沖縄伊是名島への墓参りは、道案内の身内を連れて行かないと辿り着けない。墓石に名前は書いてないし、ジャングルのような木が生い茂った細い道を進むと目に飛び込んでくるのは、野生の島バナナ。誰も取らないから、実り放題で、危うくここが日本の一部だということを忘れそうになった。
沖縄伊是名島の民族資料館にあった龕(がん)。神輿のように見えるが、棺を入れて担いで墓まで運んだらしい。誰がどこを持つのか決まっていて、亡くなったら方の孫や従兄弟などが担いで、長男や次男などは龕を担がずに葬列の先頭を歩くらしい。龕の表には、仏教を連想させるハスの花が描かれている。