
カメラが私を生かした話① はじめてのnote / 自己紹介
それは10数年ほど前のことだった。
色々な事が重なって、心身ともに限界となり
私は自律神経失調症を発症した。
様々な症状を我慢しながらの仕事中、
ついに過呼吸になり倒れ、会社を休むことになった。
不思議なもので、
のちに飲んだ精神安定剤の影響か
あまりに辛かったからなのか
はたまた、ただ寝ていただけだったからなのか
このときの記憶や症状は、
今でも " モヤがかかったように曖昧 " なままだ。
このnoteでは記憶の断片を紐解き、
私とカメラ、社会復帰までのストーリーを綴っていく。
一年半。
20代の大切な期間を私は寝て過ごした。
そんな私が、どうやって社会に戻れたのか。
キッカケとなったのは
間違いなく、カメラと写真の存在だった。
私とカメラとの出会いは、学生時代に遡る。
学生団体やNPO法人を運営し、
本を出版するなど精力的に活動していた頃、
父から借りたカメラ(Canon kissシリーズ)が手元にあった。
そのカメラとともに
イベントや友人の写真を撮るのが好きで、
今思えば飽きもせず毎日写真を撮っていた。
その頃も、今と変わらない
「目の前にある素敵な光景を写真に残したい」
そんな想いでシャッターを切っていたと記憶している。
床に伏せるようになってから
どれくらいの月日が経った頃か定かではないが
ふと、学生時代に楽しかった『写真を撮ること』
を思い出した。
その頃は夜に眠ることができず、
朝まで起きていることもざらにあった。
「どうせ朝まで起きているのなら…」
と早朝のまだ薄暗い中、
カメラを持って散歩に出掛けることにした。
家に閉じ籠る日々が続くうちに
外に出ることに対して
「社会から取り残されている感覚」や「会社の人に会うのではないか…」
そんな思いがよぎり、すっかり億劫になっていた。
でも、
「さすがにこんな早朝なら誰も居ないだろう。」
そう思い、なんとなくふらっと家を出ることが出来た。
大好きだったカメラを
" 心のお守り " のように携えて。
向かったのは、近くの広い公園。
ボサボサの髪に、ほぼ寝巻き同然の格好だったと思う。
日の出を待つ公園は、人もまばらで
朝日と共に公園に入り、目に飛び込んできた光景は今でも忘れられない。
一面の草葉に降りた朝露が
" 朝日を浴びて無数の光の粒 " となって
キラキラと瞬いている光景だった。
『この美しさを写真に収めたい。』
夢中でシャッターを切った。
日常の何でもない ありふれた風景。
普段なら気にも留めないような風景の中から
キラキラした物を見つけて、それを写真として表現する。
『ただひたすらキラキラを探し、シャッターを切る。』
そんな単純な行為を繰り返すうちに——
いつからか、自然と
「もう少し生きてみようかな」
そう思えるようになってきた。
あの日から、毎朝のように公園に通い詰めた。
朝日を浴びて散歩することの
健康的な効果も相まってなのか
少しずつ心身ともに回復していくのを感じていた。
“写真セラピー”とでも言えばいいのか——確かに、何かしらの癒しがあったのだと思う。
そこからは徐々に夜も眠れるようになり
体力が回復し、メンタル面も安定していき
カメラマンとして会社に勤めることとなった。
前職とは違い、外に出るカメラマンの仕事は
復帰後の仕事としては良かったのだろう。
同僚も同世代に囲まれ、身体を動かしながら
キラキラを見つけて写真を撮る。
——楽しかった。
『こんな世界もあったのか。』
そう、心から思えた。
こうして、私は再びカメラに救われた。
その少し後に、ハッセルとの出会いが訪れる。
それは、写真の世界にさらに深く足を踏み入れる転機となった。
——けれど、その話はまた別の機会に。
このnoteで
『〜日々の生活に彩りを〜』
というテーマで投稿しているのは
『キラキラを見つけて写真を撮る』
という行為のセラピー効果を
知らない人にも体感してほしい。
そう思っているからだ。
でも
正直、ハッセルでなくても良い。
好きなカメラ、相棒がすでにいるならそれが良い。
もっと言えば、
自分にとって癒しの効果があるなら
他の趣味でも、何だって良いのだ。
私にとって、カメラや写真を撮る行為がそうであったように。
ただ…
もし、読んでくれている人の中で
「日々の彩りが足りない」
「将来の漠然とした不安に押しつぶされそうになっている」
「マイナスの面しか見られなくなっている」
という人がいるのなら——
試しに、スマホ片手に外を歩いてみてほしい。
何でも良いから、
心が動かされた瞬間にシャッターを切る。
少しでも『良いな』と思ったら、
そのセンサーを大切にしてほしい。
『良いねセンサー』が育つことで、
日常のありふれた風景が " 全く違う世界 " に見えてくることが感じられるはずだ。
その上で、
" 良いねセンサー " を通した目線から見渡して
好きなこと、趣味を見つめ直してみてほしい。
まず、やってみる。
やってみて違ったら、やめてもいいのだから。
そして、また新しく
始めよう。
特に「辛かった時にでも出来たこと」
それをどうか大切にしてほしい。
いつの日か、共に写真散歩をする日までお元気で☘️
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