創作落語を書くのはこれで二本目。今回のテーマは「おもてなしの心」。現代の下町を舞台にした人情噺で、世話好きな職人、口数少ない料理人、お喋りな近所の奥さんを出し、私流の「江戸の風」を吹かせてみた。もちろんそれだけではない。いつもの「笑って泣いて考えさせて」を存分に注入した。続く。
といえども小説ではなく落語。波長が合う演者がいなければ成立しない。波長とは価値観。その点で桂三若氏とはウマが合う。そして彼は今、脂が乗っている。とはいえ私は彼を、噺家ではなく「旅芸人」として見ている。もちろん賛辞である。ギターならぬ、扇子を持って全国をまわるアーティスト。続く。