休職を延長した話
当初は、休職は2月末までの予定だった。
主治医の先生が、「3か月くらい休んだほうがいいかもね。」
と言ってくれたのに、頑なに断ったのは私だった。
結局、2月末までの診断書を用意してもらい、
会社へ提出した。1月の半ばのことだった。
休職開始した翌日は、
不安と罪悪感でいっぱいになって、ベッドから起き上がれなかった。
お腹も減らない、眠れない、
でも明日はやってくる。
それが怖くて仕方なかった。
どうしようもない焦りが、私の身体を満たしていき、
防衛反応なのだろう、私の思考は停止した。
そんなわけで、しばらくは何もできなくて、
ただ薬を飲んで、ボーっとして過ごした。
2月が始まった頃くらいからだろうか、
少しずつ、「youtubu見てみようかな」とか、
「新発売のお菓子食べてみたいなあ」とか、
人間らしい欲求が戻ってきた。
泣く日が減って、笑える日が増えた。
嬉しかった、なのに。
2月の半ばが過ぎたころから、心がざわざわし始めた。
また眠れなくなり、薬を追加してもらった。
先生の言う通りになった。
診断書を出してくれる時に、先生は言った。
「2月末までの診断書だったら、きっとよく休めないよ。
2月の半ばごろには、”復帰”が頭にちらついてくると思うよ。
無理してまで、戻るべき場所なの?」
私はうつむいて、
「すみません。2月末まで、でお願いします。」小さな声で伝えた。
「じゃあ、2月末までにするね。」と、
先生は、私の意志を尊重してくれた。
その日から1か月がたったの2月半ば、
私は、また診察室にいた。
近況を先生に伝えると、先生は再び診断書を作成してくれた。
同じ日、会社の担当者へもう一か月延長したい旨を伝え、
診断書を提出した。
休職延長手続きは、思ったより何倍もスムーズで機械的に終わった。
あと1か月休職期間が延長された。
最初に診断書をもらった時に先生言われた
「無理してまで、戻るべき場所なの?」という言葉が、
ずっと心にひっかかっている。
いま、また同じ質問されても、
あの日と同じように、うつむくことしかできない。
来月末までに、答えは見つかるんだろうか。
春が近づいてくるのを素直に喜べないのは、
きっと、このせいなんだろうな。