我々もその羊羹を買って、慈雲老師を偲ぶことにした。防腐剤や保存料などは使用していないので日持ちはしないという。 冷蔵庫で冷やしてから食べてみた。甘さを抑えたその羊羹は軽やかで、滋味が体に染み渡るようだ。後味が爽やかで、何やら透明感を感じさせる。「無」の味であろうか。老師に合掌。
円覚寺の先代の管長であった足立大進老師は、反骨の禅者であった。居士林長老のT先生は、慈雲老師(足立老師のこと)は、今でも夢に出てくると言われた。 会合の帰り、T先生は、北鎌倉駅前の小さな和菓子店で「あがり羊羹」を買い求めた。これは、老師が鎌倉一の羊羹だと褒めておられた逸品だそうだ