「取材、一緒に行く?」 そう声を掛けてきたのは新作の構想を練っている最中の母だった。 「今回の本はどうしても読んで欲しい人がいるの」 と、意気込む母の誘いを無下にはできず、カーディガンに手を伸ばす。 軽い気持ちで付いて行ったそこには 待ち侘びていたはずの青が広がっていた。