矢加部徳公さんの茶碗です。チャコールグレーの肌に、漆塗りのような光沢があり、重さを感じさせる一方で、口を拡げ、器の背を抑え、オープンかつコンパクトな印象です。普通の茶碗が200gほどなのに対して150gです。不協和の群れが、驚きと不安を与え、「存在」の不気味さを問いかけてきます。
陶芸作家・矢加部徳公さんによる一輪挿しです。形は、普段見慣れた、工業デザインのガラス瓶のようです。一方で表面の釉薬は、熱帯の果実を思わせる天然の素材感に溢れています。この非日常的な人工と天然との融合が、幻のように周囲から浮き立ちます。矢加部さんからの「存在」に対する問いかけです。