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【#想像していなかった未来】寂しさを乗り越え復活した旅グマ「ダフやん」
「想像していなかった未来」と聞いて、まず浮かんだのはnote。SNSに参加して楽しんでいる自分を少し前まで想像できなかったこともあり、どうしても最初に浮かんでしまうのです。noteを始める前まではネットの世界はとにかく怖いという印象でした。有益な情報を得るには最高の手段でもコメントのひとつでも書き込もうならボコボコにされる、そんな世界に飛び込むには大変な勇気が必要だと思い距離を取り続けていたのです。
旅先でのお出かけ情報、昔の思い出の深掘り、少し距離を置いてのお付き合いが長い間続きます。ライターの仕事を始めた時も内職程度で名前も載らないという消極的な姿勢でした。積極的にかかわったが最後、嫌な思いをして退場という発想しか浮かばなかったからです。このままネットの世界との距離は縮まらない、そう思っていた気持ちに変化が出たのは2021年。外出もままならない異常な環境に発狂しかけたことがきっかけでした。
思うように人と話せない
東京に住んでいるだけで汚いと思われる
言葉ではなく肌で味わう感覚とでもいうのでしょうか。電話での対応でさえ嫌がられ時は心が折れかけました。電話でウィルスは感染しないのに相手の嫌がる気持ちが声を通して伝わります。家族以外と気軽に話せない環境がこんなにも苦痛であることを知り、私は誰かと繋がりたいという気持を抑えきれなくなりました。
誰かと話したい、くだらない話を笑って話してまたねと言い合いたい
それができる環境を求めてパソコンを検索し、コメント欄を比較してまわります。そうして一番怖くなかったのがnoteだったのです。
自分だけの時間を楽しみたかたっため、誰にも言わずに始めました。人生初のSNSで、ここまで楽しめるようになるとは。ネットが怖くて仕方なかった当時から想像できない現在に驚いています。ただ、そう思っている方々は多いはずです。そこで私はnoteでの相棒ダフやんに焦点をあて「想像していなかった未来」についてお話ししようと考えました。
ダフやんとの出会いは12月の寒い夜です。TDSに滞在していた青い目に白いヒゲの本物のサンタに会った記念として、ダフやんは我が家に来ました。
なぜそのような記念が必要だったのか
幼稚園に通っていた子供が「サンタは体操の先生」と友達に言われ衝撃を受けてしまったため、サンタが存在するという理由がどうしても欲しかったのです。我が子はトーマスとムシキング、ポケモンの世界でのみ生きていました。家ではいつも寝そべりずっとレールの上を走る電車を眺めています。ポケモンやセミの抜け殻が乗客として遊び相手に選ばれていました。友達が遊びに来てもひとり遊びばかりです。自分の世界を邪魔されなければ、おもちゃを自由に使わせるので友達は遊びに来てくれますが接点を持つことがない……。
よく喋りはしますが自分の世界の話ばかりです。触れ合いがないため、相手を言い負かすような技術が身につく経験は得られません。他の保護者からはトラブルがなくて助かると言われましたが、親としては少し複雑な気持ちを抱いていたことを、ここに告白しておきます。当の本人は友達がいなくても線路があれば幸せそうなので、親としてすべきことはないのですが。このように夢の世界で楽しく生きていた我が子は当然のようにサンタの存在を信じ切っていました。
そう思うなら、その考えは尊重しようと私は考えを切り替えます。汽車と自由に話をしたりサンタがほほ笑む世界を信じているならば少しでも長くそれに寄添いたいと考え、我が子の世界に寄り添うことにしたのです。
その考えに影を落としたのが「サンタが体操の先生」という友達の発言。言い返すこともできず心揺れている子どもを元気づけるため、最初は図書館に行き、サンタの存在を肯定する絵本を読んで聞かせました。それでも表情が晴れないため、サンタは世界各国に沢山いるので、黒髪だとしてもおかしくないという話をします。サンタのイメージを再現するために白髭をつける若いサンタもいるとの強弁も展開しました。
子どもは私の圧に負けそうになりましたが、冬休みに入るまでは毎日幼稚園があります。私がいくら「サンタ実在説」を展開しても友達の「サンタ体操の先生説」の影響力は強いのです。ひとり遊びばかりしているようでも我が子の耳は友達の話を拾います。共に遊ばなくても友達という存在は絶大なのです。
毎日浮かない我が子をなんとかしたいと悩みつつPCを検索しつづけたある日、最高の助け舟を発見しました。TDSの「サンタとの撮影会」の告知です。幼稚園が冬休みに入ると同時にTDSでのサンタとの記念撮影会へ向かいました。本物のサンタに出会い家族で満足したあの夜は一生忘れられないでしょう。本物を目の前にした我が子は感動のあまり口が聞けず、怒ったような顔をサンタに向けていました。人は感動しすぎると話し方を忘れてしまうのです。後で渡された記念写真に写る不機嫌そうな自分を見て我が子は嬉しそうに笑っていました。
「お友達はね、TDSのサンタさんに会っていないから変なことを言ったんだよ。これからは誰になにを言われても信じていいんだよ」
満面の笑みを浮かべ、我が子は素直にうなずきました。このサンタとの出会いの記念として購入したのがダッ〇ィーです。ただ、本物のサンタの行列に並んでから売店に行ったため、ほとんどのクマは姿を消していました。
園内は大きなダッ〇ィーを抱えた幸せそうな親子でいっぱいです。カップルでさえ巨大なクマを抱え幸せそうに歩いています。子の顔に再び絶望の陰が差し始めたその時、小さなサイズが売れ残っているのを発見しました。
それが我が家のダフやん。
「このクマ小さ……」
と言いかけた我が子に、
「これは旅グマにぴったりのサイズ!」
と圧をかけます。有無を言わさず購入して我が子のコートの上のボタンを少し開け、小さなクマをプスっと差し込みました。
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「可愛い!すっごく可愛い!クマちゃん暖かそう!」
単純な我が子の頭の中から「小さいクマ」という単語は消え去りました。旅グマ「ダフやん」の誕生です。
noteを始める前、ダフやんは我が子の首元から顔だけ出して一緒に旅をしました。スキーではダフやんは顔だけ出して滑るので雪まみれになります。首元にダフやんを出した我が子は「可愛い」とよく声をかけられました。そうやって何年も旅グマを続けたダフやんですが、子どもが成長すると首元にダフやんは入らなくなります。大きな子どもがぬいぐるみのクマを首元から出しているのは違和感を伴うようになってしまったからです。それでも、愛着はあったので旅には連れていきましたが、食事の時は部屋にお留守番というスタイルになってしまいました。ダフやんとの距離は寂しかったです。しかし、これも我が子の成長過程と思い心の中で「ごめんね」と言って部屋へ置いていました。
もう、このままダフやんを連れ歩くことはないと思っていたのですが、まさかnoteがきっかけでダフやんが活躍するようになるとは!しかも、私が連れまわす未来がくるとは!
季節ごとの風景とダフやん
美味しい食事とダフやん
名所とダフやん
スマホは私ではなくダフやんの画像ではちきれそうになっています。出会った頃に比べてすっかり傷んでしまったダフやんですが、今の方が表情が豊かで愛おしいです。
サンタはいないと否定された時は腹立たしさが先に立ちましたが、それがなければnoteでダフやんは私の相棒として活躍してくれなかったでしょう。それ以外にもダフやんを全面に押し出した記事を馬鹿にせずに受け入れてくれた優しいnoterさん達がいなかったら、ダフやんは旅グマとして復活しなかったと思います。
想像していなかった未来が私に与えてくれた幸せ、これからも大切にしていきます。