事業にも組織にもたくさんあるという状況です。
この記事を見て少しでも「Gaudiyおもしろそう」と思ってくれる方がいたら、ぜひカジュアル面談しましょう〜!