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テレビはなくてもよい。

我が家にはテレビがありません。

テレビがありませんと言えば、語弊があります。
正確に言うと、テレビが映りません。

テレビが映らなくなった理由

2月の3連休最終日は雨で、子どもたちと夫は、こたつから頭だけを出し、ずっとテレビとにらめっこをしていました。

母であるわたしは朝から洗濯し、乾燥機を回しに、家とコインランドリーを往復していました。

家に戻ってきても、子どもたちと夫は、テレビとにらめっこの姿勢はくずさず、のほほんと過ごしている姿に、「ブチっ!」と、わたしの心のスイッチが切れてしまいました。

そして、スイッチが切れたと同時に、テレビ裏にある線という線をすべて抜いたのです。

子どもたちは大慌てで、線を差しなおそうとしましたが、何度かこのようなくだりを経験していましいたので、今回は主電源につながる線だけをこっそり隠しました。

子どもたちは、テレビをつけようと必死に挑戦していましたが、何度やってもつかないことがわかると、あきらめたのか、最近ではテレビのない生活に慣れてきました。

テレビなし生活のメリット

まず、「早く食べなさい!」「早くお風呂に入りなさい!」「早く着替えなさい!」と、何度も声をかける必要がなくなりました。

毎日繰り返される「~しなさい」という言葉がけに、エネルギーと時間をかなり費やしていたことに、テレビがなくなって、初めて気がつきました。

テレビを見ていると、耳からの情報がシャットダウンされるせいか、子どもたちは無反応になります。いつも、子どもたちに聞こえるように、あえて、大きい声をだしていました。聞こうとしていない相手に、大声で聞かせようとすること自体が、エネルギーの無駄遣いだったと思います。

「天才テレビくんが終わったら、ごはん食べる」という約束を何度裏切られたことでしょうか。結局テレビがついたまま、食事をする流れになってしまうことが多く、食事に集中することもできませんでした。これでは、子どもたちの集中力がつかないはずです。

勉強や好きなことに没頭することから集中力がつくものだと思っていましたが、生活の中で、一つ一つの動作に集中させることこそ、子どもたちの集中力を身につけることにつながるのだなと、テレビを見なくなった今、改めて感じています。

食べることや、家族の会話することなど、日常の動作ひとつひとつに意識を向け、行動することが、その動作に集中することにつながり、自然に子どもたちの集中力を養っていることにつながるように思います。

テレビを見なくなって、子どもたちが食事や会話に集中するようになり、食事の時間も短くなり、寝る前にぬり絵をしたり、一緒に読書する時間も取れるようになりました。今まで、家事の時短ばかりに意識がいっていましたが、日々の生活を振り返ることの大切さに気づくことができました。

家事の時短を図りながら、テレビなし生活も取り入れてみることは、想像以上にメリットがあります。そして、子どもたちは思っている以上にすぐに、テレビのない生活に慣れてくれます。

テレビなし生活のデメリット

子どもたちの楽しみを何にすり替えるかが問題です。スマホやパソコンから動画を見られることを子どもたちがわかっていれば、テレビの代わりにスマホをさわりたがります。

スマホをさわりだしたら、テレビ以上にエンドレスになり、離さなくなります。無理やり取り上げたら、逆上します。完全な依存状態になってしまっては、困ります。そして、スマホは兄弟で見るには画面が小さく、三人以上で共有することが難しく、取り合いにもなり、けんかの原因にもなってしまいます。

スマホを取り上げる→子どもたちが暴れる→親が怒鳴る

この繰り返しが、テレビなし生活が始まったときに起こりました。これでは、せっかくのテレビなし生活が台無しです。

少し面倒ですが、思いきって、スマホやパソコンを子どもたちの見えないところに隠すようにしました。スマホやパソコンがなければないで、子どもたちは別の遊びを思いつきます。テレビが大好きだった末っ子長男は、恐竜の人形で戦いごっこをするようになり、食事の支度をしている15分程度はひとりでも遊んでいられるようになってきました。

朝の準備が早くできた日だけは、出発までの時間(長くても5分程度)は、動画を見てよいことにしました。ここでも、「早く着替えなさい」という声かけのエネルギーを節約できます。完全にスマホも取り上げることは難しいので、お互いがWin-Winとなるような使い方ができればいいなと、より良いスマホとの付き合い方を模索しているところです。

テレビなし生活で得られたもの

テレビをつけなくなって、親子の会話する回数がかなり増えました。もちろん、テレビの代わりに読み聞かせをしたり、塗り絵をしたりと、親が楽をする時間は減りました。

あと数年すれば、子どもたちは親よりも友だちを優先するようになるでしょう。「一緒にぬりえしよう。」と言ってくれるのも、あと数年です。寂しい気持ちにもなりますが、たわいもない話をしながら、子どもたちと塗り絵をしたり、一緒に絵本を読んでいる時間が、実はとても尊い時間なのかもしれないと思えるようになりました。

そして、子どもたちと共に過ごす時間が、子どもたちにとっても、いい思い出となってくれれば、親として、こんなに嬉しいことはありません。「あの時、ママが怒って、テレビ壊したよなー」と振り返ってくれる日が待ち遠しいです。そのころには、もう誰もママを必要とせず、自分たちで、それぞれの道を進んでいっていることでしょう。

たかがテレビ。
されどテレビ。

いつまで、このテレビなし生活を続けようか、ニヤニヤ楽しみながら考えています。(映画を家族で見られなくなったのが、少し不便なので。)







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