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【#創作大賞感想】sanngoの花が咲く時
私は「心に刺さる文章」を書くのが苦手です。そのため、そういった文章を書かれる方に憧れを抱いています。
刺さる文章に憧れ常に探し求めているため、この記事はものすごい勢いで私の心に深く刺さりました。
sanngoさんはこの記事で、ご自身の魂の叫びを投稿されています。叫びは様々な角度から切り取られたもので、深く深く私の心に突き刺さりました。
意識を失ったご主人の回復を祈り必死で看病を続けるsanngoさんを病院関係者は「病院に住んでいるね」とユーモアも込めて温かく声をかけてくれますし、ご自身も明るく振る舞っているのですが。
少しでも意識が戻るように車いすに乗せて院内をかいがいしく回るsanngoさんはある日、こんな言葉をかけられます。
「あんな人を生かしているから、悪いだよ!!」
「あんな人を私達の税金で生かしてるから、私達の医療費が上がるんだよっ!年金も下がっちゃうしさ~」
「死に損ない!」
「あんな人は早く死ねばいい!」
同じく病院でリハビリを行っている老人から発せられた言葉でした。この方は日々のリハビリや元気な頃と比べて自由の効かない体に鬱屈したものを持っていたのかもしれません。患者の中でボス的な存在だったことも手伝ってか、攻撃の対象を見つけたい欲望を常に持っていたのだと思います。
こういう人を見たり聞いたりすると
・心にゆとりのない人間は醜い
・優位に立ちたがる生き物
と思い心底悲しくなります。
私も母が亡くなる前に意識がない状態を経験しておりますので、sanngoさんが浴びせられた言葉は私に投げつけられたようにも感じました。
そして、少しでも多くの人の心にゆとりを持たせられる文章を提供し明るい世の中を作りたいと思ってしまうのです。
少し話がズレてしまいました。sanngoさんへの感想文に戻ります。
sanngoさんの旦那様は元気だった頃は弱っている人を助けずにはいられなかったそうで、sanngoさんに
人を羨むな
人を憎むな
人を蔑むな
と言われ、その通りに生きられた方と語られています。sanngoさんは他の記事で旦那様との楽しいエピソードを書かれているので「羨むな・憎むな・蔑むな」を体現されたような方であることを前々から読ませていただいていました。
それらのエッセイで私は幾度も笑わせてもらいましたし「sanngoさん文句言っていいって」とコメント欄で突っ込ませてもらったこともあります。
それゆえに「「人間失格」の男の妻になって…」はかなり肩入れをして読んでしまいました。
昨年は小説部門の「#創作大賞感想」しか書かなかったのでエッセイ部門で感想を書くことになるとは思わなかったです。その気にさせたsanngoさんの文章はやはり「刺さる文章」だと証明されたのではないでしょうか。
sanngoさんはこのエッセイを闘病記や「酷いこと言われたの」で終わらせていません。
病気や障害、介護で苦しまれている方に向かって
どうか堂々と生きてください!!
と力強いメッセージを贈って終わらせています。
辛い言葉をかけられながら明るく生きるsanngoさんでなくては発せられない言葉です。
noteという「刺さる文章」を発信できる場を得た今、sanngoの花を咲かせているのではと思いました。
心に深く刺さる言葉を発しながら重くさせないsanngoさんの文章には私は強く魅かれます。
刺さる言葉を探して毎日、文章の海を泳いでいる私には羨ましくて仕方がない人、それがsanngoさんなのです。
sanngoさん、読ませていただきありがとうございました。