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今日もサッカーに行かない。

夕方仕事していると、母から電話があった。

「サッカーに行かない。って、ごねてるんやけど。何回言っても、行かないっていうから、もう帰るね」

末っ子長男(2年生)がサッカーへ行かないことに困った様子の母。

うちの末っ子長男は一度言い出すと聞かない。
週2回行っているサッカースクールを、今週は2回とも休んだ。

朝、学校に登校するときは、「一人でサッカー行く」と言うのだが、いざその時間になると、「行かない。」と言う。

仕事で送っていけない私の代わりに、祖父母や長女が送って行ってくれている。やっぱりママがいいのか…と思い、昨日は仕事を早退して帰ってきた。

理由を聞いても、テレビの画面を見つめるだけ。テレビを取り上げると、今度は暴れる。もう手に負えない。

小学校2年生の男子は、自分の心の内を言葉にできない。わかっているけど、理由を聞きたい。

自分とまわりとの実力の差を受け止められず、彼のプライドがズタボロなのかもと想像はするが、本当のところはよくわからない。

男の子は、自分の母親にカッコいいと思ってもらいたい生き物だと聞いたことがある。サッカーに行けない弱い自分を母から怒られることは、彼にとって、苦しいことにちがいない。

よその子が「サッカーに行かなくて、困っている」と聞いても、「小学生の男子なんて、そんなもんやろ~」と言えるのに、我が子になると、そうは思えない。

勝手に彼の未来を先読みして、このままで大丈夫か?なんて、ネガティブな考えが悪循環してしまう。

それは、母である私が、息子がサッカー少年になることを期待しているに他ならない。運動できる子に育ってほしいという固定観念からか、「サッカーに行きたくない」と弱音を吐いている息子自身を受け止められていないのだ。

弱音を吐いても、わがままを言っても、無条件に「かわいい」って、どうすれば思えるのか。息子の取扱説明書がほしいと何度思ったことか。

自分が子どものときは、「習い事に行かない」なんて、決して言えなかった。本当の気持ちなんて言えず、ぐっと言葉を飲み込んで我慢していた。今思えば、我慢せずに、「嫌」って言ってよかったのかもしれない。

本当の気持ちを言えなかった自分と、素直に「行かない」が言える息子。

どちらも間違いじゃない。

小さな自分も、目の前の息子も、どちらも受け止めることから始めよう。

彼と自分の楽しい未来のために。


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