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ルイヴィトンから学ぶ価値づけ

みなさん、こんにちは。
株式会社Joinの橋岡克仁です。

今回は、ルイ・ヴィトンから学ぶ価値づけをテーマに書きます。

ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton Malletier)はフランスのスーツケース職人であるルイ・ヴィトンが1854年に創始したファッションブランドです。

初期は軽くて丈夫なスーツケースを作成していました。

その後1896年にモノグラムデザインを発表し急成長を遂げ、ラグジュアリーブランドにのし上がります。

そしてこのモノグラムデザインが今でも変わらず店舗に並び、品薄状態を続けているのです!

現在ではルイ・ヴィトンは、フェンディやディオールなどを含むLVMH(モエ・ヘネシー・モギビッシュルイ・ヴィトン)グループの中核ブランドになっています。
2019年度にはブランドグループの売上高6兆円という、想像もできない程の売り上げを誇っています。

※LVMHについて前回書いてます。

知名度でいうとグッチやシャネルと同じくらい有名!と思う方も多いかと思いますが、実は規模で言えばルイ・ヴィトンの売り上げはそれらの倍以上もあるのです。
圧倒的存在感を持っている「王者」のブランドです。

1896年に発売されたモノグラムデザイン、今でも人気なこの商品は、実は日本の家紋から着想を得ています。

薩摩藩、島津家の家紋が元になっているんです。

当時のルイ・ヴィトンは高品質なスーツケースを作ったものの、一方で偽物被害に悩まされていました。
そこで、正規品であることの証として、「家紋」を取り入れたのです。

たしかに言われてみると、日本の家紋に似ていますね。

ルイ・ヴィトンのマーケティング戦略はマーケティングの基本の4Pのお手本のような戦略をとっています。

① Product(製品)
② Price(価格)
③ Place(販売ルート)
④ Promotion(販売促進)

まず、ルイ・ヴィトンは一度もセール(値下げ)をしたことがありません
これはアパレル業界の慣習的な部分もあり、発注には必ず過不足が出てしまうこと・百貨店などの親元にテナントが逆らえないこと、流行り廃りがあり型落ちが出てしまうことから、アパレルはセールをします。

しかし、ルイ・ヴィトンは150年間それに抗っているのです。

なぜなら、顧客にとって価値を変えさせないことを徹底するため、そして正規価格が適正価格であると主張するため、この2点がルイ・ヴィトンが値下げをしない理由です。

こうしてマーケットに迎合しすぎず、プライスの決定権を自社に持たせることでブランド価値を守っています。

次に、ルイ・ヴィトンにはライセンス品が存在しません。
ライセンス品とは、ローカライズの為に本国のデザイナーがノータッチで作成販売できる権限を与えられたもののことです。

ローカライズして各国のブランドへのイメージが変わってしまわないようにすることで、流通を管理し、価値を担保しているんです。

また、ルイ・ヴィトンにはアウトレット品(B品)も存在しません。
価値、デザインを徹底的に守る為に、最高品質以外は流出させないです。

さらに、ルイ・ヴィトンには商品を打ち出した広告が存在しません。

ルイ・ヴィトンで、「今期のバック、◯◯円!」と言った広告を見たことないですよね?

映画のワンシーンのようなカットだけかと思います。

これは、単品の訴求ではなくブランドイメージを広告することで、他社との差別化を図っているのです。

なぜなら、プライスやスペック、トレンド性に言及してしまうと、真似ができてしまい、ブランドの価値が下がってしまうから。

一般的なブランドは、価格のためにセカンドブランドなどを作り品質を落とし、
アウトレットやライセンス品を利益のために打ち出すことで低品質なものを流出し、売り手の事情による値下げで顧客を価値の迷子にさせて、単品訴求の広告をしイメージを上げることに徹底することが難しいです。

これがアパレルの現状なのです。

高品質を維持し、流通管理を徹底して価格操作を許さず、ブランドイメージを高めることでルイ・ヴィトンはアパレル界の王者の存在であり続けられるのです。

ルイ・ヴィトンの強みは「職人気質のモノづくり」ではなく「堅固なマーケティング戦略」です。

斬新なデザインを作り出すのには人を入れ替えなければいけないですし好みもあり、体力もいります。

逆にマーケティングをひたすらに徹底していくことで、同じデザインでも100年以上売れ続け、品薄状態を維持することができるのです。

ブランディングの効果について、下記5点があげられます。

①無条件にリピートされるようになる。

②無条件に安心をもたらす。

③無条件に選ばれるようになる。

④無条件にイメージが連想される。

⑤無条件に購入される。

逆にブランディングに失敗すると、

①競争に巻き込まれる。

②比較対象にされる。

③価格勝負になる。

モノづくりというとこだわりや高品質を意識してしまいがちですが、ものを売り、ビジネスにすることの大切さがルイ・ヴィトンから学ぶことができます。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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