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映画レビュー(旧作)「JFK」

映画レビュー(旧作)の第二回目は1991年公開の「JFK」

「JFK」は1991年の作品。
監督はオリバー・ストーンで、ケネディ暗殺の真相究明に奔走する主役の検事をケビン・コスナーが演じる。


1963年に実際に起きたケネディ暗殺事件を題材にしたもので、かなり深刻で見ごたえのあるドラマ作品。疑問点や問題提起をケビン・コスナー扮するギャリソン検事が次々とスピーディーにやっていくので、時間の経過は意外とあっという間。ただあまりの早さと結構高度な内容も含まれているので、初見ではついていくのがやっとかもしれませんね。私は過去に何度も見返してますが、それでも見るたびに新しい発見や気付きがあります。それぐらい内容はかなり濃いものだと思います。


見所は多々ある。暗殺に関する証言を求められてそれを拒む目撃者や、次々と消されていく証言者。国家権力に立ち向かう一介の検事局の人々の軋轢。オズワルド単独犯を断定したウォーレン報告書の矛盾点。特に一発の銃弾が2人に7か所の傷を負わすという「魔法の銃弾説」の矛盾点の衝くシーンは良い。国民に嘘をつく国家を信じられるか…というセリフがここで効いてくる。

まぁ見所は万歳で3時間に及ぶスリリングな展開であり、正直あっという間に過ぎてしまう。

最大の見どころは後半の法廷シーンで、あのザプルーダー・フィルムが公開されると緊張感はピークに達する。ここでの焦点は報告書通り教科書ビルから狙撃されたとするなら大統領の背中側から撃たれているはずだが、フィルムを見る限りは明らかに前から狙撃されている…というものだ。

「Back to the Left」

静寂の中、映像と共に何度もこの言葉を繰り返すギャリソン検事。
この映画の一番重苦しくなるシーンだが、物事の本質を衝いている場面。この後に法廷シーンで涙声ながらに陪審員に訴えかけるシーンが感動する。


監督のオリバー・ストーンはこの手のアメリカの闇というか裏側を描き出すのが得意な監督。このJFKの前には「プラトーン」でベトナム戦争を描いたし、2006年にはいち早く9.11のテロの一部を描いた「ワールド・トレード・センター」がある。さらに2016年にはあの「スノーデン」を作っている。いくら自由の国と言っても監督自身が国家組織から狙われるんじゃないか…そんな風に思えるくらいアメリカの闇と裏側を描く事に拘っているのだろう。

ちなみにケネディ暗殺関係の資料は国家機密文書としての扱いを受け長らく非公開だったが、2017年10月に解禁される予定だった。それが時のトランプ政権が公開延期を決定する。しかしその当時「4年後までに再検討する」という条件付きだった。その4年後とは2021年10月であり、あと数か月後には公開されるかも…という状況になっているのである。ただ公開されても重要な書類は破棄されているであろうというのが大方の見解ではあるものの、注目の出来事である事には違いなさそうだ。

 


おまけ映像
(ただし鮮明なので閲覧注意との事です)


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